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感想・レビュー・書評
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ゆうきゆうさんが紹介していたことがきっかけで手にしたもの。
「人非人であってもなくてもただ生きていられればいい」というフレーズが印象的。
ここだけとらまえると、前向きな小説なのかな、と想像してしまいますが、そこはやはり太宰治の小説。どんな人でも多かれ少なかれ業を背負っているのかな、というのが読後感です。
松たか子さん主演で映画もあるようなので、そちらも鑑賞予定。 -
我が身に、うしろ暗いところが一つも無く生きている人なんて、いるのでしょうか。
他人の人生の奥深くの部分を知ることは、不可能な訳ですから知る由もありませんけども。
どうしようもない詩人の夫を持つ妻は、一枚上手のようです。 -
だらしなく売れない詩人である夫の危機を、若妻さっちゃんが機転を利かせて救っていく。
敗戦後間もなく、生きていくので精一杯の時代。畳も襖も座布団もボロボロ。でもさっちゃんは好きな人(夫)と一緒にいられるだけで幸福です、と言う。世の中を悲観している夫に、生きていさえすればいい、と言う。
1947年、敗戦後の混乱の中に見出されている「幸せ」。この幸せは実は物に囲まれている現在にも通じるのではないかと感じた。
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女の強かさ、強さ。達観しすぎな気もする。世間、に縛られるより世間から少し外れても自分を愛して好きなように生きることは幸せなのかもしれない。
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太宰治の正妻について書いたと言われる短い小説。きっと実際の生活でもだらしがなく、酒に溺れた太宰治は奥さんに迷惑をかけたんだろう。ここまで妻の気持ちが分かるのならば、やらなければいいのに、謝罪の気持ちを込めて小説にしたのかしら?きっと奥さんはそんな不器用な太宰治が、好きだったんだろうなあ
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ダメ人間書かせたら天下一品ですわ。これは「生活に暗い陰」とか言われても仕方ないやん。
どうしょうもない酒浸りダメ旦那と、その嫁の話。ダメ旦那はどこまでもどこまでもだめ人間である。幼児がいるのに家庭を顧みず(ってか全然帰ってこない)、他所に女を作り、酒をアホほど飲み、無駄に酒に強く、金がなく、何なんだこいつは。
それにも増して、その嫁も何なんだ。怖いほどのポジティブ。生きてるだけで丸儲け精神。
なにこの夫婦、怖い。
引用箇所の男がマジモンで、私が嫁ならはっ倒す。 -
オーディオブックで読了。妻が笑ってしまう場面が印象的。
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無軌道で奔放でだらしない男には、不思議なことに、このように物分かりがあって、男を包容するような、大らかな気質の女性が妻として存在しているという顕著な例を示したような話だ。
料理屋を経営する夫婦から、夫の仕出かした顛末を聴き、「わけのわからぬ可笑しさ」がこみ上げてきて、声を挙げて笑ってしまう場面が印象的だ。
この夫は、太宰治自身を描いているように見受けられる。
ヴィヨンとは、フランスの詩人で、殺人・窃盗などを犯し、入獄と放浪の生涯を送った人物らしい。 -
大谷・・・なんだこのダメ具合は。
さっちゃん・・・なんだこの達観具合は。
一寸の幸せには一尺の魔物が必ずくっついてまいります。
女には、幸福も不幸もないものです。
男には、不幸だけがあるんです。
幸せってなんだ?
と考えてしまう内容。 -
「人非人でもいいじゃないの、
私たちは生きてさえいれば良いの」
破天荒で金遣いの荒い詩人とそれを待つ妻、現代社会じゃ大炎上するテーマだけど太宰が書くダメな男はどうも嫌いになれない愛らしさがありますねぇ。
映画版だと浅野忠信と松たか子、観てみようかしら… -
なかなか軽快で面白い。
昔は大谷の立場で読んでいたが、今はさっちゃんの立場で読める。
昔は、不幸な話だと読んでしまっていたが、今は、幸福とまで言わなくても明るい話だと読める。 -
青空文庫で読了。昨日読んだ『斜陽』とかなり被る部分があります。女性のしたたかさ?逞しさ?そして死にたくても自殺までは至れなく、苦しみながら生き続けている夫、そしてドロドロした男女関係、まさに太宰文学の真骨頂です。でも一見誠実そうに見える社会でも、人の内面には似たようなものが蠢いている気もします。
ところで、様々な作品の中で、太宰治を投影した登場人物に出会うに連れ、ふと彼はサイコパスでは?と頭を過ぎりました。「太宰治 サイコパス」で検索してみると、やはりそれなりにヒットしたので、まんざら的を得てない発想ではないようです。もちろん彼を確実に知る術はもうありません。いや、同じ時代に生きていたとしても、きっとわからないでしょう。 -
自由過ぎるトンデモ夫を持つ、健気で前向きな妻ったらメンタル強過ぎ。あまりにも不憫なのにどうしてそう何事もなかったかのようにいられるのか。不幸を背負おうとしなければ案外サラリと切り抜けていけるものなのか。
話自体はまったく理解できず、破綻していると思われてならないけれど、文体はさらさらと美しくて流石。神のいることの不幸って考えたことなくて新鮮だった。
170710読了。 -
私はこの小説に登場する詩人・大谷のような人物は大嫌いだ。
最後の方で登場する、詩を描いているという若い工員のような人物も大嫌いである。
ついでに言うと、『斜陽』に登場する直治や上原、『人間失格』に登場する大庭葉蔵のような人物も大嫌いである。
こういったキャラが出てくるので、太宰治の作品は嫌いなのである。
ついでに言うと、太宰治もこういった傾向のキャラだったようだ。
一方、大谷の妻さっちゃんや『斜陽』のかず子といった人物は前向きで健康的で素晴らしい女性だと思う。こんないい人が何で大谷や上原といったダメ男に愛想尽かししないのか不思議なんです。ある種の男にとって非常に便利な存在ですね。
しかしいくら嫌いとはいっても、流れるような展開に文体。
名作であることにケチをつけることは不可能です。
真面目で理性が強いことだけが取り柄の私には到底描けない名作でしょう。
悔しいけど、名作を描いたもの勝ちです。
理性が弱くて本能のまま行動しているような太宰作品より、自殺を前にした発狂寸前の状態の時ですら理性的な芥川龍之介作品の方が好きです。
よく大宰にかぶれる、と言いますが、芥川龍之介にかぶれる、とはあまり言いませんね。
理性の作品はかぶれる対象にはなり得ないのでしょうか。
Q)太宰治の小説と芥川龍之介の小説と、どちらが好きですか?
