ふたつの故宮博物院(新潮選書) [Kindle]

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  • 「ふたつの」と銘打ってはいるが台北故宮博物院の本。日中戦争期に故宮の文物は戦火を逃れ疎開に疎開を重ねた。戦後はその一部が蒋介石率いる国民党と共に海を渡り、台湾に上陸した。台北故宮博物院が開館した後も、両岸の政治と故宮の文物は切っても切れない糸で結ばれ、その立場は常に揺れ動いている。
    中国でも台湾でも、政治と文化は日本のそれよりもずっと緊密に関係してきた。本書は故宮の歴史を語りながらそのまま台湾の政治史をも語っている。朝日新聞の記者で台湾に精通する著者が、両故宮のトップを始め豊富な取材を行った上で執筆した。2011年刊行の本書には2014年8月現在日本で開催中の台北故宮博物院展を実現させるまでのたいへんな苦労も綴られており興味深い。

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著者プロフィール

野嶋 剛(のじま・つよし):1968年生まれ。ジャーナリスト、大東文化大学教授。朝日新聞入社後、シンガポール支局長、政治部、台北支局長、国際編集部次長、アエラ編集部などを経て、2016年4月に独立。『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『認識・TAIWAN・電影――映画で知る台湾』(明石書店)、『蒋介石を救った帝国軍人――台湾軍事顧問団・白団の真相』(ちくま文庫)、『台湾とは何か』『香港とは何か』(ちくま新書)、『新中国論――台湾・香港と習近平体制』(平凡社新書)など著書多数。著書の多くが中国、台湾で翻訳刊行されている。

「2023年 『日本の台湾人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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