結婚の条件 (朝日文庫) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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  • 日本で晩婚化が進行する原因を,男女の結婚観に求め,シュールに分析している。驚くような新しい知見が得られた訳ではないが,いちいち納得してしまうことが多い。

    しかし,読後にどうも違和感が残る。確かに,ここに描かれているような,既婚男性・女性は存在するだろう。でも,本当にそれがすべてなのか? 実際の夫婦には,もっと別の生き方・考え方を持って,幸せに暮らしている人だって多いはずだ。もっと普通の,結婚の良さ,のようなものがまったく考慮されていない。別に変に夢を持っている訳ではないが,何か違うと感じる。これを読んで,ますます結婚に及び腰になるような若者がいないかと,不安になる。

  • 舌鋒鋭く、女性が男性との結婚に求める「カネと上昇」と、男性が女性との結婚にもとめる「カオと甘やかし」について書いている。
    うっかりちゃっかりした女がモテるという話も確かにそうだと思わせる。
    しかし、全般に視線と言い方がアイロニカルで意地悪さを感じる。それで息苦しくなった。

    2006年の著書で、今となってはやはりかなり古さがある。女性が働くことは当時より当たり前になったので、そこまでがっつり依存したいと思っている人は減っていると思う。だから保育園の問題は発刊当時はズレていたかもしれないが、今は切実な問題になった。結婚して子供をうまないのも、小倉千加子が指摘するようするに若者たちのワガママが問題というよりは、むしろ単に男女ともに結婚して子育てできるほどお金がないという若者の貧困の問題になりつつあると理解している。

  • 10年前の出版であるため雑誌の名前に見覚えがないものもあるが、雑誌の名前で女性の階層を代表させていることが面白い。学生たちはそうは本音を言わないが、結婚とは、男性から見るとカオをカネで買うことであり、女性から見るとカネをカオで手に入れることである。女性は結局男性は頼りにならないと思っているように感じるな。

  • 結婚前に読みたかった!!なぜ未婚率が上がっているのかこれを読めばよくわかる。結婚への理想と現実が良くも悪くも明白になる一冊。独身の人におすすめです。

  • ○引用
    「何を主張するかより、何が好きかで、より人の本質が分かる。」

    「十八歳のときの頭の良さで一生が決まるのではない。三十歳のときに賢いかどうかがよほど大事なのだ。」

    「今日の晩婚化は、「誰もが認めるいい男」を探しながら、女性たちが「自分は計算高くない」と自己暗示にかけなければならないややこしさによって生じているのである。」

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著者プロフィール

1952年、大阪生まれ。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了。大阪成蹊女子短期大学、愛知淑徳大学文化創造学部教授をへて、執筆・講演活動に入る。本業のジェンダー・セクシュアリティ論からテレビドラマ、日本の晩婚化・少子化現象まで、幅広く分析を続けている。現在は認定こども園を運営し、幼稚園と保育所の連携についても関心を深めている。
主な著書に『醬油と薔薇の日々』『シュレーディンガーの猫』(いそっぷ社)、『増補版・松田聖子論』『結婚の条件』(朝日文庫)など。

「2020年 『草むらにハイヒール──内から外への欲求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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