妻に捧げた1778話(新潮新書) [Kindle]

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  •  癌のため余命1年と宣告された妻に、毎日眉村先生が書き続けた1778話のショートショートからの抜粋と、その当時を振り返ってのエッセー。
     妻に捧げたとあるけれど、妻ひとりに宛てた私的なものでなく、ひとつひとつが、商業誌に掲載される水準を守るように読者を意識したものになっている。けれど、作中で「御百度参りの儀式のようなもの」といわれているように、書くこと、そして奥さまに読んでもらうことが、ふたりのあいだの儀式であったことに間違いはなく、その様子を垣間見せていただいた、という感覚があった。
     癌という、しずかに体が内側から自壊していくような病、それと生きる日常のなかで、そんな日常から、ふと離れて、物語の世界に滞在していられる。
     読むというのは、あたまも気力もつかって案外疲れるものだけれど、体調が悪化していくなかにおいても、読者であり続けた奥さま。葬式の際に、眉村卓夫人、とつけることを希望された奥さまの、作家の妻として支えた矜持も感じられた。

  • 治療中の妻に宛てたショートストーリーの抜粋と奥様が亡くなるまでのエッセイを織り交ぜた作品。

  • カズレーザーさんが好きな作品と言っていたらしく、気になった母が買ってきたものが私にも回ってきたので拝読。

    病気の妻の為に毎日1話ショートストーリーを執筆し続けた作家・眉村卓本人の話。

    もちろんこの本自体に載ってるショートストーリーはごく一部。1778話はさすがに載ってないです。

    5年間毎日書き続けると言うのは単純に凄い。
    毎日ショートストーリーを書くというの、私もちょっとやってみたい。面白そう。

    読む方も楽しそう。毎日毎日書いた作品を読むというのが、病気であった妻にとって良かったのか、面倒では無かったか、本心はわからない(と眉村卓さんも言ってる)けど、私だったらめちゃ嬉しい。毎日の楽しみがあるってのは良いもんだ。

    いくつか掲載されていたショートストーリーも、私的にはどれもなかなか面白くて、短い分読みやすいし、ショートストーリーメインで発行されてるという『日課・一日3枚以上』にも興味が湧く。

    筆者はこの話を、妻に捧げるだけではなく、誰が読んでも分かるような、書き物の仕事の1つとして、外に出ても恥ずかしくないクオリティを保つ事に努めていたと言う。
    実際何個か読んでみて、その試みは読者としても嬉しく感じる人がいると思う。

    日めくりカレンダーみたいに、このショートストーリーを毎日1話、読むのを日課にしてる人が他にも恐らくいるだろうし、この行事に筆者も満足してるならそれで充分。

  • - 気持ちや関係性が確かにそこにあったなら、それでいいんだ。
    - 人と人がお互いに信じ合い、共に生きてゆくためには、何も相手の心の隅から隅まで知る必要はない。生きる根幹、めざす方向が同じでありさえすれば、それでいい。
    - その五年間は、私たち夫婦にとっても、また私自身の物書きとしての生涯の中でも、画然とした一個の時期であり、ただの流れ行く年月ではなかったのである。妻へ――読んでくれて、ありがとう。

  • 「死」や「別れ」に関するブックリストで見つけた本。大好きなカズレーザーも推していたのはここで知る。あくまで制約をつけて妻のために書いたものだからという言い訳めいた話ばかりで、ショートショートの本文はほとんど読めなかった。思っていた内容ではなかったが、最後の3本は心がじわっとくるものがあるし、自分の両親と妹にこんな思いをさせる日はなるべく遠くにしたいと願うばかりである。

  • アメトーク、本屋で読書芸人でカズレーザーさんの「泣ける」の紹介で買ったクチ。期待値が上がりすぎていて、泣かしてもらおうという気持ちで読んでしまったことに不謹慎さを感じてしまった。 それは、さておいて、「妻に物語を毎日書き続けることで、長く寄り添っても相手のことを分かっているようで分かっていない、ということを知った」というあとがきにグッときた。自分も妻との関係を見直すキッカケにしたい。

  • 良くも悪くもなく、普通の作品。
    余命宣告された妻に対し、小説家の著者ができることを日々一話書き聞かせたという話で、できることを自分なりにやった、ということはためになるが、内容としてはいまいちな印象。

  • ちょっと話題になっているという話と、中学くらいからほぼ読んだことなかった眉村卓を久しぶりに読んでみるかということで購入。
    自分の感受性が低いためか、それほどの感動はなく淡々と読んでしまった感じ。正直ショートショートとしては大した話はないかな。

  • 想像と違う内容だったが、それの方がスッキリ読めた。いい本というのだろう。

  • ・読み手をぎょっとさせすぎない、穏やかなショートショート。
    ・1778話全部載ってるのかと思ったけど抜粋だった。

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著者プロフィール

1934年大阪府生まれ。会社勤務のかたわらSF同人誌「宇宙塵」に参加。61年、「SFマガジン」第1回SFコンテストで「下級アイデアマン」が佳作入選しデビュー。63年に処女長編『燃える傾斜』を刊行し、コピーライターを経て65年より専業作家に。71年から書いていた司政官シリーズの長編第一作『消滅の光輪』で79年に第7回泉鏡花賞と第10回星雲賞、96年に『引き潮のとき』で第27回星雲賞を再び受賞。日本SF作家第一世代の一人として長く活躍したほか、NHKでテレビドラマ化された『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などのジュブナイル小説やショートショートなどでも健筆をふるった。著書に『妻に捧げた1778話』『いいかげんワールド』など多数。2019年11月3日逝去。2020年に第40回日本SF大賞功績賞受賞。

「2020年 『その果てを知らず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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