杜子春 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (13ページ)

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  • 貧困にあえいでいた杜子春。仙人に出会い金持ちにしてもらうが、財産は数年で使い果たす。同じことを何度か繰り返して彼は、「金の切れ目が縁の切れ目」だということを知り、人間界に見切りをつけ、仙人になろうとする。
    仙人は杜子春に「仙人になりたければ何があっても絶対に喋ってはいけない」と言う。
    いろいろな試練が杜子春を襲うが、彼は黙っている。
    しまいには地獄に落とされても黙っているが、彼の親が目の前に連れてこられ、危害を加えられそうになった瞬間、彼は声を発してしまう。
    全ては仙人が見せた幻だった。杜子春は「人間らしい暮らしをしたい」と考えるようになる。

    中国の伝奇「杜子春伝」がもとになった話で、こちらも読んでみました。
    大筋は変わらないのですが、「杜子春伝」では杜子春がハイパー美少女に生まれ変わり、エリートのイケメン役人と結婚して子供まで設けます。
    「杜子春」では母親に危害を加えられそうになって声を上げたんですが、元ネタの「杜子春伝」では、転生して女になって産んだ子供に危害を加えられそうになって声を上げています。
    「杜子春伝」のほうは「転生したら美少女だった」みたいな壮大な話で、何だか現代のライトノベルと言われても頷ける展開。

  • 原作の唐代伝奇小説「杜子春」と読み比べてみると、芥川のニヒリズムに堕さないヒューマニズムが感じられる。原作では女体となった杜子春が我が子を殺されて思わず声を発するが、芥川版では母が鞭打たれるのを見て声を上げる。仙人の描き方も対照的で、私はどちらかというと原作の無慈悲な仙人に惹かれるのだけども、桃の花咲く家を託して別れる芥川の仙人は、人情味が感じられて芥川の優しさを垣間見る。道を極めることよりも、人として欠いてはならないものを示した芥川の仙人像は、彼の理想でもあり、また人間への賛歌でもあったのだろう。

  • 情景が目に浮かぶ描写。
    ラストの山の麓の桃の花咲く一軒家が、救いのように心に残っている。

  • 娘の塾のテキストに、冒頭部分が音読教材として使われていたので。
    自分も昔は金持ちになりたいと思っていた。もちろんいまでもそういう気持ちはある。しかし、家族もできて、社会人としての自分の責任が増すことに伴って、お金以外の比重がたしかに大きくなってきている。
    部下の成長、家族の幸せ、その上で困らないだけの収入があり、そのうち工面して、自分の成長のために投資する。
    こういう循環が幸せに感じる。
    杜子春の場合、父母への思いと金目当てに寄ってきた友人たちとの対比から、本当の幸せとは何かを悟ったのだと思う。

  • 子供の時に読むべき本やね(•‿•)

  • 学生の時以来の再読。

  • 金の切れ目が縁の切れ目というか…、本人はそれに愛想がつきて仙人になろうと思うわけですが、その先の結末とそこから大切な物は何なのかを教えてくれる作品ですよね。‬

  • 久しぶりに読みました。いい話。

  • 一冊というよりは短編1編なのだけど、Kindleでも青空文庫の取り扱いが始まったし、これからはこういうのも増えていくのかも。
    「杜子春」、書きながら読むプロジェクトの芥川2編目。元はお金持ちの息子だった杜子春が遺産を食いつぶし、死んだほうがいいかなぁなどと考えながらぼんやりしていると、大金持ちにしてやると不思議な老人に言われ、その財産も贅沢して食いつぶし、また同じ老人に大金持ちにしてもらい、そのお金も食いつぶし……という、いっぺん頭を殴ってやりたいようなお馬鹿な若者の話。
    三度目の正直に老人はどう出るんだろうと思ったのだけど、そこから話は意外な展開をして、そういえば芥川だねえという感じで終わった。私は杜子春よりはお利口ですから、鉄冠子さん、私のところにも来てくれませんか?

  • たった40頁程度で落とし込んでいることに感動する。
    最近ではお金のことや幸せについてビジネス書の表紙のカラー印刷があれこれ偉そうに語るが結局ここに集約されるようである。

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