きのこ会議 [Kindle]

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  • 2012年9月13日発売
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  • 来年GWにドグラ・マグラを読むのでその抗体を植え付ける1冊。ある日、森の中で、きのこたちが集まって、会議を開く。人間についての意見を次々と発表する。初茸の司会進行。無毒なきのこと毒キノコが登場。椎茸「人間が椎茸畑を用意してくれて素晴らしい!」、松茸「子孫(胞子)を放出する前に何故狩ってしまう?」、毒キノコ「俺らが一番強い、人間も一目置いている!凄いだろう?無毒きのこたちよ!」という感じ。そこで、きのこ狩りにやってきた、人間の家族。ここで毒キノコたちの運命が。教訓、人間の身勝手さ?あるいは悪は滅ぼされる?⑤

  • サクッと読めて、だけど内容はスパイスが利いてて面白かった。

  • キノコのキノコによるキノコのための会議.
    あるキノコは前向きな発言をし、あるキノコは毒を吐く.
    そこへ人間が・・・
    最後のオチがシュールだった.

  • 夢野久作の作。
    きのこ連中が森に集まり、かわるがわる演説を始める。
    彼らの関心事は、自分たちに対する人間のさまざまな行いである。椎茸が畠を作ってもらってうれしいと言えば、松茸は胞子を飛ばす前に食べられることを嘆く。
    一同、ふむふむと聞いていると、そこで立ち上がったのが毒きのこ連中。そもそも人間の役に立つことなど考えるのがおかしいという。毒を持っていれば食べられることもなく、自由に一族が栄えられるではないかと一席打つ。
    ほほう、それもそうかと、きのこたちは、毒がないのとあるのと、どちらが得か試してみることにする。
    さてその結果は。

    他愛ないといえば他愛ない話だが、出てくるきのこの名前が何だかすごい。
    初茸、松茸、椎茸、木くらげ、白茸、鴈茸、ぬめり茸、霜降り茸、獅子茸、鼠茸、皮剝ぎ茸、米松露、麦松露

    対する毒きのこは
    蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の茶袋

    ・・・何か聞いたことないきのこばかり。知っているのは松茸、椎茸、木くらげくらいかな・・・? 松露も聞いたことはあるけれど、米松露とか麦松露は初耳だ(*種としては同じものだが、未熟で中が白いものを米松露、成熟して黄色くなったものが麦松露と称するらしい)。
    毒きのこの方も、咄嗟に聞かれたら定番のベニテングタケが思い浮かぶくらいだが、いやはや何とも怪しげな名前のきのこがあるものだ。馬糞茸なんて、およそ食べたくない。馬糞の形というわけではなく、馬糞に生えるものらしいが。・・・いや、余計食べたくないか(^^;)。

    夢野久作はもちろんペンネームで、福岡地方の方言「夢の久作」からきているそうだ。夢想家、夢ばかり見る変人を指す。彼の作品を読んだ父親が、「夢の久作の書いたごたる」と評したことから採られている。
    怪奇色、幻想色の強い作風というが、本作はごく短く、あまりそういった雰囲気はない。とはいえ、何だかこだわりの強そうな感じはする。

  • 予想通りのラスト。サクッと読めて、面白かった。

  • 可愛い題名なのに、最後は人間の狂気を感じさせる不思議な作品。

  • 『ドグラマグラ』で有名な夢野久作の短編。
     
    『きのこ会議』の『きのこ』は比喩でもなんでもなく
    ホントに『きのこ』たちの会議の様子を描いた作品です。
     
    『毒キノコ』のように、相手が嫌がることを
    したものが最終的に勝つ!
     
    きのこたちの会議ではそう結論付けられた。
     
    そこへ人間たちがやってきて……
     
    まあ、Win-Winでいこうよ! って感じのことを
    説いている作品。
     
    シュールな作品です。

  • 可愛くも滑稽で虚しいきのこたちのお話

  • 無情というか…ラストあまりのことに吹き出してしまった。かわいそうなのに笑えるとはこれいかに。落語みたいにオチがついてるのがいいのかな。

  • 実際きのこ達が会議を開いたら、
    こういう議題で熱く議論されていくのだろうな。
    擬人化きのこ本と併せて読んでみると
    時代を越えて楽しみが膨らみそう‼

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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