悪の教典(上) (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 良い人もいるよ、きっと。

  • おおよその人たちから信頼を得ている先生が実はサイコパスであり、その人の周りで起こした数々の事件の物語。
    一人一人の設定が物語にうまく絡むようしっかり設定されていて、その人たちに、サイコパス先生がマリオネットのように人を操っている描写が面白かったです。

    ギャグ要素などの笑い要素はなかったのですが、人の思考や計画の立て方に興味が惹かれました。
    ひとつ一つに込められた感情が具体的で、ここまでかけることの凄さを感じました。
    全体像を見たら明らかに偶然が重なり合っていると気がつくのに、ひとつひとつの点で見ると違和感が感じにくいところがすごいと感じたのですが、これは他の作品もそうなのかな。というかあたりまえかな。
    頭がいい人と悪い人、協調性がある人とない人…など、どのパターン・組み合わせがいいのかごっちゃごちゃしてきました。でも頭の回転が速い人には憧れます。そこには。

    とにかく続きが気になって仕方がないと思える本でした。

  • 『バトルロワイヤル』や『そして粛清の扉を』を思わせるような学園物語であり、かつ今では割と一般的な言葉として定着した感のあるサイコキラーをテーマとした作品。
    主人公の蓮見はみんなから人気のある先生である一方で、他の誰にも見せないような一面や過去を持っています。個人的に、初対面でニコニコと馴れ馴れしい人が苦手で、人当たりのよさそうな見た目の裏には、何か計り知れないものが潜んでいるといつも思ってしまいます。この性格もこういった本を読んで来た影響か。
    それにしてもまだ前半ではあるが、人間の怖さを書かせたら、貴志先生の右に出るものはいないのではないだろうかと改めて感じさせられました。

  • 最初のカラス撃退シーンで「おやっ」と思った通り、相当危ない先生でした。下巻で誰がこの「先生」を止めることが出来るのか期待!

  • 一気に読めてしまう。この本の前に新世界よりを読んだが全く異なる世界観。サイコスリラーの王道。

  • キャラクター多いなぁ。
    単行本なのでやむを得ず、日記のページを使ってメモとったけど大正解。いつもの付箋じゃ三枚くらい必要になってたはず。
    「そもそも読み進める上でメモが必要なくらいキャラクターをいっぱい出しておいて、一人ひとりにキャラ付けできないから、読者にメモを取らせる必要がある時点で筆者の力量不足ではないのか?」とふと思いましたが、良いのです。別に評論のために読んでるわけじゃないし。どうせ一期一会の本、しかも貴志氏の作品ですもの、ちゃんと最大限に味わいたいのです。キシシ(笑)

    ってか主人公の蓮実先生、すげーな。天才ってのは総じてどこか狂ってるけど、その上を行く狂いっぷり。しかも悪事を働く時に付随する理由がとても社会的に的を得ているからギャップに騙されて、ついつい「蓮実先生のやることだから意味があるんだと思う。最終的には正しかったんじゃない?」なんてクラスの親衛隊の一員のような気持ちになっちゃう(笑)しかもそれだけ努力して問題児を集めた理由が可愛い女子高生を食うためかよ!もっと他に重大な理由は無いんかい!!

    なんか色々突き詰めて現実と比較して読み進めれば、動機やら感情と理論やら善と悪やら色々テーマが出てきて、しかも穴とかも多そうだけど、現実に引き戻させず、「この世界はこの世界。蓮実先生はこういう人なんです!」って持ってっちゃう感じ、そこが文章力なんだと思う。あー、一気読みして良かった。Thanksgivingばんざい。
    あと、カラスの殺し方すごいな。頭いい。ムニンが戻ってくる辺り、最後にカラスによって陰謀が暴かれて逮捕されちゃうのかな?
    11/23/2012

  • 強いルー大柴がかっこいい。高校生活を顧みるきっかけにもなった

  • 【上下合わせての感想です】

    こんなんだったっけ?

    なんかもっとテンポ良く、周到な作品だった気がしてたのだが…
    破綻もなくうまくまとまってるし面白いんだけどこう、最後の大虐殺のくだりが計画外だけにバタついてて、智略をつくすんじゃなくてただ一方的なのが気になった。しかも、1番警戒していたはずの生徒群を死亡確認しないで丸っと放置?

    うーん、それって…ここまでいったら勧善懲悪じゃなくしてほしかったかなあ…

    あと、最後のエピソードならなおさら、本編に寄せてほしかったんですが…あれってなんだったんですかね?ただの語呂合わせ?

  • 初貴志祐介作品で、これ以降貴志作品にハマったきっかけとなった作品。書籍でも映像でもすごく面白かった。

  • 何回読んだかわからないくらい好き

  • 後半にかけて、俄然ハスミンがアグレッシブ。誰が死んで、誰が生きてて、誰の高級車がぶっ潰されたのか、インターバルな今、一旦整理させてほしい。

  • 天才サイコパスが主人公。
    天才とサイコパスどっちが先とかじゃなく、初めからサイコパスな天才児。

    一番対抗できそうなプチサイコパスが出てくるが、人間味を見せたところであっさりとやられてしまった。
    もう少し渡り合って欲しかったが、ちょっと実力に差があり過ぎたかな。
    癖のある登場人物は多いのだけれど、相手が強キャラ過ぎて不安しかない。
    猫山先生は多分ただのゆるキャラだし‥

    誰が一泡吹かせるかに期待しつつ下巻へ。

    ESSは英語サークルのことらしい

  • こんなにも恐ろしいサイコパスを描くのは天才だ。頭がいいゆえに邪魔者を消してしくハスミンは魅力的だ。

  • 夏休みに最適なほのぼのとしたサイコパスなシリアルキラーもので楽しかったです。
    皆殺しだけの下巻より、上巻の方がかなり好みだけど。
    上巻のトーンのまま終わりまで行ってほしかった。
    そこだけ残念。

  • 映画を先に見たんですけど失敗でした、原作先の方が絶対に楽しめました

  • サイコパスって凄く怖くて読んでいるにはとても面白い‼︎おいおい一体どーなっていくんだ

  • 感想は下巻に記入

  • 力作と思うけど現実離れがすごくて白けた

  • 私立高校の人気英語教諭、退屈する暇を与えない完璧な授業。天才サイコパスとして、問題解決手段の選択肢として触法・殺人へのタブーなし。一人を自殺偽装するはずが、クラス全員に知られてしまいそうになった時の決断。木の葉は森に隠せ。

    少しづつ過去の悪行があかされていくのか、と思いきや、怒涛の展開。すごー。

  • 作者に期待して読みました。
    最初のカラスの話あたりは怖さがいい感じでしたが
    段々と うーん? となってしまいました…。
    それはバレるでしょ?!みたいな。
    このまま下巻へゴーします!

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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