黄金風景 [Kindle]

著者 :
  • 2012年9月12日発売
3.92
  • (3)
  • (5)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 24
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (5ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 休日に行く予定の朗読会に読まれると知り、初読み。
    太宰の生涯を知ると、実際にあったのだろうな、と思わせる掌編。女中時代にいじめられたお慶は平凡そうだが家族と幸せに暮らしている。落ちぶれたと思う太宰は、当時のことを恨むことのないお慶に負けたと言ったのか。仲の良い家族の風景に憧れていたのかと思うと胸を打たれる。
    本作は1939年(昭和14年)石原美知子と結婚し、転居後初めて書いた小説。
    太宰が人生のたて直しをしようとしている頃の明るさが感じられる。

  • 泣いて終わる太宰は珍しいのでは。どこか山月記みたいだった。

  • 良家の生まれである作者ですから、家には女中さんがいた様です。
    その一人のお慶という女中に対し「ほとんどそれが天命であるかのように」いびり倒したという幼少期の思い出から物語が始まります。
    そして時は経ち、家を追われて独り病気と貧困に苦しむ生活を送るさなか、品のいい中年の奥さんとなったお慶と再会するのですが…。
    黄金風景という表題を振り返り、成る程と頷ける内容なのですが、その黄金風景を際立たせる為の対比になる描写が、氏の幼少期の振る舞いや執筆当時の落ちぶれてしまった風景という所が何とも面白い。
    表現とは奥深いものです。

  • 主人公は、女中を見下していた。しかし、偶然により彼女と家族と再会。惨めな生活をしていた自分に対し、彼女は幸せな家庭を築いていた。

    「負けた」という表現が、現在と同じ用法だ。

    過去の罪が敗北感で清算された。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1909年(明治42年)、青森県金木村(現五所川原市)生まれ。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動へ。35年、「逆行」で第1回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集『晩年』を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多数。

「2018年 『津軽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黄金風景のその他の作品

黄金風景 Audible版 黄金風景 太宰治

太宰治の作品

外部サイトの商品情報・レビュー

ツイートする