斬(ざん) (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 44年前に直木賞を取った時代小説。
    本書は、「首斬り浅右衛門」の異名を持つ七代目山田浅右衛門一家を舞台にした異色のホームドラマと言って良い。
    山田家は、江戸の元禄から明治14年の廃刑まで、250年に渡って死刑囚の首斬りを世襲としてきた。舞台は明治元年から14年まで、山田家を襲う様々な事件を描く。
    主人公は、最後の「山田浅右衛門」となる8代目の吉亮。14歳で、初めて首斬りを行う。本書は吉亮が経験する戊辰戦争、美しい継母への想い、8代目の襲名、有名な夜桜お絹や高橋お伝の処刑、そして廃業までを見事に描く。
    本書は重厚な時代小説。味としては、飯嶋和一の小説に似ている。ストーリーの展開もさることながら、本書の魅力は資料を読みこなした当時の世相。江戸から明治に変わるにしたがい、人々の生活、考え、風俗がどのように変化して行くのかが、興味深く描かれる。

    非常に面白い小説ではあるが、「首斬り」を題材としているので、気分の悪くなる描写も多い。読めない部分も多々あった。特に、三島由紀夫の割腹自殺の際の介錯の薀蓄には閉口した。

    それでも、本書は傑作で、娯楽性が高い。読めない部分は飛ばしても読んでねの★5つ。

  •  この難しい名前の著者は初めて読んだ。剣豪小説かなんかかと思ったら全然違ってまじめな歴史小説だった。江戸末期から明治にかけての首斬り役人山田浅右衛門一族の凋落の物語り。話の性質上、斬首刑の詳細な描写が随所にあらわれ、その生々しさに気分が悪くなる。最初に読んでいてこれはそっち系の小説なのかと思ったくらい。凄惨な場面によって対照的に水際立った技の冴えを強調し、それが歴史の転換に翻弄される一族の悲しみを浮き立たせている、のはわかる。だけど正直読んでいてしんどかった。

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