ブログではアンケートも実施しています。ご協力よろしくお願い致します。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20140404/p1
http://blog.with2.net/vote/v/?m=v&id=128874 -
この作品は、夫が居酒屋の金を盗んだという知らせを受けた妻が、夫の代わりに居酒屋に出向き、金を返すと言って店に残るところから始まります。その後、妻は居酒屋で働くようになり、夫との愛と憎しみの狭間で揺れ動く人生を送ります。
太宰治がフランスの詩人ヴィヨンに感銘を受けて書いた本作。太宰は、ヴィヨンの詩に共感し、自分の人生と重ね合わせたと言われています。
そんな本作のテーマは、愛と罪だと思います。主人公の妻は、夫に対する愛情と不信感の間で苦しむが、それでも夫を捨てることができません。一方で、夫は、妻に対する愛情と罪悪感の間で苦しむが、それでも妻を裏切ることをやめられないでいます。二人は、愛と罪の狭間で繋がっているが、その繋がりは不安定で危うさを感じさせます。
私は特に、妻が居酒屋で働くようになってからの展開が印象的でした。妻は、居酒屋の夫婦や常連客との交流を通して、人生の楽しみや喜びを見出していきます。妻は、夫の罪を負って苦悩し、夫との関係に悩みながらも、居酒屋での新たな生活に幸せを感じ始めます。自分の人生に価値がないと思っていた妻にとって、居酒屋での仕事やお客さんとの関わりが、いつしか誇りを持つことに繋がっているのです。
この作品は、太宰治の代表作の一つであり、戦後の混乱と不安の中で生きる人々の姿を描いています。しかし、作中では、戦後の社会や政治については、ほとんど触れていません。太宰は、戦後の現実から目を背けるのではなく、愛と罪という、普遍的なテーマに挑戦したのではないでしょうか?太宰治は、こうした夫婦の関係や生き様を、自分の人生と重ね合わせたと言われています。その意味で、本作は、太宰の自伝的な作品とも言えます。 -
書名は聞いたことがある。けど読んだことはない。
面白いじゃん!
人生一本道じゃないってことかなぁ。
尻が軽いけど。。。^^; -
最近太宰治の小説を少し読んでいるが、酒にだらしなく、生活能力なし、しかし女性にはやたらと目をかけてもらえる男性が出てくるんだな。
この小説では妻に悲惨さがなく、少しコメディ風。
描き方によっては大変な悲劇なると思う。 -
人の知らなかった新しい面に触れた時に私だったら身をひいてしまう。しかし、奥さんは夫のふしだらな面も受け止め支える姿は人として大切なことかもしれないと思った。
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映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』を観たのをきっかけに読んだ。
映画は本作が原作のはずだが、内容は少し異なる。映画の脚本は原作にはない要素が付加されていたり、原作にある要素が省かれていたりする。
しかし、この短編が映画にしたいような内容だろうか。よく分からない。 -
結構ひどい感じだけど、さっちゃんの生命力の強さで暗い気持ちにはならない。少しの切なさと清々しさで読み終えた。
そうなんですよね。
人間失格でもこの作品でも、そう感じましたよね。常に生き死にを意識していた感じですよね...
そうなんですよね。
人間失格でもこの作品でも、そう感じましたよね。常に生き死にを意識していた感じですよね。
私は「津軽」は未読なのですが(……命あらばまた他日……)なんてそうですね。
太宰治自身の性分のせいばかりではなくて、今よりいろいろきびしい暗い時代のせいで生きにくかったんでしょうかね……。
いずれにしても特にお子さんのことを考えたら、切なかったです。
虚しいですね…。
傍らに珈琲を。さんに勧められて...
傍らに珈琲を。さんに勧められて読んだ旅行記でしたが太宰のイメージが変わりました。
それだけに、どうしてという思いが募ります。
機会がありましたら、ぜひどうぞ。
実に楽しそうな津島修司さんに私も是非会ってみたいですね。
機会をみつけて読もうと思います(*^^*)はい。
ありがとうご...
実に楽しそうな津島修司さんに私も是非会ってみたいですね。
機会をみつけて読もうと思います(*^^*)はい。
ありがとうございました!