ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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レビュー : 69
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感想・レビュー・書評

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  • 知人に薦められて読んだけれど、面白かったです。やはり人が面白く感じるものにはそれなりの理由がありますね。

    健康というものが唯一の価値基準になり、人類が画一化されていく設定は、AIが発達し、医療技術が進歩している現在の状況を鑑みると、妙にリアリティがありました。

  • ヒトの意識とは何か、心身関係はどうなっているのか、本能とDNAの哲学的な位置づけは。そんな問いかけにもかかわらず、それ専用の新書や文庫でより深くカバーできるので、小説を用いて問いかける意味がもっとあれば良かったのに。
    ストーリー。実は13年前自殺したと思われていた同級生は生きてました、壮絶な過去がありました、主人公の父親と人類存亡に関わる争いをしてます。世界系でありそうなプロット。
    世界中を舞台にして目まぐるしくシーンがかわる。サハラの紛争地帯、バクダットの研究施設、チェチェンの丘、何かの映画で見た映像の助けで初めてイメージできる。だから冒頭のぐにゃぐにゃ曲がるジャングルジムのある公園はイメージできない。

  • 1984的世界観かっこいい。平和とは。

  • たまには純SFしてみようと手に取った、初めての伊藤計劃先生作品です。

    「人は進歩すればするほど、死人に近づいてゆくの。/というより、限りなく死人に近づいてゆくことを進歩と呼ぶのよ。」(130㌻)
    《宣言》により迫るユートピアの崩壊。
    鍵を握る彼女は、13年前に”私”と自殺をした筈だった。

    事件発生からの疾走感が良かったです。止まりませんでした。間あいだ入るマークアップ言語が、無機質さを増幅させています。

    以前自分の中で哲学・脳科学本ブームが来ていたので、その辺りと関連付けたりして楽しめました。自由意志なんてないという説と、人類の存続には個人の意図なんて邪魔でしかないという思想が重なり合う時、では今我々が持つ――人類という個に邪魔になり得る――自我らしきものは何なのかと不思議な気持ちになります。

    読後いろいろと考えられる作品で面白かったです。

  •  映画から入って原作に手を出しました。若干のネタバレ含みますので未読の方は少し注意をば。
     アニメ『PSYCHO-PASS』も、まあ、多分に関係しているw
     映画を観たので粗筋はざっと理解していました。
     アニメ版を観たときには
    ・トァンは、ミァハには美しく在って欲しかった。ラストシーン、トァンが凌辱されたと知って、あのミァハが、となって、苦しくてつらくて、殺したのかと……
     思ったのですが、叶えてあげた、愛していた、でもあるから、苦しくて、は、色々な意味であったかもしれませんが、両想いだから、まあ、いいの、かなあ?
     ただ、まあ、うん、……エヴァみたいな、みんな一つに、は、出来たら理想だろうけど、個々がないわけで、そしたらこれが楽しいとかキライとか、そういうものもなくなるんだよなあ、それはちょっとなあ、と。

     ミァハが
    「兵士にやられてた」
    って吐き捨てるように言ったのに対して、ああこの子も生きてるの、って気がしないでもなかったんですけど、別に吐き捨てるように言ってるとは書いてないし、ミァハならただ淡々と説明してただけだよなあ、ってなり、ああやっぱりミァハはミァハだよなあ、ってなりました。
     あの意識のない風景に戻りたかったんだね、じゃあそれを奪うことは復讐だねとトァンは言ってたけど、……でも結局ミァハの望む世界は実現するわけだし、婉曲、湾曲した愛情表現、だよなあ。

  • ほとんど完全な健康が実現された社会。互いが互いを尊重し、思いやる社会。優しい世界。そんな世界に違和感を覚え、国家公務員となった一人の女性が主人公の物語。

    舞台となっている世界は今の社会と比べれば理想郷に近いものだけど、その均質さ、無機質さに若干の恐怖さえ感じられた。ストーリーも面白かった。

  • 伊藤計劃氏の、意識や脳の働きに関する考え方は興味深くて好きだ。
    根底にあきらめや絶望があるような雰囲気も。

  • 人がロボットに駆逐される話はあるが、人がロボット(=意志のないもの)になってゆく未来にはハッとさせられた。むしろこっちこそ起こり得る。正直最初はメンヘラ女子の茶番を見てる様で辟易してしまったが、中盤話が一気にスピードを帯びるあたりからラストまでのストーリー性・展開には舌を巻いた。最終的に読んで良かったと思えた。また新たな価値観をこの本からもらった。

  • サイコパス、攻殻機動隊が好きなら面白いに決まってるやつ

  • 私的には『幼年期の終わり』を彷彿させる、やるせない様な読後感。 『メタルギア ソリッド』もそうだったが、伊藤計劃氏の作品は、身体的な痛みとか、疼きとかを生々しく感じさせる読書体験がある。 身体・感覚からの解脱。その先にある虚無も、患っていた彼には見えていたのだろうか。

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著者プロフィール

1974年東京都生れ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』でデビュー。『ハーモニー』発表直後の09年、34歳の若さで死去。没後、同作で日本SF大賞、フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞。

「2014年 『屍者の帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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