鹿男あをによし (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • 話的には突拍子もないものであったが、とても面白かった。特に大和杯の剣道の試合は手に汗握るものだった。堀田イトちゃんとてもかわいいです。玉木宏の鹿男は記憶にあるので、ドラマは見たんだろうなと思うが全然記憶にない。堀田イトの多部未華子ちゃんもう一度見てみたいわ。

  • 鴨川ホルモーを読んだ後、鹿男へ突入。面白かったけど、奈良にも歴史にもあまり興味のない僕にはそれほど引き込まれることもなかったが、剣道経験者なので剣道の試合の緊迫の場面から急激に引き込まれた。

  • 3日で読破しました。
    いやあ、楽しかった。面白かった。
    本を閉じた際には思わずそう呟いてしまう物語だと思います。

    いつか奈良県の鹿さんとお会いした暁には、私も「びい」と変な声で挨拶したいものです。

  • 森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」を読んだときに、Amazonの「よく一緒に購入されている商品」に出て来たかなんかでチェックしていた作品だと思う。育休代替で2学期の間だけ奈良の平城宮跡の近くにある女子高に赴任することになった男性教師が、なぜか奈良公園の鹿に話しかけられ(もちろん人間の言葉で、である)、鹿島神宮のなまずを押さえて日本を天災から救う役目をいつの間にか授けられてしまうというとんでもない物語だ。

    始まりはファンタジー風だが、なぜ「おれ」が「鹿の"運び番"」に選ばれたのか、そして自分にしか自分が鹿の姿に変わっていくのが見えないのはなぜなのか、そして本物の鹿が言う、自分が手に入れなければならない「目」とは一体なんなのか……そんないくつもの謎を解いていく筋立ては、ミステリーの形である。

    この小説のクライマックスの1つが、大阪と京都の系列校との対抗スポーツ大会の場面だ。「おれ」が顧問を任されることになった剣道部に、担任を持つクラスの1年生・堀田イトが入部する。実は堀田は自宅が道場で、こどもの頃から竹刀に慣れ親しんでいた。堀田と他の学校の選手との試合を描く場面は、青春小説に様変わりする。

    物語の最初からばらまきまくった「伏線」を1つ1つ回収して、最後の最後で、たぶん京都から名古屋方面に向かう新幹線が2つ目のトンネルを抜けるときだろうか、さわやかでちょっと切ない余韻を残して終わるところが心憎い。

  • 夏の奈良旅行にむけて
    旅行気分の盛り上げに再読。
    夏目漱石の坊ちゃんの奈良バージョン。
    どっちの相棒も堀田(イトちゃん・山嵐)ですね。

    マイシカ。
    鹿せんべい、そんなにうまいか。
    お気に入りワードです。

  • 再読。
    万城目学氏の初期の作品ですが、不思議な設定で不自然なく現代社会に入ってくるファンタジーが魅力的。
    日本史の最大の謎も織り込まれていてスパイスになっているところも面白い。

  • 「さぁ、神無月だ。出番だよ、先生」

    奈良の女子高に期間限定で教師として赴任することになった主人公に、突然鹿が話しかけてきた。

    荒唐無稽なストーリーなれど
    奈良だったらありうるかも!と思わず感じてしまう(笑)

    神の遣いである 鹿、狐、鼠の役割は?
    1800年も前からひそかに続けられてきた儀式とは。

    主人公は無事に国を救えるのか

    イトちゃんも可愛く魅力的。
    剣道の大会は手に汗握る思いで引き込まれてしまった。

  • 万城目さんの世界観は独特で、ぬるま湯につかっているような気持になります。歴史ある奈良を舞台に、不思議なファンタジー感あふれる展開の中で、ぼんやりした輪郭の登場人物たちが、緊迫感なく危機的な状況を泳いでいるような物語でした。脱力して読めるところがうれしいです。

  • 面白かった。大学の研究室で神経衰弱になった「おれ」が奈良の女子高の理科の教師に赴任。大仏殿で喋る鹿に出会い、印を掛けられ鹿の顔になっていく。大明神が留守になる神無月になまずが暴れ地震が頻発。それを押さえるため、「目」の運び番を託される。目とは何か?飛鳥村の古墳群、遺跡や卑弥呼、大和朝廷や平城京なの歴史と壮大なロマン、剣道の試合の熱血漢などスポコン的要素、京都の狐、奈良の鹿、大阪の鼠のファンタジー性を絡め楽しめた。堀田の遅刻の理由、マイ鹿で駐禁を取られたから。奈良の人は鹿に乗っているって笑った。

