- Amazon.co.jp ・電子書籍 (337ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
面白かった。ストーリー全体も良いのだとは思うけど、わたしは完全に心情描写を楽しんだなあ。
良く小説に「素敵な人」「冴えない人」「幸せな人」「不幸な人」とキャラクターが分かれて登場するけど、本来現実にはそのどれかにはっきり決まっている人なんていない。かと言って、ある日突然改心したり、成功して人格のすべてが変わる人もいない。幸せも不幸せも、優しさも残酷さも地続きで、だからこそ人間には救いがあるし、絶望したり、退屈したりもする。
そういう人間の当たり前を、リアリティをもって、かつ面白いと思わせて複数人描くってものすごい力量だし、意外とそれが上手だなって実感できる作家さん少ないよな……辻村さんは本当にその点では右に出る人なかなかいないと思う。
あと女性が複数出てきて、その女性たちが仲良いだけでなく、仲悪いだけでないお話がものすごく好きです。はーーー楽しかった。
人物描写を読む快楽を味わいたければ辻村さんのお話。と再認識しました。 -
これはあまりネットで調べずに読んだ方がいいです。辻村さんの若気の至りというか学生時の痛さ、弱さ、単純さの描写やストーリー展開はさすがです。
-
辻村深月の作品では、珍しいイヤミス
な雰囲気。
最後にキョウコと、カナを振っていた
理由が分かってスッキリした。
湊かなえに似た世界観の作品だった。 -
繋がっていくこの感じが好きだけど、途中でこんがらがってイマイチ入り込めなかった。感情の描き方はさすが辻村深月さんだった。
-
読んだ本 太陽の坐る場所 辻村深月 20240207
「高校卒業から十年。元同級生たちの話題は、人気女優となったキョウコのこと。クラス会に欠席を続ける彼女を呼び出そうと、それぞれの思惑を胸に画策する男女たちだが、一人また一人と連絡を絶ってゆく。~」本屋に積んであって、あらすじ読んでミステリーかと思って買ってしまった。
高校時代のある出来事をひきずった同級生たちの、叶わぬ夢や挫折、妥協、劣等感がキョウコを中心に暴かれていく。こういうのって、なにがしか身に覚えがあって登場人物同様に傷つくんですよね。そして、そのある出来事が何か、最後まで伏せられてるってところは確かにミステリーかも。そして、話しの中心は誰なのか。最後のどんでん返しもミステリー的なのかもね。
女性の描く学園もの(?)って、すんなりは共感できないんだけど、十年後の夢や見栄には共感しまくり。聡美や紗江子に共感しながら一緒に傷ついて、由希に肩透かしを食う。全てを傷心にまとめてしまわないところが巧み。
次は「かがみの孤城」か「傲慢と善良」か。おすすめあったら教えてください。
-
隣県育ちで東京住まいという舞台設定が、私自身の生い立ちとマッチしているだけに、よりリアルに想像することができたように思うが、何より高校時代のスクールカーストの関係と社会人になってからの関係の変化をベースとした展開には、途中で「そうだったのか」と気づかされることもあり、最初から最後まで集中して読めた。
-
面白かった!
最終章で誰が誰だかはっきり理解。
この人の話だったの⁉︎とビックリ。
騙されましたー!
登場人物それぞれの心情。
良いも悪いもすごくわかる。
人生意地汚い自分と正しい自分との戦い。
腹黒さがない人に心底憧れる。 -
読まず嫌いはよくなかったと実感。まさかのどんでん返しもあり、希望の持てる終わり方もよかった。
-
え、え、え?途中から違和感があったものの…でも再読はしなかった。どっちがどっちでも、ネタ以外に大きく引き込まれるものがなくて残念
-
新年1作目。辻村深月のことは全く知らなかったが、「桐島部活辞めるってよ」の話題の延長で同僚Mさんに勧められた。
共学の高校を卒業した20代後半の男女数人の同級生たちの群像ドラマ。それぞれが見栄や虚栄を張って過ごしている生活を複数の視点で提示。登場人物の名前の重なりを利用した小説テクニックが上手。話題の中心になる「清瀬」が登場しないとこらが「桐島」との共通点。
男子校に通っていた身としては、共学の高校は未知の環境でしかなく、「確かにこういう女子いた」的な感覚を共有できないのは残念だが、楽しめた。 -
辻村 深月の作品は大きく2つに別れれる。
10代思春期の心模様が多いけれど、最近は30代女性の心模様も描いているようだ。
前者の方が圧倒的に好き。
まぁ、NHKとかでドラマ化してるし、一読の価値はあるかも。
30代女性の心模様。イマイチピンと来ない。 -
叙述トリックはあるけどミステリーではない。そのバランスが良かった