- 本 ・電子書籍 (14ページ)
感想・レビュー・書評
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人妻空蝉のプライベート空間を覗き見し、夜這いからのNTRを狙いに行く源氏。
まだ若いせいもあると思うが、かなり軽薄な若造だ。
なるほど通い婚や歌のやり取りは貴族らしく高尚だけれども、プラトニックな純愛物語ではないことがよくわかってきた。
人妻の女友達の器量の品定めをして「美しくないし下品」と言っておきながら、手違いでその女友達に夜這いした瞬間に(まあ今夜はこの女でいいか)と妥協したりする。
一巻からの続きのつもりで読むと一四、五歳かと思うが、桐壷の巻からはけっこう時間が経っていて、この時点で十七歳だそうだ。
それにしてもこの空蝉という女性は二巻「帚木」からすでに登場しているが、この三巻の最後まで空蝉とは呼ばれていなかったのに、いきなり名前が登場するので「誰だ?」と思う。
どうも三巻の途中で寝間着一枚を残して源氏の夜這いから逃げたから、そういう名になったということらしい。
そのあたりの細かい説明はされないところが古典っぽい。
空蝉は年寄り亭主の伊予介のことが大して好きではないし、人妻でなかったなら源氏のことを嬉しく思うものの、一応ちゃんと貞節を保つところが、源氏にとってはなおそそる「中の品」なんだろうな。
一方、間違えて空蝉の代わりとして夜這いされてしまった女のほうは、手紙ももらえないし、だいぶかわいそうな扱い。
空蝉の弟もひどい。
自分の姉をむりやり不倫させるために使いっぱしりをさせられたあげく、うまくいかずにすねた源氏から「姉さんと致せないんじゃ、正直お前を愛せるかわからない」だとか言われてしまう。 -
空蝉の、傷付きたくないけど源氏に惹かれてしまうもどかしさが伝わってきて、苦しくなるほどだった。
この複雑な女心の表現は、現代でも十分通用するもので、だからこそ時代を超えて読み継がれているのだなと思った。 -
おそるべき宿命を負った、光り輝く源氏の皇子の初めて味わう失恋はとても匂いやかで、あだあだしい。
荘子内篇にあっての蜩はその殻を脱いで飛び立つも、時として、箒木さえも超えられぬ。
そうとわかっていても空蝉は、その悲しき身の上の中で殻を脱ぎ、あるいは、費消していったのかもしれない。 -
ひどい男!でも面白ーい!!
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光源氏が夜這いに失敗する話。建物への侵入はいとも簡単だし部屋は几帳で区切ってるだけで雑魚寝のように寝てるから暗闇で間違いもある。
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今回は、夜這いに行ったら違う人の部屋に入ってしまって実はあんたのとこに来たかったんだ仲良くしよう手紙書くからとか言い訳して逃げ帰った話。合ってるかな。こんなことでいいとは思わないのだが。
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2013/04/29
著者プロフィール
紫式部の作品





