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感想・レビュー・書評
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短編小説で移動時間に読めるかと軽い気持ちで開いたのですが、読後感の余韻がしばらくとれず電車乗り過ごすところでした。
夢中になっていて調子が出た頃にトカトントンと幻聴のような邪魔する音がして、冷静になってやる気がなくなるということが繰り返されるという青年の葛藤を伴う体験の不穏な描写。その悩みをある作家に手紙という形で相談している。その青年は納得できたのであろうか。先に進めたのであろうか。結末があっけないようなそっけないような何かを示唆しているようで何度か読み返した。 -
今までの強い欲や想いがふっとなくなる時あるよね。なんなんだろう?
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太宰自身、恥の多い人生を送ってきた、と考えられるのです。それで恥を知る前にトカトントンで白けてしまい踏みとどまり、最後までやり遂げられない手紙の主に同情はしない、と回答しているのですが、そういう体をとった作品だということを念頭においたとき、太宰が求めたのは実はトカトントンではなかったのか、と。
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「トカトントン」は精神的営みを破壊する幻聴。それは工場と軍隊で働いた男にとっては耳にタコができるほど聞いた音、今に至っては過去の労働、即ち肉体的営みを想起させうる音のように思う。終戦後、そのような音から離れ、やっと自身と向き合う時間が増えたはよいものの、「トカトントン」という幻聴によってそのような精神的営みは破壊され、肉体的営みに従事していた頃へと喚起されしまうということだ。その境界線を越えないためには、作家の言うように「勇気」でもって、精神的営みを続ける他ないのかもしれない。
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わかるわ〜って思って読んでたら
最後の返事で一蹴されて悲しかった -
太宰治って、ほんとにスゴイ。
なんでこんな小説を書けた人が自殺なんかしたのか、と思う。
「人間失格」なんて書かずに、上手くいかなくても、トカトントンが聞こえても、そうでありたい自分を求めて生き長らえて、もっとたくさんの小説を書いて欲しかった。 -
青森県に住む ひとりの青年は、幻聴に悩まされている。
意欲的になり夢中になって、いい調子でいるところに、どこからともなく「トカトントン」と幻聴が聞こえてくる。
そうすると、瞬く間に意欲を無くしてしまうのだ。
同郷の憧れの小説家に、その悩みを手紙にしたためる。
途中、「トカトントン」が聞こえてきても書き続け、虚構があろうが読み返しもせずに投函する。
熱しやすく冷めやすい性格を幻聴のせいにしているのではないのかな?? -
なにかに真剣に取り組もうとすると「トカトントン」という音がきこえ、すべての気持ちが醒めてしまう男について書かれた物語。その男からの手紙という形式を取る。
トカトントンという音を聞く男からの手紙を受け取る小説家は作家自身なのか(A)、それとも作家はトカトントンという音を聞いてしまった男自身なのか(B)、トカトントンという音は時代を否定する音なのか(C)、それとも肯定する音なのか(D)。
AorB、そしてCorDという組合せを考えるだけでも、2×2=4通りの解釈が可能となる。EorF、GorHと考えていければ、相当数のバリエイションとなる。
小編だが、その組合せを考えるだけでも楽しめる。
トカトントン、戦争が終わり起こる様々なことがら。それをトカトントンの音で表現しているのでしょうか?
ポプラさんは☆...
トカトントン、戦争が終わり起こる様々なことがら。それをトカトントンの音で表現しているのでしょうか?
ポプラさんは☆5がとても多い人(・_・?)
この本は本当に不思議な本ですよ。
解釈も難しいし、正解もないと思います。
☆5が多いのは、面白いと思ったんだもの(...
この本は本当に不思議な本ですよ。
解釈も難しいし、正解もないと思います。
☆5が多いのは、面白いと思ったんだもの(^^♪
ダメな時は極端に星の数を減らしています!