グスコーブドリの伝記 [DVD]

監督 : 杉井ギザブロー 
出演 : 小栗旬  忽那汐里  佐々木蔵之助 
  • バンダイビジュアル (2013年1月28日発売)
2.71
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  • 本棚登録 :229
  • レビュー :48
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569644633

グスコーブドリの伝記 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • これはダメです。

    宮澤賢治「グスコーブドリの伝記」にある現実の厳しさ、何かを得るためには何かを捨てなければならない覚悟を、オブラートに包みこみすぎてありきたりのかわいいアニメにしすぎてしまっている。

    原作では妹と再会したからこそ自身を犠牲にする覚悟を持った。
    そのくだりもない。
    妹は餓死しちゃったことになってる...(ですよね?)

    「銀河鉄道の夜」に続いての猫化はかわいいです。
    原作を知らないで本作品を観ると、「グスコーブドリの伝記」は心に残らない、何も残さない作品になっちゃうだろうな...という残念感たっぷりでした。

  • 宮沢賢治氏の作品で『銀河鉄道の夜』に続いてのアニメ化。主人公が猫という事が、宮沢氏の独特の世界観と見事に溶け込んでいます。宮沢氏の言葉遊び、物語の展開を良い意味でも悪い意味でも汲んだ作品であると思います。
    映像は大変美しく、特に世界観や風景描写や演出は見事と言う他ありません。
    宮沢氏の独特過ぎて付いて行けない感が誇張されてしまい、さらに表情演出及び声優の演技力不足が感じられ、観客にキャラクターの感情が共感し難くなっているとおもいます。
    映像美ばかりが心に残ってしまいそうで、少々残念な作品でした。

  • 映画「銀河鉄道の夜」の素晴らしさと比べてしまうのは仕方ないが。

    基本は原作に忠実、そして「ネネム」や映画「銀河鉄道の夜」からの要素をちょこちょこと拝借しているところも、まあそういうものだ。

    しかし細部の違いが原作の意味合いを低めているところがちらほら。
    たとえばナドリが「遊びに行く」と言うのはブドリらが眠っているときではないし、ネリは籠に入れてさらわれるべきだし、夢野なかの描写もどうか。
    またブドリはあくまで一職員として火山に「残る」べきであって、夢野なかの出来事のようにして連れられて行くべきではない。

    突っ込みどころは少なくない。
    しかし町並みや美しい映像には溜め息。

    主題歌は不要。「この国がうんたら」なんて言われてもね。

  • 子どもの時に観た『銀河鉄道の夜』がとても印象に残っています。
    なので賢治の世界観と猫のマッチングには違和感はありません。
    幻想的な映像表現と音楽もとてもよかったです。

    教訓的なテーマをあまり露骨に表わすと、この雰囲気は損なわれたのでしょうね。
    独特の世界観の描写に力点が置かれたことで、余韻が長く残ってるようです。
    しばらくそれに浸っていたいと思います。

  • おお…これはもう…さびしいにかぎるあかん
    原作を知らないのでどうラストが違うのかわからないけど。でも、観終わって泣くとか切なすぎてたまらんとか、そういうのじゃなくて、たださびしくなる作品だった。すごく完成されてる

  • 私、おなじスタッフがつくった銀河鉄道の夜もけっこう好きでして、
    なんだかわけのわからないものにそれっぽい形があってワクワクするのです
    でも、今回はブドリの仕事したりがメインなので
    デザインがかなりちゃんとした機械がおおいんですね。

    そこで我慢ならないスタッフが銀河鉄道方式で幻想シーン発動!
    ロリコン人さらいが無駄にかっこよくなって船頭をとります。
    てぐす工場のくだりが幻覚っぽくなったり。
    なぞの大正的なレンガ塔が出てきたり。
    とくにこのレンガ塔のくだりのCGがよくできていて、ミニチュアっぽい!
    初期のCGしていたころが好きだった私に大ヒット!
    これがCG正当進化である。日本にはこの方向でバカスカ映画して欲しい
    途中の鬼みたいなのはこまどりかなぁ。

    まぁ、そんな感じで原作とはちょいと違った話になってますけど
    変なもの見れて満足な感じでした。

    あと、ジブリになれていると食事シーンが少なくって死ぬんじゃないかと心配になったり。やっと食ったのが蕎麦掻って!ぜんぜんうまそうに見えなくてなんだかひもじい気持ち。トマトは宝石みたいでしたね!シチューになると途端に残念になる・・・。

