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感想・レビュー・書評
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可愛いけど、恋愛依存体質と、なぜか死別する不運に見舞われて幸せになれない女が、
独り年老いて、全く見た目の可愛さを失った頃、小さな幸せがやってくる。
めでたしめでたし。
ボクの「可愛い女」、どっかに居らんかな。
いや、惚れられると死んでしまうか……
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頭上で多様性の喇叭が鳴り響く。
河井寛次郎の言葉に、私は美しいものしか見えないという視覚障害がある、と言う意味のものがあるが、例えばオーレンカが、つい人を愛してしまうという障害であったとしたら、どうだろうか。
それを、「努力が足りない」とか「心がけが悪い」とか「意識が低い」とか言えるだろうか。
そしてまたそのオーレンカの持てるものを一番輝かさせるのが人を愛する事・人に尽くす事で、その時、彼女は「可愛い女(ひと)」たりうるのだとしたらどうだろうか。
我々の誰もが持つ個性とは、それぞれ、その様なものではないのだろうか。 -
引き込まれない文章で、読み進め辛い。他者の総評やネタバレ概要を読めば良い。途中投げ出し
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アントン・チェーホフ(1860-1904)はモスクワ大学医学部を出た医者でもある。在学中から短編小説を発表していたほどの才能があったが、44歳で結核で亡くなる。短命だ。
本作『可愛い女』は何かのきっかけでダウンロードしたが、読んでいなかった。佐藤優がチェーホフの名前をあげていたのがきっかけかもしれない。
チェーホフはトルストイの影響を受けており、トルストイは本作を激賞したとのこと。
日蓮は「女は男のために命を捨つ」と言ったが、主人公の女性はまさにそういう人。男性がいなければ自分の意見を持つこともないし、喜怒哀楽もない。最後は他人の子を溺愛して終わるが、自分の子だとしたら尚更だ。
本作は一女性の寂しい生涯を象徴しているようだ。
しかし、タイトルは『可愛い女』。男性や子供に対する献身的な愛こそ女性の特質であり、女性としての魅力もそこにある。
日蓮の言葉も、女性を卑下しているのではない。 -
相手の世界に飛び込んで、そこが自分のすべてになってしまいます。チェーホフは皮肉的に描き始めたそうですが、描き進めると聖女になっていたそうです。「可愛い女」というのが、ジェンダー的に問題なら、主人公を男にしても成立すると思いました。題して「可愛い男」。
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「ー」
幼い頃可愛い女は、年と共に醜くなった。そんな彼女が小さい子の世話を通して、愛おしさを取り戻していく話。外見は内面の力に強く影響される。そんなお話。 -
「可愛い女」オーレンカは誰かを献身的に愛すことなしに生きていけない。依存心のかたまりのような生き方であるが、その無私無欲な愛情の注ぎ方には考えさせられる。
しかしサーシャを母親の元に行かせることを恐れ、あくまでも手元に置こうとする姿は無私無欲とは異なるあり方かもしれない……。