桜の森の満開の下 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (21ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 読む前に想像していた以上に、グロテスクで怪しく、けれどもどこか美しさのある、不思議な作品でした。

    鈴鹿峠にて、旅人の追い剥ぎを生業としていた山賊の男。彼はある時、一人の旅人の男を殺し、その妻を、自分の八人目の妻として家に連れて帰ります。
    その女は、とても美しく、怪しい魅力に満ちているけれども、残酷な女でした。
    女は山賊に命じて、七人の妻のうち、六人まで、彼自身の手で殺させます。何かに取り憑かれたように、新しい妻に従う男。ただ一人、一番醜く、身体に障害のある女だけが、女中として生かされる。
    そこから奇妙な三人暮らしが始まり、やがて、女のわがままを機に、三人揃って都暮らしを始めます。
    妻は山賊の男に、金目の物だけでなく、人の生首を持ち帰るように要求するようになります。女は集めた生首を部屋中にかざり、首遊びをして…。

    毎年男の気をなんだかおかしくさせる、美しくも禍々しい魅力を持つ満開の桜の木。
    同じく、美しくも怪しい女の持つ吸引力。
    二つの怪しい美が重ね合わされながら、グロテスクで奇怪な物語は展開していきます。

    正直、途中で読むのをやめたくなるくらいのグロテスクな描写もあったのですが、人を惑わす桜の怪しくも美しいイメージが、男が内に秘める孤独と相まって、不思議と余韻と魅力を感じさせる作品でした。

  • ブンゴウメール4月配信作品。


    坂口安吾の作品もブンゴウメールで初めて読ました-

    桜の木の下には…、というのは色々なところで読んだこと聞いたことはあったけれど。

    途中で首遊びが出てきた時は、それが唐突で、比喩なのか?本当に本物の人の頭なのか?人形のことなのか???混乱しました。

    不思議で淋しい、幻想的なお話でした。


    メモ
    今様━今日風・現代風の意味。
    歴史的には,平安時代中期から鎌倉時代にかけて宮廷で流行した歌謡のことを指す。
    これを「今様歌」といい,今様はその略。神楽歌(かぐらうた)・催馬楽(さいばら)など以前からの歌(古様)に対して,当代最新(今様)の流行歌。

  • 坂口安吾は有名だが、はじめて作品を読んだ。
    このどことなく漂う変態性。
    中毒がありそうだなぁー乱歩に通じるところがあるかも。
    かの有名な白痴も読んでみようかな。

  • タブレットで読んだ。

  • 綺麗で、怖くて、美しいおはなしでした。ラストに鳥肌…

  • 2016/3/16.
    さらりと読めた、桜に対してわたしも一抹の恐ろしさを抱いているのだけれども、それは美しいが故なところがあるのだろうなぁ。人間は自分に欠如しているものを求める、自分に自信がないひとほど他者によって自己肯定を試みるものなのだわ。
    結末がうつくしかった。

  • 短編で読みやすかった。
    満開の桜の森が自然と脳裏に浮かび上がる。この薄気味悪さは、美しいものへの畏怖から生じているのだろうか。この感覚が外国人にも伝わるものなのか、日本人特有のものなのかが気になる。

  • 森見登美彦さんの『走れメロス』に入っていて世界観が良かったので読みました

    森見登美彦さんの方はだいぶまろやかだったので、少々衝撃でした

    桜の時期が近づいたらまた読みたくなりそうです

  • 坂口安吾 氏の作品は、以前にも読みかけたことがあるが句読点が少なく読みにくい文体である印象が強い。御多分に漏れず、やっぱり読みにくい。シュールな作品だと思う。
    何ともおどろおどろしい作品、という印象しか残っていない。「新釈・走れメロス他四篇」のために元ネタとして読んだ。

  • 恐かった。

    そして美しい女というだけで男性はここまで騙されるのかと、そういうのも恐かった。

    桜の木というのはとても神秘的だ。

著者プロフィール

1906年、新潟生まれ。評論家、小説家。おもな著作に『風博士』『堕落論』『白痴』など。1955年没。

「2019年 『復員殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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