  • 奈良の女子校に赴任した男が、鹿と共に世界の危機を回避する為、奔走する話。
    昔ドラマを見ていて面白かったので、小説も読んでみたが、小説も面白かった。
    近鉄の駅名や現実にある場所(奈良健康ランドや伏見稲荷大社)がでてきたり、誰が狐で鼠なのか、堀田は一体何者なのか、サンカクの正体はなんなのか、神奈月の25日までにサンカクを手に入れられるのか、鹿になってしまった顔は元に戻るのか、気になることがたくさん出てきて、ページをめくる手が止まらなかった。
    ドラマも久しぶりにもう一度見たくなった。

  • 不条理系の物語かと思いきや、大河的なスーパーエンターテイメントでした。

  • まきめワールド全開ですごく面白かったし、奈良に行きたくなりました、読み終わった後の甘酸っぱい余韻が残りました

  • 神話ファンタジーと坊ちゃんとスポ根と白雪姫が融合し、奈良を舞台に日本を救う物語。少々強引な展開もあるのでー1点したけど、めちゃくちゃ面白い。章立ては第一章葉月(八月)、第二章長月(九月)、第三章神無月(十月)、第四章霜月(十一月)となっており、そのうち第三章が全体の8割をしめます。秋の夜長にリラックスして読むのに最適な一冊です。

  • ひょんなことから奈良の女子高教師になった「おれ」。生徒からの洗礼をうけコミュニケーションが取れないことにむしゃくしゃ。ある日、言葉を話す鹿に命令されて至宝「サンカク」を手にいれてくることに…。しかし、入手失敗、鹿から印をつけられてしまいます。次の日、起きて鏡を見ると「おれ」は鹿になっていました。鹿化(しかか)を止める為に奮闘する主人公。サンカクを入手するため剣道部を率い。京都、大阪、奈良の姉妹校対決「大和杯」に望みます。そこからスポコン、ラブストーリー、なんと日本崩壊まで話は進んでいきます…。大和杯の行方は!主人公は日本をすくえるのか?鹿化は止まるのか!それにしてもめちゃくちゃな展開。しかしそこは計算された構成とぶっ飛んだストーリーで見事にクライマックスへ導きます。まだ、万城目ワールドに入ったことのないあなた!おすすめです!

  • ドラマが面白かった気がするけど、記憶が曖昧で読んでみた。クセがなくユーモアがあって読みやすかった。私は今後、毒気のあるものを読んだあとはマキメワールドに帰りたくなりそう。
    興奮や感動は強く感じないがそこそこ楽しめるし、滅入るような悲しさやキモチワルサもない安心感がある。
    ファンタジー好きな人にはオススメ。

  • 素っ頓狂な内容を上手にまとめていて楽しめる物語。

  • 再読だったけど、めちゃくちゃ面白くて、ええ話やった。
    文庫本を持っていたのに、Kindleのセールがあったのでいつでも読み直せると思って買った。
    暖かくなったら、聖地巡礼してみよう。
    坊ちゃんも読み直してみよう。

  • 久しぶりにドラマ版を観たら面白くて、急に原作が読みたくなって1日で読破した。
    びっくりネタ既知でも面白かった!藤原君、原作だと妻子持ちの男子なのね。その他設定や展開が異なる部分もあって、そういう視点でも楽しめた。原作では"おれ"語りの一人称なので、"おれ"が見たこと聞いたこと以外の情報は入って来ない。やはりドラマより先に原作読みたかったかな。
    わたしは森見派であまり万城目さんを読んで来なかったけど、世界観がユニークで面白かったし、また奈良に行って今度は古墳を巡りたいなーと思った。
    そして、わたしも鹿に話しかけられたい。
    201122読了、Kindleにて。

  • 良い小説でした!
    5時間ぶっ続けで読んだけど、続きがあるならそのまま読み続けたいと思った。
    登場人物も良いし、ストーリーも、ファンタジーと現実のブレンド具合も非常に気に入った。

    前半は、夏目漱石の坊ちゃんを下敷きにしており、寝屋になんか投げ入れられたりはしないものの、前日の行動を黒板に書いてバカにされる辺りなんかは既視感があって面白い、坊ちゃんと違い赴任地があまりバカにされていない感じも好感が持てるぞなもし。

  • 「鹿男あをによし」(万城目 学)[電子書籍版]を読んだ。万城目学さんはもういいやと思っていたはずなのになんで買ったんだっけな。
    あいかわらず奇想天外な物語を巧みな語り口(文章)で読者の気をそらすことなく一気に破綻もなく収束させる(しかも胸の辺りをほんわかとさせる)技に脱帽です。

