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感想・レビュー・書評
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「ふたつの」と銘打ってはいるが台北故宮博物院の本。日中戦争期に故宮の文物は戦火を逃れ疎開に疎開を重ねた。戦後はその一部が蒋介石率いる国民党と共に海を渡り、台湾に上陸した。台北故宮博物院が開館した後も、両岸の政治と故宮の文物は切っても切れない糸で結ばれ、その立場は常に揺れ動いている。
中国でも台湾でも、政治と文化は日本のそれよりもずっと緊密に関係してきた。本書は故宮の歴史を語りながらそのまま台湾の政治史をも語っている。朝日新聞の記者で台湾に精通する著者が、両故宮のトップを始め豊富な取材を行った上で執筆した。2011年刊行の本書には2014年8月現在日本で開催中の台北故宮博物院展を実現させるまでのたいへんな苦労も綴られており興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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