本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・電子書籍 (13ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
数十年ぶりの再読。敗戦がむき出しにした人間の本性。まさにそのとおり、人間ってそんなものだと思う。強大な敵を作って怯えさせ、カリスマの元に一致団結させ、規範を制定し縛る。そうでもしないと人間は皆んな勝手に落ちていく。神も天皇もそのためのただの役割。自由とは堕ちること。一つ心配なのは、アホな政治家と違って政治は独創をもち、意慾をもち、大海の波のように歩みが止まらないと言っていること。今の世界的な政治動向の行きつく先がとても心配です。
-
堕落こそが救いだと唱える坂口氏。
深く咀嚼すればするほど味わいがでそうな一冊。 -
ポストアポカリプスの世界が現実味を帯びてきた昨今、この先めちゃめちゃ引用されそうな。
いやほんと今こそみんな読むがいいと思う。
「戦争がどんなすさまじい破壊と運命をもって向うにしても人間自体をどう為しうるものでもない。
戦争は終った。
人間は変りはしない。
ただ人間へ戻ってきたのだ。
人間は堕落する。
義士も聖女も堕落する。
それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。
人間は生き、人間は堕ちる。
そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。」
「人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。
そして人の如くに日本も亦堕ちることが必要であろう。
堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。」
コロナ禍は終わり。世界は変わる。
人間は堕落する。
とりあえず連休中は社会的距離を保って楽しく引きこもる。 -
これは希望か絶望か諦観か。
う〜む。とても哲学的なテーマ。
誰かに解説して欲しい。
難しいけど今はこの時代の文体を楽しんでます。 -
-
意外と短く終わった。
ただ、安吾の言ってることは本当であると思う。
ナンバーガールの向井秀徳がその例だ。 -
ベルリンからアムステルダムのバスの中で。
Kindleで読んだ。
-
人間は弱いし、元々堕落するものである。特に日本人は心が弱い。このことに早くから日本人は気付いていて、武士道のような極端な美徳を強いる規範や、軍部・政治家による様々な規制が生まれた。堕落を認めず、純潔、忠心を求めるこれらの規制は心が弱く規律に忠実な日本人を統制するために必要だったという著者の洞察に納得。
作者の洞察は更に続く。人間は弱いから堕落するのであるが、弱さ故に堕ちきることもできない。武士道や軍部・政治家による規制は、人間の特性や本能を分析した上に構築された理想であるが、本当の理想、本当に幸せになる方法というものは、堕ちきって自分を理解したときに初めて見い出せるのである。だから堕ちきってみよというのである。
「堕ちきった」ときに自分のことを理解できるというのは何となく分かる。だから人が堕落することも非難しない。でも堕ちきらなくても理解できるような気がする。自分が弱いからそう思うのか、理解しているつもりで理解していないからそう思うのか、それとも実際堕ちきらずとも弱い自分、ダメな自分を具体的にイメージできる自由自在な目を持てば自分を理解できるというのは真理なのか。いろいろ考えさせられた。 -
我々は規約に従順であるが、我々の偽らぬ心情は規約と逆なものである。
どのような矛盾も有り得るのである。
人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又死なねばならず、そして人間は考えるからだ。
人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。 -
1946年発表。戦時中に比べて荒廃した終戦直後の世の中は人間本来の「堕落」した姿にすぎない。戦争に負けたから堕落したのではなく、人間だから堕落する。しかし、人間は堕ち抜くには弱い存在である。幻影に過ぎない武士道や天皇を再び持ち出さざるを得ないだろう。
-
冨永愛オススメ本より。
ニンゲンは良く出来ていないから、堕ちるべきところを見極めて堕ちるべし…みたいな…?
うまく言えないが。
何度か読み返さないと、しっかり腑に落ちるところまでいかないなぁ。 -
武士道、未亡人、特攻隊、天皇…日本人が作り出した非人間的なことが、かえって人間的なことなのだと論ずるのは興味深かった。
人間は変わらない。変わっているのはただ環境にすぎないのだ。
そして、政治や歴史、戦争もそれぞれの積み重ねで大海の流れのようなものなのだと…。
堕落しきるには弱すぎる我々であるが、そこから始めなければいけない。
著者プロフィール
坂口安吾の作品
本棚登録 :
感想 :