    それから、この人猫デザインを最初に生み出した人はエライ!
    無表情がこんなに映えるデザインないよね。
    キティちゃんしかり猫は何考えてるか気になる生き物なんでしょうか。

  • 宮沢賢治のグスコーブドリの伝記を映画化したもの。登場人物は猫で表現し、幻想と牧歌の躍動が交錯する映像美は類を見ない世界を創り出す。声優のキャスティングには小栗旬、佐々木蔵之介など名だたる俳優を起用しているが、後半に遊佐浩二や宮本充を起用するあたり、アニメとして認識されているようだ。

    原作が未読のため、どのような物語なのかまったく想像がつかない状態で視聴した。
    ナレーションの説明や、節々に挿入される代表作「雨にも負けず」の朗読が美しい。生きていくことの厳しさの中で、ただ黙々と、粛々と生きていくブドリの姿が誠実で力強くもある。基本、はい、と返事をするだけで、己から自己主張しない代わりに、出会う人々は特徴的で騒がしく素っ頓狂なので、場面が展開していく。

    代わりに襲いかかる冬の寒さの恐ろしさ=脅威としての自然が静かに忍び寄る様は恐ろしく、またブドリが新たに旅立つ度に見る夢は時に恐ろしく恐怖感を抱かせる。

    最後にはブドリがなぜか自己犠牲でイーハトーブの世界に再び多くの人を苦しめる冬を遠ざけることに成功するのだが、いまいち理解できなかった。
    恐らくあの夢の男が連れて行って例の火山にブドリを入れたということだとは思うが、結局火山は噴火させることに成功したのか、ブドリの家族はどこに行ったのか(もしくは死んでしまったのか)、そもそも博士や火山局の所長が反対したのにどうやってブドリが同じ結果をもたらす別の方策を見つけたのか、それとも強硬してたまたま成功しただけだったのか、説明不足な部分が多く首を傾げた。
    ブドリが自己犠牲の理由も謎だ。ブドリは望んで死んだのか、それとも夢の男に殺されたということなのか、よくわからない。恐らく前者の方が濃厚だが、あの描写ではまるで男に殺められたようにも見えてしまう。
    つまり、エンディングは不完全燃焼で、とてもモヤモヤして、感動はしなかった。
    原作を読んでみないと何もわからないので、今度借りてみようと思う。まあそれが映画化したスタッフの狙いであれば、狙い通りではあるかもしれないが、映画としての完成度としては未完成のように感じざるを得ない。

    それにしても、あの男の役割や象徴が気になるところだ。
    厳冬という逆境と共に現れ、妹を攫い、ブドリが新たに旅立つ度に夢の中に登場し、最後にはブドリの望みのまま火山へ連れて生き、もう二度と戻れない場所へと連れ去る。夢は無意識であり、無意識とは闇であり、闇とはつまり死と繋がる。彼は死神なのか、無意識より現れた「影」なのか。「影」は時に暴れ、蝕み、他者に襲いかかることもあるが、自我が本当に望んでいるものへの導き手でもあり、手段となるエネルギーとして必要なものだ。
    今度時間のあるときに、ユング心理学の象徴分析をしてみたいと思えた作品だった。

  • 手塚作品と宮沢賢治らしい、静かで独特の雰囲気を持つ不思議な作品。

  • 自己犠牲の賛美がなぜよくないかと言えば
    それはそのまま、同調圧力による自己犠牲の強要になりかねないからだ
    だからまあ、自己犠牲を賛美する(ようにも見える)物語…たとえば
    この頃に流行していた作品で言えば、「永遠の0」みたいなものを
    そういう文脈で批判しようってなら、それは正当性があると思う
    しかしなにも宮沢賢治でやることないだろう、しかも
    そのために行ったラストシーンの改変が、はっきり言って失敗している
    ブドリの人類愛や愛郷心といったものが
    まるで間違ったもののように、隠蔽されてしまったじゃないか
    こういうリベラルのそそっかしい独善が
    民衆の反発を招き
    タカ派の台頭をむしろ促進したんじゃないのか

  • 銀河鉄道の夜を期待してみると欲求不満を感じる。
    特に、最後のブドリが犠牲になるシーンが、まったく具体的に描かれないので肩透かしをくらった感じ。
    自己犠牲というテーマがテーマのまま終わる。

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