レ・ミゼラブル 04 第一部 ファンテーヌ [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 「ファンテーヌ」の章を読み終えた直後には、展開に対して不満を覚えもしたが、「コゼット」の章でそれが解消されてみれば、続編が決定しているシーズン1の引き――うまい引き――のようだと感じずにはいられなかった。
    一介の読み手が往年の名作にこのようなことを言うのもなんだが、「まったくもってよくできている」。言を重ねて称賛しようと試みても、シンプルな畏敬に収束してしまう。
    文章が描く光景が脳裏に浮かんでくるのは筆致のたくみゆえか、それとも読み手の経験が功を奏したものか。前者であるならばまことに優れた文章・訳であると感嘆を重ねるしかない。後者であるならばこの出会いによき経験をつみえていたことを誇ろう。

  • 倫理を問いかける物語なのか。
    犯罪者を作るのは社会?だから罪を憎んで人を憎むなと。でも一人の犯罪者の改心を待つ間、どれだけの善良な人が犠牲にならないといけないのか。物語としては美しく聞こえるけどね。。。

    ファンティーヌは、かわいそう。

  • 以前学生時代に読み、描写がやたら克明で、くどい印象が残っていました。ビヤンヴニュ司教やマドレーヌ市長の聖人ぶりは記憶していたものの、その他は結構忘れていました。自首するか否かを葛藤するマドレーヌ氏の様子や、裁判所へ向かう途上で何度となく訪れる決心を怯ませるような出来事など、没頭して読めました。脱走を繰り返したジャン・バルジャンは、まるで網走刑務所を脱獄した昭和の脱獄王、白鳥由栄みたいだし、あらゆる困難を乗り越え自己犠牲を全うする姿は、走れメロスそのものなのだが、苦難はまだ始まったばかりなんですよね。

  • 最初は脱獄を繰り返すジャン・バルジャンに感情移入できなかった。自分も悪いけど法律がもっと悪くて、こんなに惨めなのは社会が悪いと思っているような人なのかな、と。でも憎悪によって自分を強くしなければ、生きていけなかったんだと思う。それは不幸をさらに不幸にする、とても悲しいことだよね。そしてその後の彼の生き方を見ると、何が正義で何が正解なのかわからなくなった。きっと"正しい人"であろうジャヴェルも、私には無遠慮で無慈悲な人にしか映らなかった。

  • 罪はどこからきているか、人が人を裁けるか、自分には関係ないと言い切れるか。人々の生き方を見て自問せずにはいられなかった。
    正しさの基準はとても曖昧なものだ。「正しさ」は時に刃にもなるが、正しく在ろうとする心は何物にも代えがたい宝物のように思える。自らの中に根を張り浸透した崇高な精神は、他の誰でもない自らを救うのだ。

  • 冒頭に登場するミリエル司教の話の部分、
    取っ付き難いかなっと思ったがそうではない。
    間違いなくキーパーソンだし、
    その後も波に乗って読み進むことができた。
    面白いよ。

  • kobo。映画を見る前に、と読み始めた大作。あまりの長編なので上映期間の問題もあり途中で映画を観てしまったけれど、やはり原作は別物。『ああ、無情』で大筋は知っていたつもりだけれど、時代背景、風俗、そして宗教観などは正直ちょっと読むのがしんどいくらい丁寧に描かれているので、やはり別物の様。最終章まで読もう、読まなければ、って思わされる。

  • 実際には文庫本にて読了。感想はそちらに。

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著者プロフィール

1802年-1885年。フランス・ロマン主義を代表する詩人・小説家・戯曲家。10代の若さで詩人として国王ルイ18世に認められるなど、早くから頭角をあらわす。すぐに戯曲や小説を発表するようになり、1831年に『ノートル=ダム・ド・パリ』、1862年にフランス文学界の頂点といわれる『レ・ミゼラブル』を発表して、不動の名声を獲得。政界にも進出したが、激動の時代により亡命生活も経験している。

「2022年 『ノートル=ダム・ド・パリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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