歯車 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (41ページ)

感想・レビュー・書評

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  • さまざまな幻覚の連鎖で芥川は苦しんでいたが、半透明の歯車を見たあとの頭痛は“閃輝暗点”と、いうものらしい。
    私自身もたまに起こるので、この作品には興味があった。

    出口のない迷路の中を彷徨っていては、誰か眠っている間に、そっと絞め殺してもらいたいという、怖ろしいことを考えてしまうのもうなずける。

  • 怖いとか気持ち悪いを通り越してよくわからない。
    ただただ不安感ともやもやが残る。
    どこに行って、こう思って、不安になって、移動して、レインコートみて、また不安になって、小説書いて…

    もういい、もういいよ。
    家族と過ごせよ。
    そんな気持ちになる短編小説。
    私にはちょっと難しかったのかしら。

  • ‪堀辰雄や川端康成等の作家らが傑作だと評しているようですが、他作品等も含めて読み込みが足りない僕には判断しかねました。‬

    ‪精神的強壮剤を求めて本屋に行く姿には既視感を覚える。‬

    ‪後、寿陵余子の話しは韓非子ではなく荘子ですね。‬

  • 芥川龍之介の最期を描写している。
    ボワっとした中で話しが進む。


    最後の羽の幻が見えたり、
    でもその羽は車についていた羽だったり。

    妻が梯子を上ってきたり下りていったり。
    妻との会話で物語が終わる。

    人は自分の中の世界と
    外の現実的な世界を表裏一体で
    バランスをとって生きていると思った。

  • 歯車の幻覚が見えたり、次々に荒唐無稽かつ不安感をつのらせる事象が起こる。Playstationの『LSD』というゲームを小説にしたらこういう感じであろう。

  • とても不思議で書かれている文字は全てが暗い。先の見えない不安だけが取り残されている。
    それでもスラスラ頭の中に入ってきて、まるでウイルスのよう。
    歯車の前に河童を読むと理解が深まるかもしれない。

  • 芥川龍之介を読むのは之で2冊目だが、やはり文章が砂利を食わされる様なものなのである、「あ、この闇をわたしも知った事が有るわ」と頷きながらいつの間にか泣きながらページを捲っていた。歯車、それは歪んだ空白なのだろうか?語り口調で紡がれる文章は魯迅の「狂人日記」のような、またカフカの「変身」のようだったが、ザラザラ凍てつきながら、読み終えると夢中に、わたしは芥川龍之介の書く歯車の内の「僕」に憑依されてしまう。小説はひとの感情を振り回してなんぼじゃと思っている。そういった面で、この「歯車」は素晴らしい、ブラボー!とスタンディング・オベーションを送りたい「憑依小説」である。

  • 本文より~彼もまた僕のように暗の中を歩いてきた。が、暗のある以上は光もあると信じていた。僕等の論理の違いは唯こういう一点だけだった。しかしそれは少なくとも僕には越えられない溝に違いなかった… ~ ズシリと重い文章。人生に希望を見いだせなくなった言葉は重く切ない。そして壊れてゆく竜之介。その姿を歯車に例える。普通の精神状態の人なら歯車がかみ合わなくなったと表現するのだろう。竜之介は歯車の数が増え急にまわりはじめた…と表現した。なるほど、それが壊れてゆく姿なのか… 最後の一文がまたこの上なく切ない。

  • プライベートな感情を切り売りしてるんだなぁという感じ。どこまで創作なのかわからないけど妙に生々しい印象を受けた。

  • レインコートや歯車のモチーフがちらついて、怪奇小説のような印象を受ける。静かでゾッとするけど夢や絵画のようにうつくしい情景が浮かぶ。

    でも、この話が芥川の遺稿だと思って読み直すと、「妻」の存在があたたかくも切ない。妻子のお陰で平和に過ごせた、という記述とか、ラストシーンの妻の作り笑いとか。この「妻」はどんな気持ちで夫を見守っていたんだろう。とても心配だったと思う。「僕」にも妻の気持ちは届いているようなのに、結局「僕」は絞め殺してくれる人はいないか、と問いかける。その結末が悲しい。

    あと、フランス語とか英語の単語がばんばん出てきて「さすが東大英文科!」という、極めてアホな感想も思い浮かんだ。(情緒がだいなし)

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