レ・ミゼラブル 05 第二部 コゼット [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
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感想・レビュー・書評

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  • モントルイュ・スュール・メールにとってマドレーヌ氏は間違いなく必要な人物だった。罪があったとはいえ、後先考えないジャヴェルには少しくらい責任を感じて欲しい。パリの広さがどれくらいかわからないけど、そんなにすぐに見つかるものなの?ジャヴェルの執念にはびっくりだよ。そして思わぬ人との再会。ジャヴェルに正体を勘づかれるきっかけとなった人物と再会するとは…しかも助けられるとは…なんたる巡り合わせ…。

  • よくできている。
    一度公言したからにはもうはばかるまい。よくできている。

    だが、中だるみを感じる。
    神がかりに主人公を追い詰める主人公の敵、という演出はよくある。特に有能な敵ではないのに、ピンチの演出の為だけにそういうことがなされると、ギャップがつらいことがある。
    ジャヴェルがいかにジャン・バルジャンを追い詰めたか。本作品では「名探偵の謎解き」がごとく、それを描写している。
    いずれも嫌いな表現だ。それが長く続いたから、中だるみと感じたのかもしれない。

    本作品を読むうちに覚えた楽しみのひとつとして、挿話というには余談すぎる蘊蓄話がある。
    ひとつはワーテルローの戦い。テナルディエの人となりを描写するために。ダリオ・ブランドー的なふるまいをする人物ですよと読み手に知らせるためだけに。
    ひとつは修道院。監獄と対照するために。
    筆が乗ったら止めないタイプの作家なのだろう。しかし、本筋を忘れてはいないようで助かる。乗って逸れてしまう作家には随分と苦しめられたものだ。

    ヨーロッパの近世近代にはあまり興味がなかったのだが、本書に触発されて、いろいろと調べながら読み進めている。
    ナポレオン戦争の時代には前装式だったのに、ナポレオン三世の時代、普仏戦争では後装式になっていたりとか。時代の加速感は、十八世紀頃にはじまっていたんだなあと思ったり思わなかったり。

  • ジャン・バルジャンの物語が知りたいのに、間に挿入されるノンフィクション話に打ちのめされる。ワーテルローの戦いの詳細。修道院の実態。まあ勉強にはなったけど。

  • 全体的に冗長すぎるよね。ワーテルローは地図に落としたり、wikipediaで調べたりして読んだからそれなりに楽しめたが、修道院の歴史にはうんざりした。いらないじゃん、その部分。確かに異様すぎるし、どうしても批判めいたことを書きたかったんだろうけれどね。まあ、とは言いつつ息詰まる攻防の末後半で一気に形成が逆転するワーテルローの合戦、ゴルビー屋敷からプチ・ピクピュス修道院までの緊張感のある逃走劇や、隔離贖罪施設としての牢獄と修道院の興味深い対比などは充分に楽しめました。

  • 哀れな2人の逃避行は、幸福がどこにあるのか、忘れてはならないことを思い出させてくれる。辿り着いた庭で謙虚に穏やかに暮らすのは、ごく自然の成り行きのように思える。これ以上ぴったりの場所があるだろうか。
    無宗教の私だが信仰には興味がある。残忍さと純真さ、愚かであり崇高である矛盾が、言い表せない深みを感じて唸るばかり。

  • 第二部も第一編はメタ的な語り口で、
    ちょっと長いワーテルローの戦いについての詳しい話で始まる。
    メインプロット外の付帯背景描写や考察が
    『レ・ミゼラブル』の真の凄さなのかもしれない。

  • kobo。終盤にかかっての修道院の説明辺りは、読むのがかなり辛かった。しかし、牢獄と修道院との対比は興味深いところがあった。

  • 私がこの世にいるのは、自分の生命を守るためではなくて、人々の魂を守らんがためです。

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著者プロフィール

1802年-1885年。フランス・ロマン主義を代表する詩人・小説家・戯曲家。10代の若さで詩人として国王ルイ18世に認められるなど、早くから頭角をあらわす。すぐに戯曲や小説を発表するようになり、1831年に『ノートル=ダム・ド・パリ』、1862年にフランス文学界の頂点といわれる『レ・ミゼラブル』を発表して、不動の名声を獲得。政界にも進出したが、激動の時代により亡命生活も経験している。

「2022年 『ノートル=ダム・ド・パリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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