耳無芳一の話 [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 短い話であるが結構良かった。 是非、平家物語を読みたくなった。

  • いつも思うんだけど、経文を書きそびれたから耳を引き千切られたわけだけど、だったら文字と文字の隙間から肌が見えないの?
    そのパーツに1つ書いてあればオッケーなの?

  • オチは覚えているけど、内容は読むまでほとんど忘れていました。改めて読んでみると薄ら寒いものを感じる話ですね。例のところは思わず耳を押さえたくなってしまいます。

  • 日本のホラーは理不尽なものが多いと言われるが…これは、本当にひどい。

    なんとなく概要は知っていたけど、元から芳一が盲目である設定なのは、今回本を読んではじめて知りました。

    目の見えない彼の奏でる美しい琵琶の音色に惹かれ、あの世の者たちに目をつけられてしまう芳一。住職のおっちょこちょいのせいで、怨霊に耳をもぎ取られ、非常に痛ましい姿になってしまいます。
    その後腕のいい医師になんとか診てもらい、結局芳一は有名人となり富豪になりハッピーエンドを迎えます。

    ただ、私としては琵琶の歌い手である芳一にとっては命を失わずに済み、お金を得る幸せを得たことよりも、耳を失って生き残ってしまった不幸の方が大きいのでは…と腑に落ちない、やるせなさを感じました。

  • 芳一が甘やかされてた。

  • 平家を慰霊する赤間ケ関・阿弥陀寺に住む芳一(盲目の琵琶法師)について、日本に帰化した【ラフカディオ・ハ-ン】が語った有名な怪談話。平家の墓の前で(彷徨う平家の霊魂)壇の浦の戦を吟詠する芳一。その身を案じた住職が、芳一の身体中に魔除けの経文(般若心境)を書き覆ったが、両耳の部分だけが書き残されてしまっていた・・・。彷徨える霊魂が安寧に鎮まるよう、芳一の琵琶が冴えわたる。

  • 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』収録の短編。
    個人的には古今東西怖い話ベスト3の1つと思う。

    赤間ヶ関(現在の下関市)に芳一という盲目の琵琶法師がいた。大層な名手で、阿弥陀寺の和尚はその才を愛した。芳一は、寺の客分として引き取られ、時折和尚に琵琶を語り聞かせて暮らしていた。
    ある晩、和尚は法事で留守にしていた。芳一が庭先で涼んでいると、誰かの気配がした。「芳一!」と声は呼びつけるが、盲目の芳一には誰だかわからない。恐る恐る尋ねると、さる高貴な方の遣いの武士と名乗った。貴人は芳一の琵琶の評判を聞きつけ、ぜひとも平家物語の一節を語ってほしいというのだった。武士の鋼のような手につかまれ、芳一は貴人の逗留先に向かう。ひとしきり、壇ノ浦のくだりを聞かせると、殿様もおつきの女官たちも大層感激し、明晩も来るように、また殿様はお忍びの旅の途中であるからくれぐれも口外せぬようにという。
    翌晩もこっそり寺を抜け出した芳一だが、運悪く和尚に留守が知れてしまう。頑として行き先を言わぬ芳一を不審に思った和尚が、翌日も抜け出した芳一の跡を下男につけさせてみると、芳一の向かった先は世にも怖ろしい場所であった。

    漆黒の闇の中、鎧を付けた跫音が響く。「芳一、芳一」とこの世のものでない声が呼ぶ。
    和尚が芳一に授けた守りには、重大な「穴」があった。芳一は辛くも魔の手を逃れるが、それには大きな代償が伴った。

    八雲による『怪談』の再話が最も名高いが、原型となる話は各地に残るようである。
    八雲は原話を流麗に語り上げ、日本ではあるが、どこか異国の香りもするような、怖ろしくも美しい話に仕上げている。
    訳の戸川明三(秋骨)は、名の通り、明治3年生まれの英文学者、評論家、翻訳家。島崎藤村、徳富蘇峰、樋口一葉、斎藤緑雨、西田幾多郎など、多彩な人物との交友がある。本作の訳文は読みやすいが格調高い。漢籍の素養も相当だったようで、琵琶をかき鳴らす際の「錚錚嘎嘎」という形容など、生半可な知識では出てこぬところだろう。

  • 小泉八雲記念館に行くので、予習。
    何故芳一が耳を失ったのか、わかりました。

  •  青空文庫に掲載されている小泉八雲の作品をすべて読みたいなと思い、読んでみました耳無芳のはなし。とても有名です。
     きっと日本人なら誰でも知っている怪談の1つなのだろうなと思いました。会社で耳無芳一のお話を読んだことを話したら、先輩たちが「耳だけお経書き忘れるやつね」とすぐにオチを話していました。
     平家の怨念。平家の恨み言の物語は妖怪辞典にもいくつか掲載されていたし、切られた首が食いついてきてその後空を飛んで逃げたという物語は何かで読んだ気がしました。
     きっと色々なところで語り継がれてきたのでしょう。

     <以下引用>
     双腕に幼帝を抱き奉った二位の尼の入水を語ったときにはー聴者はことごとく皆一様に、長い長い戦き慄える苦悶の声をあげ、それから後というもの一同は声をあげ、取り乱して哭き悲しんだので、・・・(略)(p.19)

     耳無芳一の平家物語を平家の人達は苦しみ、悲しみ、憎しみ、さまざまな想いで聴いていたのだろう。

  • 美術品特有の理不尽ストーリー。

    これは一見するとギリシャ神話に見られるタイプの、美を目的とした美であるように思われる。ストーリーから徹底的に意味が排除されている。

    しかしながらギリシャ神話の耽美が結局は神に対する畏敬の産物であることに比して、こちらは文字通り美を目的とした美であり(更に言えば物の怪たちは著者の美の欲望を叶える手段として利用されるという立ち位置であり)二つは出自を異にしている。

    美のための美という意味では同じであってもこれを手放しに耽美と形容できない理由は、そこに人間を使役する者の影が含まれていないからであろう。悪魔的な美に当てはめるにしても、悪魔は徹底的にみじめで卑小で嫌悪感を抱かせるものでなくてはならないので、いささかまともすぎる物の怪たちには難しい。結局は神の威を借りた神秘程度の美に落ち着く。

    などと耽美について考えるのに役立った。

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著者プロフィール

1850-1904年。ギリシア生まれの英国人。作家、英文学者。旧名ラフカディオ・ハーン。1890年来日。松江で小泉節子と結婚、後に帰化。東大等で教鞭をとりつつ日本を海外に紹介。著書に『怪談』『心』他。

「2016年 『心 個人完訳 小泉八雲コレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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