杜子春

著者 :
  • TRkin (2012年9月13日発売)
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感想・レビュー・書評

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  • 休日の青空文庫。高校?で習ったらしいが全く覚えていない。興味深く聴く。杜子春は貧乏だったが、鉄冠子(仙人)から2度に渡って金塊を授かり、飲めや歌えの大宴会。お金を使う時は周りの人間がチヤホヤしてくれるが、お金がない時は誰も助けてくれない。杜子春は人間の「欲」への疲弊から仙人になりたく、鉄冠子の弟子を申し出る。その際、鉄冠子から修行をさせられる。ただ、母親を想うことでその修行を達成できず。大切な人を想うことは人生で最も重要であること。金の切れ目が縁の切れ目。これが教訓かな。鉄冠子は滅茶苦茶いい人だった。⑤

    https://www.youtube.com/watch?v=EULJCH3qZns 「鳥海浩輔が読む、芥川龍之介『杜子春』」【朗読】

  • 青空文庫にて。
    芥川龍之介らしいお話。読みやすい。

    私もどこかの門の下で佇んでいたら、鉄冠子が声を掛けてくれないものか。地面掘ったら金が大量なんて夢にも見ないっ!

    戒め、改心を描く作品。
    お金にだらしが無い杜子春(とししゅん)が首の皮一枚で救われる話。

    結果的には、めっちゃ優遇されてるやん!とツッコミたくなるが、地獄での体験は何者にも耐えられるものじゃないし、最後に救いがあっても良いと思う。

    読了。

  • 「源氏物語」における唐代伝奇小説の影響を計りたくて関連書を見ていると「杜子春伝」が挙げられていました。懐かしい。これは中学生のころに没頭した芥川の短編で読んでいます。原典は俗界を離れて仙人となる道教思想が根底にありますが、芥川は結末で人間性を賞揚します。近代小説に換骨奪胎してみせたのですね。

  • 大学の頃に読んでたら、芥川研究しているゼミに入ってただろうか。うーん…入らんだろうな。徹底的に学術的に深掘りするより一読者として気楽に読む方が自分の気性に合ってるな。何故ここ数週ちびちび芥川を読んでいるかというと、友人の結婚式で「久しぶり!覚えてる?」と声を掛けてきた女性が大学時代の同級生で学部学科まで同じ、そして芥川研究のゼミ所属だったからだ。なんとなーく、久々に読んでみっかという気になったのはこの女性のおかげである。女性との再会より芥川との再会に喜んでいる。笑

    杜士春、なかなかに情景が浮かんでくる。頭、胸、腹ときて、大金持ちという幸せと引き換えに身体部位が弱っていく話か?なんて流れを想像してみたり。いやいや、杜士春はもう金なんていらなかった。人間の薄情さをまじまじと見せつけられて疲弊していた。弟子入りしたい杜士春に仙人から試練を与えられ、最後に試されたのが人としての情であった。ついその前に愛想が尽きた人の薄情を知っていた彼は、どんなに自身が突き殺されようと、地獄で無慈悲な扱いに遭おうとも、鞭を受ける父母の悲痛には耐えられなかった。人としての愛情を失わずにいられた彼は「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」と仙人に答える。
    俺も、欲に惑わされず愛情を持って生きたい。AIに負けないのは最後、愛なのである。

    【読了時間:14分 / 1日】

    • やまさん
      ぐうさん
      おはようございます
      やま
      ぐうさん
      おはようございます
      やま
      2019/11/10
  • おとぎ話を楽しむには、少々歳を取りすぎたやうです。教訓があるならば、無理に探さず、自ずと気づくべきものなのでせう。
    一つだけ、地獄の責め苦にも声を上げなかった杜子春が、打ちひしがれる母の顔をした馬に「おかあさん」と言ってしまう場面にはホロッときました。

  • 娘の塾のテキストに、冒頭部分が音読教材として使われていたので。
    自分も昔は金持ちになりたいと思っていた。もちろんいまでもそういう気持ちはある。しかし、家族もできて、社会人としての自分の責任が増すことに伴って、お金以外の比重がたしかに大きくなってきている。
    部下の成長、家族の幸せ、その上で困らないだけの収入があり、そのうち工面して、自分の成長のために投資する。
    こういう循環が幸せに感じる。
    杜子春の場合、父母への思いと金目当てに寄ってきた友人たちとの対比から、本当の幸せとは何かを悟ったのだと思う。

  • 2021.04.11 読了。

    青空文庫。
    「日本昔ばなし」的な話。
    芥川龍之介って割と読みにくそうなイメージであまり進んで読むことはなかったけれど、読んでみると、普通に読みやすい。

    さすが短編の天才。
    大正時代にこんな話があったのかと思うと逆に新鮮。
    現代でも普通に通じる面白さ。
    他の作品も読もうと思う。

  • 芥川竜之介の勢いのある文章が好きです。
    この作品も、物語と同じくらい文章力に惹かれました。
    短編ですが、読みごたえがあり、人生とは・・と考えさせられる一冊です。

  • 仙人やさしい‼w

  • ◾️感じたこと

    口をきいてはいけないので読む側も苦しくなる。。


    小学6年生のときクラスで杜子春の劇をやって杜子春役をしたが、実は当時杜子春をあまり理解できていなかった。

    ストーリーはわかるが、少し大げさに感じたしそれに対して結末は普通に感じる。
    それがポイントなのかもしれないけど。

    みんな大体同じような暮らしをしていて低迷した日本経済の中で杜子春は非現実的な人物に思えたのかも。


    今読み返しても少し物語に入るのが難しい。

    ただ母はとても強いなと思う。息子を思う愛情を感じとって杜子春が声を出したので良かったと思う。



    ◾️あらすじ

    唐の都洛陽の放蕩息子杜子春。
    ( 実際唐の都は長安だが都として馴染みのある洛陽に変更したらしい )

    仙人・鉄冠子と会い二度も金持ちになるが、
    金がなくなると離れていく人間に愛想をつかせる。

    今度は仙人になろうと仙人の厳しい修行(どんなめにあっても口をきかずに黙っている)に耐える。

    途中父母が鞭打ちにあい息子を想う母の優しさを感じ声をあげる。

    「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをするつもりです。」と仙人に告げる。

    仙人はその言葉を忘れるなと、一軒の家と畑をやると告げ去る。

    ◾️印象に残った部分

    ・母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思いやって、鬼どもの鞭に打たれたことを、怨む気色さえも見せないのです。

    → 母強い。

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