浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎 (幻冬舎新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日本の各宗派仏教の成り立ちや全体像をざっくり概観することが出来る。個々の経典に手を出す前におさえておきたい一冊という感じ。
    南都六宗(+真言宗・天台宗)あたりまでは、朝廷や公家と密接な関係を持っていて、内容としても衆生を救う宗教というより学問という印象が強いが、武家が台頭する鎌倉時代以降から俄然面白くなってくる。
    曹洞宗の厳しい修行重視の性格がオウム真理教を彷彿させる、という話や、葬式仏教の成り立ちなども興味深かった。
    あとは、個人的に興味があった日蓮の生涯と、日蓮宗のその後の歩み(国柱会、創価学会とのつながりも含めて)までも分かり易くまとまっていて良かった。

  • ・念仏信仰の始まりは、天台宗の円仁。
    ・天台宗の比叡山延暦寺は、現在の八坂神社、祇園社を支配していた。清水寺を支配していたのは、南都の興福寺。興福寺は大和の国、現在の奈良県のほとんどの土地を荘園として所有し、京の政治にも影響を及ぼしていた。延暦寺と興福寺は、調停や幕府と拮抗し、中世における権力を三分していた。
    ・天台宗には、天台本覚論という思想がある。その核心には、自然に存在する草木でさえ成仏できるとする「草木成仏」の考え方がある。
    ・浄土真宗の開祖親鸞の人生は伝説化されているほど劇的なものではない。
    ・浄土宗(法然)、浄土真宗(親鸞)、曹洞宗(道元)、臨済宗(栄西)、日蓮宗(日蓮)など鎌倉仏教と呼ばれる宗派が、教団として確固なかたまりを持つようになったのは、室町時代以降。
    ・浄土真宗の本願寺が世俗権力と密接な関係を持った背景には、代々の宗主が血縁によって受け継がれたことが英y効している。石山本願寺(現在の大阪城にあり)は信長と10年にわたり対立。顕如が石山本願寺を退いて、その後消失。その後本願寺は、西本願寺と東本願寺に別れる。江戸時代の東西本願寺は徳川家康と密接な関係を持ち、神仏習合の傾向も希薄であったため、明治期には廃物希釈の影響も受けなかった。
    ・武家出身者は、朝廷、公家と密接な関係を持つ南都六宗、天台宗や真言宗より、禅宗を好んだ。
    ・曹洞宗は、葬儀、法要という仏教が積極的に扱ってこなかった領域を開拓していった。鈴木正三、越後の良寛も曹洞宗。
    ・葬式で読まれるお経は宗派によって違う。般若心経を読むのは、天台宗、真言宗、臨済宗、曹洞宗に限られ、浄土宗や浄土真宗、日蓮宗では基本的に読まれない。
    ・徳川家が庇護した影響で、浄土宗の寺院の檀家には吉田茂首相、池田勇人首相など有力者が多い。一方、都市の庶民層に人気があった日蓮宗には、作家や芸能人、プロレス選手の信者が多い。芥川龍之介、井上靖、美空ひばり、夏目雅子、力道山、ジャイアント馬場、美輪明宏など。
    ・他力本願とは、他人の力をあてにすることという意味でつかわれることが多いが,浄土真宗ではそうした解釈を取らない。他力は仏や菩薩の加護の力を指す。

  • 「親鸞」を読んで、仏教をもう少し知りたなと思い本書を購入。各宗派の歴史的成り立ちを思ったより詳細に書かれている。仏教が日本の思想哲学の根底に横たわっているのを再確認。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。宗教学者、作家、東京女子大学非常勤講師。76年、東京大学文学部宗教学科卒業。84年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。日本宗教から出発し、世界の宗教を統合的に理解する方法の確立をめざす。主な著書に『葬式は、要らない』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『もう親を捨てるしかない』(以上、幻冬舎新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『ブッダは実在しない』(角川新書)など。

「2017年 『日本の新宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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