蜜柑 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (5ページ)

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  • 横須賀駅から乗った汽車での「私」と故郷から奉公に行く娘とのひと時を、作者の体験をもとに描いている。
    「Amazon」より

    曇った冬の日暮、薄暗いプラットフォーム、機関車が吐き出す黒々とした煙の中に突如現れる蜜柑.灰色だった世界が、オレンジ色に染まる瞬間の光景は美しい.
    ただ、こんな時代のことだから仕方のないことだけど、身分がどうこうという部分に、途中まで純粋に楽しめない.蜜柑はそんな暗い部分も吹き飛ばす、鮮やかな生の営みを象徴する.

  • 「私」は、横須賀線の車内に居る。
    倦怠と疲労感な時に、一人の娘が駆け込み乗車してくる。
    その田舎娘の不潔な容貌と、三等切符なのに二等客車に座る図々しさに、「私」は不機嫌いっぱいになるのである。

    わかるなぁ~。
    昔、電車通勤通学していた時分、疲れているのだけど平和な車内で、電車の揺れに揺られながら心地好い気分に浸っていたのに、不快人物の登場で台無しになってしまうというシーンを思い出してしまった。

    しかし「私」は、その娘の身の上を知ると倦怠感などが、吹き飛んでしまうのだ。

    むやみやたら人を見た目で毛嫌いしてはいけませんですね。

    日常のちょっとした出来事での、「私」の心情のうごきが共感を呼ぶ。

  • 洗練とは程遠い少女の外見や行動の全て。品も教養もない者への侮蔑の念。しかし少女の朴訥な存在の理由を知り初めて自らの愚かさを知る。

    ものすごく嫌だと思っていたことが、あることを契機にまったく逆の考えを持つに至る。価値観の転換。嫌だと思っていたそれはとても素晴らしいものであり、そのことに気付けないどころか、見下した自分こそが醜いのだと思い知る。短編の究極。

  • 蜜柑の色!

  • 『林修の「今読みたい」日本文学講座』所収

  • 青空文庫で 2017.10
    前も読んだはずなのに忘れていたことが悲しい。
    ふっと涙腺が緩む。

  • 目に映るもの全てが、心に重く淀んでいるし、
    他人の姿にまで己の心を投影して、
    その陰鬱な生を嘆いている。

    しかしながら、曇天の隙間より一瞬差し込む光のように、
    少女の放った蜜柑がぱっと心を彩る。

    なんてことはない日常を切り取った短編であるが、
    目に浮かぶ色彩のコントラストが秀逸。

  • 「ー」

    超短編。
    又吉さんオススメの一冊。

  • 大正期に活躍した「新思潮派」の作家、芥川竜之介の短編小説。初出は「新潮」[1919(大正8)年]に全2章構成の「私の出遇つた事」の「一」として掲載。短編集「影燈籠」[春陽堂、1920(大正9)年]に収録された際は、「二 沼地」とそれぞれ独立した作品として扱われた。小学校の国語教材としても使われている。横須賀から電車に乗り合わせた少女が窓から弟らに蜜柑を投げる話。
    「Amazon内容紹介」より

    書いてある内容は淡々とした日常.大正の時代の何の変哲もなく日々の暮らしが流れていくように書かれている.
    灰色のまま進む日常の中に一人の少女が投げた蜜柑が、灰色の日常を鮮やかな橙に色づける.橙だけが色をもっているように、そんな風に感じた作品.

  • ツンとする。胸が。

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