歯車 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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感想・レビュー・書評

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  • さまざまな幻覚の連鎖で芥川は苦しんでいたが、半透明の歯車を見たあとの頭痛は“閃輝暗点”と、いうものらしい。
    私自身もたまに起こるので、この作品には興味があった。

    出口のない迷路の中を彷徨っていては、誰か眠っている間に、そっと絞め殺してもらいたいという、怖ろしいことを考えてしまうのもうなずける。

  • 怖いとか気持ち悪いを通り越してよくわからない。
    ただただ不安感ともやもやが残る。
    どこに行って、こう思って、不安になって、移動して、レインコートみて、また不安になって、小説書いて…

    もういい、もういいよ。
    家族と過ごせよ。
    そんな気持ちになる短編小説。
    私にはちょっと難しかったのかしら。

  • 本文より~彼もまた僕のように暗の中を歩いてきた。が、暗のある以上は光もあると信じていた。僕等の論理の違いは唯こういう一点だけだった。しかしそれは少なくとも僕には越えられない溝に違いなかった… ~ ズシリと重い文章。人生に希望を見いだせなくなった言葉は重く切ない。そして壊れてゆく竜之介。その姿を歯車に例える。普通の精神状態の人なら歯車がかみ合わなくなったと表現するのだろう。竜之介は歯車の数が増え急にまわりはじめた…と表現した。なるほど、それが壊れてゆく姿なのか… 最後の一文がまたこの上なく切ない。

  • プライベートな感情を切り売りしてるんだなぁという感じ。どこまで創作なのかわからないけど妙に生々しい印象を受けた。

  • レインコートや歯車のモチーフがちらついて、怪奇小説のような印象を受ける。静かでゾッとするけど夢や絵画のようにうつくしい情景が浮かぶ。

    でも、この話が芥川の遺稿だと思って読み直すと、「妻」の存在があたたかくも切ない。妻子のお陰で平和に過ごせた、という記述とか、ラストシーンの妻の作り笑いとか。この「妻」はどんな気持ちで夫を見守っていたんだろう。とても心配だったと思う。「僕」にも妻の気持ちは届いているようなのに、結局「僕」は絞め殺してくれる人はいないか、と問いかける。その結末が悲しい。

    あと、フランス語とか英語の単語がばんばん出てきて「さすが東大英文科!」という、極めてアホな感想も思い浮かんだ。(情緒がだいなし)

  • 私小説、というものなのでしょうか。
    主人公の「僕」がだんだんと追い詰められていく様子を描いていきます。芥川龍之介は自殺して亡くなりましたが、こういった感覚に悩まされて、死んでしまったのでしょうか。

    狂ってしまうという不安を言葉に表すのはとても難しいです。それをこんなにもわかりやすく、迫るように描写している作品を読んだことがありません。自身のことなのだろうか?歯車が実際に見えていたのだろうか?ついつい考えてしまいます。
    なんとか逃れようとしても逃れられない。とうとう最後にたえられなくなったのでしょうか。
    どうしようもなく追い詰められて、絞り出すような苦しい言葉で終わります。
    とても息が苦しくなる作品です。

  • ふれるものひとつひとつの中に死の匂いを嗅いでしまう主人公の姿がいたましい。読んでいて地獄の淵をのぞくような気持ちになる。
    それと同時に、精神を病むということをこんなにもわかりやすく、身近に感じられるように書いてしまう芥川の文才に圧倒された。

  • 書かれた経緯や著者の生い立ちなど、前知識の全くない状態で読んだ。

    物語性はなく、人に不安を与える記述が続く。恐れるものがたくさんある中に主人公は生きている。著者と同じタイトルの小説を書いているようだ、精神が相当参っているな、くらいしか読み取れなかった。

    その後、自殺を遂げた著者の私小説的なもの、と知って納得。彼が何を感じていたかの手がかりとなる小説なのだろう。
    私は残念ながら、小説それのみに価値を見出す事はできなかった。
    「僕」が芥川だからこそ、価値あるものと言えるのではないか。

  • 歯車。
    理路整然とした芥川龍之介の文章しか知らなかったので、混乱したような言い回しに戸惑う。
    歯車の幻覚が静かに侵食していくのが不気味で、読み終わった後はぐったり疲れた。

  • "――僕はもうこの先を書きつづける力を持っていない。こう云う気もちの中に生きているのは何とも言われない苦痛である。誰か木の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?"

    狂気に侵されていく精神世界がひたすらに続く。読む者はただその様に呑み込まれる。

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