杜子春 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (19ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 貧困にあえいでいた杜子春。仙人に出会い金持ちにしてもらうが、財産は数年で使い果たす。同じことを何度か繰り返して彼は、「金の切れ目が縁の切れ目」だということを知り、人間界に見切りをつけ、仙人になろうとする。
    仙人は杜子春に「仙人になりたければ何があっても絶対に喋ってはいけない」と言う。
    いろいろな試練が杜子春を襲うが、彼は黙っている。
    しまいには地獄に落とされても黙っているが、彼の親が目の前に連れてこられ、危害を加えられそうになった瞬間、彼は声を発してしまう。
    全ては仙人が見せた幻だった。杜子春は「人間らしい暮らしをしたい」と考えるようになる。

    中国の伝奇「杜子春伝」がもとになった話で、こちらも読んでみました。
    大筋は変わらないのですが、「杜子春伝」では杜子春がハイパー美少女に生まれ変わり、エリートのイケメン役人と結婚して子供まで設けます。
    「杜子春」では母親に危害を加えられそうになって声を上げたんですが、元ネタの「杜子春伝」では、転生して女になって産んだ子供に危害を加えられそうになって声を上げています。
    「杜子春伝」のほうは「転生したら美少女だった」みたいな壮大な話で、何だか現代のライトノベルと言われても頷ける展開。

  • 大学の頃に読んでたら、芥川研究しているゼミに入ってただろうか。うーん…入らんだろうな。徹底的に学術的に深掘りするより一読者として気楽に読む方が自分の気性に合ってるな。何故ここ数週ちびちび芥川を読んでいるかというと、友人の結婚式で「久しぶり!覚えてる?」と声を掛けてきた女性が大学時代の同級生で学部学科まで同じ、そして芥川研究のゼミ所属だったからだ。なんとなーく、久々に読んでみっかという気になったのはこの女性のおかげである。女性との再会より芥川との再会に喜んでいる。笑

    杜士春、なかなかに情景が浮かんでくる。頭、胸、腹ときて、大金持ちという幸せと引き換えに身体部位が弱っていく話か?なんて流れを想像してみたり。いやいや、杜士春はもう金なんていらなかった。人間の薄情さをまじまじと見せつけられて疲弊していた。弟子入りしたい杜士春に仙人から試練を与えられ、最後に試されたのが人としての情であった。ついその前に愛想が尽きた人の薄情を知っていた彼は、どんなに自身が突き殺されようと、地獄で無慈悲な扱いに遭おうとも、鞭を受ける父母の悲痛には耐えられなかった。人としての愛情を失わずにいられた彼は「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」と仙人に答える。
    俺も、欲に惑わされず愛情を持って生きたい。AIに負けないのは最後、愛なのである。

    【読了時間:14分 / 1日】

    • やまさん
      ぐうさん
      おはようございます
      やま
      ぐうさん
      おはようございます
      やま
      2019/11/10
  • 十数年ぶりに再読。
    唐代の洛陽にいた無一文の杜子春が、仙人・鉄冠子に三度大金持ちにされた結果、人は金がなくなるとすぐに愛想を尽かして離れていくことを悟り、それより鉄冠子のような仙人を目指して、何があっても一言も発しないように言いつけられて修行をするも、最後、地獄で自らの幸せを願ってくれた犬の姿となった母親が強いたげられる姿を見て、思わず「お母さん」と口にし、仙人よりも自ら人らしく生きていくことを選ぶ話。
    非常に教訓めいていて読みやすく、まさに教科書に載るにはふさわしい作品だった。何より杜子春の心情が共感を生みやすく、読んでいるこちらも杜子春がどんな選択をするのか、読んでいる時から気になって仕方がなくなってしまう。しかも長さ的にもかなり読みやすい。
    舞台背景は中国だが、背景を何も知らなくても物語だけで感情移入できるので、さすがは芥川といったところだろう。(いくつか読んだ中ではこれが一番好みかも)

  • 原作の唐代伝奇小説「杜子春」と読み比べてみると、芥川のニヒリズムに堕さないヒューマニズムが感じられる。原作では女体となった杜子春が我が子を殺されて思わず声を発するが、芥川版では母が鞭打たれるのを見て声を上げる。仙人の描き方も対照的で、私はどちらかというと原作の無慈悲な仙人に惹かれるのだけども、桃の花咲く家を託して別れる芥川の仙人は、人情味が感じられて芥川の優しさを垣間見る。道を極めることよりも、人として欠いてはならないものを示した芥川の仙人像は、彼の理想でもあり、また人間への賛歌でもあったのだろう。

  • 情景が目に浮かぶ描写。
    ラストの山の麓の桃の花咲く一軒家が、救いのように心に残っている。

  • 娘の塾のテキストに、冒頭部分が音読教材として使われていたので。
    自分も昔は金持ちになりたいと思っていた。もちろんいまでもそういう気持ちはある。しかし、家族もできて、社会人としての自分の責任が増すことに伴って、お金以外の比重がたしかに大きくなってきている。
    部下の成長、家族の幸せ、その上で困らないだけの収入があり、そのうち工面して、自分の成長のために投資する。
    こういう循環が幸せに感じる。
    杜子春の場合、父母への思いと金目当てに寄ってきた友人たちとの対比から、本当の幸せとは何かを悟ったのだと思う。

  • 子供の時に読むべき本やね(•‿•)

  • 学生の時以来の再読。

  • 金の切れ目が縁の切れ目というか…、本人はそれに愛想がつきて仙人になろうと思うわけですが、その先の結末とそこから大切な物は何なのかを教えてくれる作品ですよね。‬

  • 久しぶりに読みました。いい話。

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