わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) [Kindle]

制作 : 入江 真佐子 
  • 早川書房
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (537ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 探偵を主人公にロンドンと上海を行き交う物語。冒険・推理物にというよりは、イシグロカズオ流の信頼できない語手の手法を活かした思い出語り。子供時代の記憶に頼った「思い込み」と当時の大人が語る「真実」。聞かされる真実は切ない。
    イシグロカズオの作品は伏線を散りばめながら風呂敷を広げて最後のキーパーソンの登場で回収といった流れが多い。今回も構成は上手く練られていると思ったが、あまり引き込まれなかったのは「雰囲気」が足りなかったからかな。探偵というのも雰囲気を作り出すには難しい役だったかもしれない。

  • 過去とどのように向き合い清算していくのか。その謎を、探偵という仕事を通じて、主人公の追想との関わり合いの中で探って行くような内容です。小説というものは、本来エンターテイメントでできていて、そこがほかの書籍とは違うものなのだと気付かされました。ビジネス書などは最初から最後まで丁寧に読むものですが、小説はその箇所を切り取って読んでも面白いということに。
    場面場面が入れ替わり立ち替わり、過去と現在を行き来しつつ、運命に翻弄される主人公。それってこういうことだったんだと。真っ当な小説を読ませていただいた気持ちです。後半にある、主人公が危険に巻き込まれて、それでも進んで行く部分。なぜは書かれていないのですが、読んでいる人は分かる。そのために沸き起こってくる迫力がすごくて、主人公と一緒に空向いて泣いてしまいそうでした。いや、面白かったです。

  • kindle。初読。1回読んだだけではよくわからないところも多いので、しばらく寝かせてまた読もう。この本の登場人物にも、そして気が付かなかったけれど自分にも、「孤児だったころ」があったんだ。

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著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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