  • 前半『坊ちゃん』の現代版かと思いながら楽しんでいたら、途中から万城目ワールドになった。

  • 先にホルモーを読んでいたので、同じ世界観だなぁと楽しかったです。
    突飛なんだけど、終わり方もなんか好き。
    奈良に行きたくなった 笑

  • 大好きなドラマでもう100回は見たであろう後に読んだ原作本。私がこのドラマが好きなのは、やっぱりこの原作本がしっかりとしていたからだと分かりました。ドラマは何回見ても面白いですが、本も何回読んでも面白いだろうなーと感じます。でも先生は玉木宏、鹿は山寺宏一の声で読んでしまいますね!こんな面白い物語をありがとうございました。

  • どういったわけか、鹿に選ばれてしまい、そのために仕事をしなければならなくなった主人公が、その仕事は実は人類のために、また自分のために行わなければならなくなってしまった、少々かわいそうにも、面白おかしく読ませていただきました。物語全体としてはスケールの大きな(神様も出てくるような)お話なのですが、それが主人公の個人的な問題と重なり、親近感を持つことができるようになっています。爽快に読むことができ、所々にある伏線に「おお!」と感動するところもあり、楽しく読ませていただきました。

  • 物語のテンポや盛り上がり方がとても良く、一気に読み進めることが出来た。

  • Kindleストアで安かったので購入。
    ドラマかなんかになってたのね~。知らんかった(笑)。

    はちゃめちゃコメディーって感じでさくさく読めた。
    鏡見たら自分の顔が日に日に鹿になっていくって・・・ある意味こわい^^;
    なにかと京都に負け気味な奈良やけど、地元関西人としても
    もーちょっと奈良に足を運ぼうかなと意味もなく反省させられた作品(笑)。

  • シカに選ばれシカたなく従ったら、シカにされたり日本を左右する出来事に巻き込まれたそんなおかしな話

    文中でシカで韻を踏んだところがあったので挑戦してみたらあまりうまくいかず…

    舞台は奈良。あとは少し京都と大阪。

    ストーリーに神話や古代史が絡んでくるが、それはテーマの一部にすぎず、そのせいで読むのが難しいということもなく、また登場人物に特徴がきちんとあるのでキャラ読みでもスラスラと読めたしストーリーもキチンと理解できた。

    作中での話題にあるように所々「坊っちゃん」に似ている部分がある。たとえば、教師にあだ名をつけるだとか、主人公が東から西へ移動する(坊っちゃんでは江戸から四国、本作では東京から奈良)、主人公が神経衰弱といわれるところなど。

    脱線するが、作中でこんな言葉がある。

    > 自分たちだけの習慣を他者に平気で押しつけてくる。それが万能だと信じて疑わない。失礼だって?これぞ人間の勘違いの極みだな。

    近年、SNSが普及して簡単に発信できるようになったことで、自分の主義主張とは異なるものや道徳的に正しくない発言は「それって不謹慎ですよね?」のように言われ、即座に晒され叩かれるようになっている。自分の主張を持つことは良いことだけど、それを他人に押しつけず互いに理解しあえるよう気を付けていきたい。

    最後に藤原君曰く、あをによしとは

    > 「青丹よし」で、建物の青色と丹色の色づかいが鮮やかで、都の眺めはグッドだなあという意味のようですよ

    とのこと

  • 万城目先生の作品はあらかた読んだよな、と思っていたけど本作は読んでなかった。TVドラマを見ていたせいで(多部未華子さんと柴本幸さんが魅力的だった)、すっかり分かった気になっていたけど原作はまだだった。
    設定や発想の奇抜さが特長の一つでもある万城目先生の作品は、原作を先に読まなくちゃダメだね。なまじ設定やストーリーが頭に入っているせいで、せっかくの小説が楽しめない。思わぬ展開に驚けない。作品は面白いのに。順番が大失敗ですな。

  • 奈良が舞台の
    SFミステリー
    有名な日本の歴史を背景に
    壮大なおバカコメディでもある




    めっちゃおもしろかった!
    次々と起こる展開がおもしろくて
    どんどん引き込まれて行って
    まるでタイムスリップしたような

    日常とすごく近いところで、いろんなことが起きてて、奈良とかよく知られてる観光地だけど、
    夢の世界にいるみたい。しかもハリーポッターみたいなワクワクする感じとちょっと違って、馬鹿馬鹿しくなるような世界笑、思わず笑っちゃうような笑

    一見ありえないけど、ナマズの話とか、富士山の噴火の話とか全部噛み合っていて、「本当にそうなのではないか」と自分も思ってしまった。


    最後の、新幹線での堀田のシーンちょっとよかった
    好きだった。

    夢中になってしまい、一気に読んでしまった
    とてもおもしろかった!!!

  • 導入のところは主人公が横暴そうで好きになれなかったんだけど、楽しめた。神経衰弱なわけない!というところから、神経衰弱くらいそりゃなるわ、という経験を経ていつかの難問が矮小化されていくのが小気味好い。ラストもこの小説に似合っている。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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