鬼平犯科帳(一): 1 [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • すばらしい。としか言いようがない。

    自分が今まで読んできた本の中で一番の作家は誰かと聞かれた時、間違いなく「池波正太郎だ」と答えるだろう。

    それほどまでに氏の作品は自分の人生観に影響を与え、「こうありたい」と思わせる人物を鮮やかに、強く、そして慎ましやかに描ききっている。

    そんな氏の代表作である鬼平の一巻である。

    その昔読んだ時とあきらかに違うのは自分が東京に住んだことだ。
    話に出てくる地名と現地が結びつく。
    本所、深川、末広町、麹町、駒込、愛宕権現。江戸の町と現代の街がマッチする。
    さらに「血頭の丹兵衛」の章の舞台は故郷 島田宿だ。

    読んでて顔をほころばせずにはいられない。

    鬼平のすごいのは長谷川平蔵が脇役ではないかと思うくらいに、魅力的な盗賊がいっぱい出てくることだ。

    野槌の弥平にはじまり、前述の血頭の丹兵衛、蓑火の喜之助、そして蛇(くちなわ)の平十郎。

    話は一話完結だが、物語は繋がっている。時が流れている。

    これは氏の作品の中で鬼平に限ったことではないが、とても読みやすく、心地よく、主人公はかっこよく、情に厚く、悪党には厳しい。

    池波正太郎を超える大衆娯楽文学時代小説作家は今後出てこないだろうと自分は確信している。

    長谷川平蔵は昔不良で、今偉くて強くてかっこいい。話は緊張感があり、残酷なシーンもあり、そしてちょっぴりエロいくだりもある。
    楽しい、とにかく楽しい!

    Kindle版では368円で読める。もし少しでも興味がある人がいたらぜひともオススメする。なんの気兼ねもなく、サクサク読める。なにより心にグッとくることを保証する。

  • ※2019.2.3購入@amazon、kindle版

  • 鬼平ものの記念すべき第一作。
    長谷川平蔵がいかにして盗賊改になって世の悪党どもを震え上がらせる鬼平となったか、というシリーズ金字塔。

    池波作品の醍醐味でもある料理の話がいつ出てくるのかとわくわくして読んでいたが、第一作に限って言えばそれらしき描写は全然出てこなくて拍子抜け、という感じも否めないが、この長大なシリーズを読んでいくうちにその世界観の中に登場してくるのだろう。たぶん。

    やはり伝法な物言いい、ってのがいいやね。てやんでい。

  • テレビ時代劇にもなっている鬼平犯科帳。池波正太郎さんの文章が秀逸です。

  • 人間中心、流れるような語り口

  • 鬼平再読プロジェクト1

  • 人間と状況の描写。読んでいて江戸時代に行くことができた。よい気分転換になる。鬼平はやはり吉右衛門さんだな。

  • 私自身4度目の「鬼平犯科帳」の復習です。
    巻末の植草甚一氏の鬼平犯科帳への解説が、たいへん参考になりました。流石の鬼平ファン。

  • 世にも有名な鬼平犯科帳。
    池波作品はいくつか読んだことがあるが、この作品はテレビ作品も含めて実はこれまで触れたことがなく、今回、書籍を読むのが初めての接点。
    1巻はリアリティを感じさせる筆致。
    てっきり一話完結の短編の集まりかと思ったら各話の間の連続性もあるあたりが面白かった。

  • 高校生の時に封印して以来 20数年ぶりに読みはじめ。
    巻末の初出をみたら昭和43年とあり、もう 50年以上前に書かれたのか。感慨深い。

    脳内では中村吉右衛門さん、江戸家猫八さん、蟹江敬三さんなどで再生されるよね... うむっ。

    これからの巻も楽しみ。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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