源氏物語 03 空蝉 [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
3.91
  • (8)
  • (6)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 66
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (14ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 第3帖、空蝉。空蝉を忘れられない光君は空蝉のつれないアシライ方からさらに思いが募る。子君と相談し再び紀伊守邸へ忍びこむ。(若干12歳)軒端荻と碁を打ち合う空蝉の姿を覗き見る光君。美女ではないが、空蝉の魅力を感じる。さて光君が空蝉めがけて一気に夜這いをかけるが、空蝉は薄衣一枚を脱ぎ捨てて逃げ去る。なんと!軒端荻と行為に及ぶ。光君は空蝉の薄衣を代わりに持ち帰った。「空蝉の羽におく露の木隠れてしのびしのびに濡るる袖かな」、これって光君は完全にフラれているんだよね?第3帖、読んでいてドキドキ・興奮の読書でした。⑤

  • 光源氏は、空蝉のことを諦めきれない。弟小君に手引きさせて、再び忍び込む。空蝉はけはひを感じとり、部屋に義理娘の軒端萩を残して逃げ出す。その時、残された薄衣を光源氏は持ち帰り、彼女の代わりとして抱き締める。

    空蝉は、右衛門督だった父親を早くに亡くしていた。生存時には、入内さえ期待されていたにも関わらず、生活の為、受領である伊予介の後妻となった。方違えで、空蝉の居る紀伊守邸に来た光源氏は、飲食の接待に加えて一夜妻を求めた事になる。
    彼女は拒み続けるが、本心はどうだったでしょうか。中の品の女性である為、光源氏からは、仮の愛しか受けられない。それならば、忘れていただこうと。衣を残したのは、偶然だったでしょうか?源氏に持ち帰って欲しかったのではないでしょうか。

  • 人妻空蝉のプライベート空間を覗き見し、夜這いからのNTRを狙いに行く源氏。
    まだ若いせいもあると思うが、かなり軽薄な若造だ。

    なるほど通い婚や歌のやり取りは貴族らしく高尚だけれども、プラトニックな純愛物語ではないことがよくわかってきた。

    人妻の女友達の器量の品定めをして「美しくないし下品」と言っておきながら、手違いでその女友達に夜這いした瞬間に(まあ今夜はこの女でいいか)と妥協したりする。

    一巻からの続きのつもりで読むと一四、五歳かと思うが、桐壷の巻からはけっこう時間が経っていて、この時点で十七歳だそうだ。

    それにしてもこの空蝉という女性は二巻「帚木」からすでに登場しているが、この三巻の最後まで空蝉とは呼ばれていなかったのに、いきなり名前が登場するので「誰だ?」と思う。

    どうも三巻の途中で寝間着一枚を残して源氏の夜這いから逃げたから、そういう名になったということらしい。
    そのあたりの細かい説明はされないところが古典っぽい。

    空蝉は年寄り亭主の伊予介のことが大して好きではないし、人妻でなかったなら源氏のことを嬉しく思うものの、一応ちゃんと貞節を保つところが、源氏にとってはなおそそる「中の品」なんだろうな。

    一方、間違えて空蝉の代わりとして夜這いされてしまった女のほうは、手紙ももらえないし、だいぶかわいそうな扱い。

    空蝉の弟もひどい。
    自分の姉をむりやり不倫させるために使いっぱしりをさせられたあげく、うまくいかずにすねた源氏から「姉さんと致せないんじゃ、正直お前を愛せるかわからない」だとか言われてしまう。

  • 空蝉の、傷付きたくないけど源氏に惹かれてしまうもどかしさが伝わってきて、苦しくなるほどだった。
    この複雑な女心の表現は、現代でも十分通用するもので、だからこそ時代を超えて読み継がれているのだなと思った。

  • 源氏物語第三帖。帚木三帖の第2帖。

    一度振られた空蝉が忘れられない光源氏。
    諦めきれず小君くんと紀伊守邸へ向かう。
    そこには継娘(軒端荻・のきばのおぎ)がいて空蝉は囲碁の相手をしていた。夜、光源氏が空蝉の部屋へ入るも空蝉は脱出していてそこには継娘しか居なかった…読んでいて関係を持った風には読み取れなかったけれど、ウィキペディアによると光源氏とその継娘は関係を持ったんか〜い!
    それはその娘の女としてのプライドを守るためなのかな…どうなんだろう。
    現代ではそれは衝動的であっても意味不明な行動であるような気がしなくもない。

    空蝉もなかなかイケメン光源氏になびかない。上手い女である。
    蓮葉な継娘と上品な空蝉との見た目の対比は
    空蝉が昔は上流階級だったということを強調しているのだろうか。

    空蝉の小袿を源氏が持ち帰る。
    空蝉=蝉の抜け殻だけれども、リアル蝉の抜け殻色ではなく、空色?もしくは羽化したての蝉の羽根の色を勝手にイメージする。
    その方がうっとりキュンキュンするから。

    もしかしたら空蝉も光源氏との恋を我慢してたりその気があるの??というラスト。
    やっぱり続きが読みたくなるよね。

  • おそるべき宿命を負った、光り輝く源氏の皇子の初めて味わう失恋はとても匂いやかで、あだあだしい。
    荘子内篇にあっての蜩はその殻を脱いで飛び立つも、時として、箒木さえも超えられぬ。
    そうとわかっていても空蝉は、その悲しき身の上の中で殻を脱ぎ、あるいは、費消していったのかもしれない。

  • ひどい男!でも面白ーい!!

  • 光源氏が夜這いに失敗する話。建物への侵入はいとも簡単だし部屋は几帳で区切ってるだけで雑魚寝のように寝てるから暗闇で間違いもある。

  • 今回は、夜這いに行ったら違う人の部屋に入ってしまって実はあんたのとこに来たかったんだ仲良くしよう手紙書くからとか言い訳して逃げ帰った話。合ってるかな。こんなことでいいとは思わないのだが。

  • 2013/04/29

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

平安時代の作家、歌人。一条天皇の中宮、彰子に仕えながら、1007~1008年頃に『源氏物語』を完成されたとされる。他の作品として『紫式部日記』『紫式部集』などが残っている。

「2018年 『源氏物語 姫君、若紫の語るお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

紫式部の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×