廃墟に乞う (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 【133冊目】直木賞受賞作の短篇集です。佐々木譲氏は、「警官の血」が歴代小説ベスト10にも選出され、「笑う警官」等の道警を題材とした作品が目立つ作家さんです。
    犯人を探し、謎をとき、犯人を逮捕するという正統な警察手続きからはちょっとずれた視点から警官が事件を追うシリーズとしては「制服捜査」等もありますが、こちらの作品の方が作品の陰影が圧倒的。ヒーローではないんだけど、良い人で、有能。ものすごく掘り下げた主人公ではないにもかかわらず、仙道刑事はかなり魅力的でした。あと、山本周五郎賞を受賞するだけのことはあって、人生や人格を崩してしまうちょっとした事情を描写するのがうまい。
    北海道という舞台に「廃墟」という言葉を合わせてくるのも、個人的にはツボ。

  • 生れ故郷の北に大地をこよなく愛す著者の第142回直木賞受賞作。先日読んだ『暴雪圏』が日本における保安官物語なら、本作は私立探偵モノか。休職中の現役刑事が行く先々で事件に巻き込まれるという設定の連作集。一編当たりのボリュームの問題か主人公が解決者というよりも行きずりの傍観者のように見える。著者は事件より北海道の地方都市を描き分けたかったと書いているから確信犯か。悪くはないが直木賞受賞作とはとても思えない。受賞は本人も述べているとおり作家生活三十一年に対する勤続表彰であろう。次は大作『警官の血』に挑戦の予定。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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