- Amazon.co.jp ・電子書籍 (306ページ)
感想・レビュー・書評
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老いた執事が昔の輝かしかった人生を振り返る話
人生の夕暮れ時に日を名残むタイトルがおしゃれ
人生のピークがとうに過ぎていたとしても
1日で1番美しいのは夕暮れ時である詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イギリスの執事スティーブンスのこれまでの回想と現在のドライブ旅行の話。
回想多めだけど気付いたら読み進んでてびっくりした!想像以上に面白かった!
スティーブンスはなんて不器用なんだ…
でも執事という仕事に対して誇りを持って主人に忠誠を尽くしてる感じがカッコよかった!
品格とはどういうものか。。。哲学だなぁ
夕方が1日の中で1番いい時間だというセリフが心に残ってる
読んで良かった!!!! -
このさー、カズオ・イシグロのだんだん真実が明らかになっていくパターンの話だいすきなんよ。
最初は「執事」「ドライブ」「休暇」ってキーワードしかないのに、それが、道のりが進むにつれて徐々に肉づけされていって、事情や主人公の心のうちが明らかになるの、ずるすぎてめちゃくちゃ読み耽ってしまう。
最後の、小さな望みが打ち砕かれて、前を向いて歩きだす展開も最高。
最初からこうするしかなかった、けど背中を押すものがなかった、それを旅の先で見つけるとか、まじよすぎ。
読んでよかったありがとう。 -
実に上手い。古き良き英国の伝統。時代の移り変わり。心の移り変わり。いろいろあるがそれらをすべて含めての小粋な終わり方。均整のとれた上品なフルコースをいただいたような満足感。シェフの繊細さに舌鼓をうちました。
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再読。かなり前に読んだのだけれど、もうすっかり内容は忘れていて、ここ数年で「わたしを離さないで」「夜想曲集」を読んだとき、「日の名残り」も読み返したいなと思っていたけれどなかなか読めずにいて。
最近、イギリスのドラマ「ダウントン・アビー」にすっかりはまりまって、(まだシーズン1までしか見てないけど)で、イギリスお屋敷モノというか、執事モノというかつながりで、そうだ、今こそ「日の名残り」を再読しよう、と。
で、お屋敷とか貴族とかの話はあんまり関係なかったんだな、と。執事の話で。
執事という自分の仕事、生き方に誇りを持っている主人公が短い旅をしながらこれまでのことを思い出し、特に事件が起きるわけでもなく。かつて同じお屋敷で女中頭だった女性を訪ねた結末に、わたし、少しはドラマティックな展開があったかな、と、執事の心のうちだけでもなにか変化があったかな、と、思っていたんだけど、あれ、そうでもなかったか、と。
不思議になるくらい淡々とした感じ。もの足りない気もするんだけど、これがいいのかも、と。ひどく静かで淡々としているところがまた人生を思わせるというか、ラストはなんだか感動したり。
映画ももう一度見たくなった。 -
■評価
★★★★☆
■感想
◯執事として職人気質を信条に生きてきた主人公が、ある人に会うために旅に出た道中で、昔を思い返す物語。
◯矜持の一方、自分で整理できていないためらいや後悔がジワジワと香ってくるエモい系作品。 余韻が残る系の作品なので、読んで良かったなと感じた。
◯書いていることの裏側を想像することが楽しい。建前で進行していく物語の裏側を垣間見えたり、行動の原理を想像するのが面白い小説だった。 -
すごく綺麗で切ない恋愛が見れてよかったと思う。階級意識の終わりが切ない語り口調から感じられた。歴史はもう少し勉強しなければいけない
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2回目読了。
1度目同様、とてもいい本だと心から思える。他人に本を薦めることは、ほとんどないが、これは読むべきだと、そう思う。 -
ノーベル文学賞受賞をきっかけに読む。もともとの題名「The Remains of the Day」の方が中身をよく表している。最後はそのremainsから飛び出そうとする主人公を描いており、綺麗な終わり方だった。