真珠夫人 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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  • 真珠夫人
    (和書)2010年05月22日 15:25
    2002 アートブック本の森 菊池 寛


    新潮文庫で読めば良かったかも。

    読み易く構成されているので気軽に読めました。

    なかなか面白いです。

  • 青空文庫・ソラリにて読みました。

    うーん、誰も救われない話だなというのが
    率直な感想。
    壮田勝平が死んだ後の瑠璃子の行動が、やっぱり理解できず…

  •  なぜ手を出したのか? ひとえに北村薫『六の宮の姫君』のヒロイン(名前が無い)が推していたから。
     ダウンロードして驚いた。長い……。読み通せるのか? 高峰を仰ぐアルピニストの心境を味わう。
     半分を過ぎた辺りから引き込まれる。一種のミステリ。真珠夫人の謎に満ちた行動の真意が、途中で明らかになり、クライマックスへなだれ込む。
     芥川が三国志の天才軍師で、その盟友 菊池寛は豪傑だろうとタイプ分けしていたら、教養もあれば、緊密な構成も出来るではないか。お見逸れした。

     余談:なんともエロチックなタイトルで、真珠のネックレスだけ身に帯びた貴婦人の裸身が浮かんでくる。毎日新聞の月報「毎日夫人」はエッチなニュアンスなのに「毎日かあさん」だとそうでもない。「夫人」という言葉を桃色に染めた戦犯は『チャタレー夫人の恋人』のような気がする。

  • 昔流行ったドラマのイメージで読んでみたら、全く印象が違った。

  • 因果応報、美しい親子愛、「女性」の反逆の物語……どう捉えるかは、その人の読んだ時の気持ちのあり方次第だと思う。
    読み進める手を止められない。きっと、自分も「瑠璃子」に魅せられたモブの1人に過ぎないのでしょう。

  • 考えさせられた。誰が悪者ということはなく、いろいろ入り組んで複雑なのが人間なのかな。

  • 純愛、欲望、復讐、嫉妬…何でも詰まっています。
    美しく裕福な未亡人と彼女を取り巻く男性、という構図が中心です。
    彼女はどうして放埒な生活をしているのか、読み進めていくうちにわかってきますが、そのメインストーリーを支える周辺のストーリーも面白くて、どんどん読めます。
    大正から昭和初期のサロン的な雰囲気を味わいたい方は、ぜひ。

  • とても長い小説。美しい未亡人をめぐる愛憎劇。カネと欲に踏みにじられた初恋とその復讐による罪の意識から生ける屍、そして妖婦となった瑠璃子。美奈子には、少女時代の自分を重ねいたのだろう。美奈子を守ることで自分の中の純粋な部分を守っていたのではないか。瑠璃子の最期は衝撃的で悲しいものだったが、美奈子が幸せになってくれそうなので救われる。

  • 落ちぶれた貴族に生まれた瑠璃子。
    美しく、気高く、聡明だったが、その潔癖さ故に成り上がりの富豪に目をつけられ、借金のかたに嫁入りすることになる。

    しかし、そこはプライドを持った瑠璃子。
    夫に決して体を許さず、処女を貫くと誓う。

    結果、夫は事件により心臓発作を起こし死亡。瑠璃子は誓いを守ったが、男性への不信感をさらに募らせ、男性の心を弄んでは捨てるという毒婦へ変貌してゆく。

    最後は、弄んだ男から刺されて死んでしまうのですが、死の間際に初恋の人と再会を果たしたわけですし、良い人生だったのではないでしょうか。

    作中で瑠璃子も言っていますが、男が女を弄ぶ事は良くある事なのに、逆に女が男を弄ぶと物凄く色んな事を言われる。それは平等ではない。

    瑠璃子のような人は、現代の方が良く生きられたかもしれないですね。

  • あおそら文庫
    時代は大正時代。男爵令嬢の瑠璃子は、とても美しく、恋人の直也との結婚を夢見ていた。
    ある時、二人は荘田勝平の園遊会に参加して、庭を悪く言ったことを荘田本人に聞かれてしまう。
    荘田は怒り、この美しい二人に復讐をするためにお金に物を言わせて瑠璃子の父親を陥れ、瑠璃子を自分と結婚するように仕向け、結婚するが、すぐに亡くなってしまう。
    直也との結婚の夢を踏みにじられた瑠璃子は、男たちに復讐するため、妖婦と呼ばれるようになり、美しさに寄ってくる男たちを手玉にとり続けていた。

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著者プロフィール

1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

「2023年 『芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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