- Amazon.co.jp ・電子書籍 (382ページ)
感想・レビュー・書評
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太宰治の自分を極端に貶めて書いてみせるところがどうにも好きではないのだけれども、まあこういう人だからしょうがないよね、とあきらめつつ、戦中の津軽を想像しながら楽しく読んだ。海の幸。五能線に乗りたい。
そのころの津軽人のおもてなしの篤さにはびっくりしたけれども、これは津島家プレミアムがついているのかも。有力者の弟だと顔立ちで判断されて酒肴が出てきちゃうってそういうことですよね... わたしの気持ちが曲がっているのかもしれませんけれども。いちばん好きなのは「後で奥さんに怒られる予定」の人のエピソード。「駆け込み訴え」を書いた作家ならではの人物描写術ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
太宰は苦手で、この作品も積ん読状態だったけれど、意外なほどに楽しく読めた。最後のエピソードは秀逸だし、登場している人がみな生き生きと描かれている。当時の風物も興味深い。また読み返すだろうなと思う。
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自己顕示もすごいし気障なところもあるが、軽妙で、これは”いい太宰”かな。ラストがいい。
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冗長。
でも、物語最後の部分があるから、星4つ。 -
明るい太宰治。これも中学生の頃読んだ。1番好きだったかも。ちょっと飲み過ぎだとは思うが、これが本当の太宰の姿だとすれば救われる。終わり方もまた唐突。
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太宰治によって津軽の地理や歴史や風習が楽しく紹介されている話でした。道中友人と合流してごちそうやお酒を楽しむ描写は,水筒にお酒をたっぷり詰めて出歩いたりとか,本当に楽しい。特にSさんが猛烈に歓待するところ,さらにSさんの翌日談のところはおかしくて笑ってしまった。あとやっぱり鯛のところ。
そんなかんじでずっと楽しく読めていたのだけれど,ラストのたけとの再会のところでは,たけが一気に語る部分でぐっときてしまった。太宰治の作品の中で一番好き。 -
太宰と巡る彼の故郷旅行記。
と見せかけた私小説といっても過言では無い。
いちいち使う言葉が洒落ててどんどん良さがわかってきたかも。
じゃらんやらるるぶとかではわかりえない、知らないはずの場所への郷愁を感じる傑作 -
太宰の故郷紀行的小説とでもいうべき作品。昭和19年の旅行のようだが、戦中感はそれ程ない。当時の津軽地方の姿が興味深い。時々太宰らしいいやらしさは顔を出すが、割と気にならない。
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太宰治の呑み鉄本線だった