そして誰もいなくなった (クリスティー文庫) [Kindle]

  • 早川書房
4.06
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本棚登録 : 1716
感想 : 118
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感想・レビュー・書評

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  • (ネタバレなし)

    ボクは実用書、ビジネス書、自己啓発書を好んで読むタイプですが、
    ついに、「これからは小説も読みこんでいこう!!」
    と思わせられるような一冊と出会いました。

    それがアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」です。
    この本は世界中で翻訳されて読まれている。まさにモンスター級の名著です。

    最初は横文字の人の名前が10人出てくるのでなかなか覚えられなかったので、登場人物の欄を印刷して、名前が出てくるたびに人物像を見返していました。

    しかし、読めば読むほどその人の個性や生い立ち、人間性が見えてきて、後半は皮膚の温度や息遣いまでリアルに想像できました。

    感情の起伏も文章であれだけ表現されていると、もう怖くて怖くてたまらない。
    まるで登場人物の一人になったような陶酔感もありました。

    無人島に関しても、絵が上手なら鮮明にかけてしまうほど説明が上手です。

    小説のレビューは慣れていなくて駄文になってしまいましたが
    この本自体は名作中の名作ですので皆さんご覧あれ!!!

    • 雨宮さん
      アガサクリスティーに興味持ち始めたので、まずこの作品から読んでみようと思います。
      アガサクリスティーに興味持ち始めたので、まずこの作品から読んでみようと思います。
      2020/12/31
  • Audible利用(8h48m)
    2日で読了(1.1倍速)

    初めて読んだときは、すごくエレガントなミステリーだなと思ったのを覚えている。

    Audibleで再読してみると、紙の上の文字を追って読むのとはまた違った印象があり、狂気と緊迫と絶望の8時間をたっぷり味わった。夜中に1人で洗い物をしながら聴いていると、妙に背筋がぞくぞくして後ろを振り返ってみたり笑。

    読み終わってみれば、美しいほどに無駄のない展開に清々しささえ感じるものの、メンバーを殺す順番に込められた意図を知ると、それぞれの犯した罪とその背景をもう一度色々考え混んでしまう。私には罪の軽重なんてわからない。正義感と憎しみは同じくらい取り扱いが難しいと感じた。

  • TVでアガサクリスティーを深ぼる番組をやっているのをみて興味がわいて読んでみる。もともとミステリーには最近興味を持ち始めたからいいタイミング。世の中楽しみは次々に出てくるね。

    なるほどテーマは重いけれど、徹底したエンターテイメントで読みやすい。(文字でかいし)
    解説で赤川氏が書いている通り、これだけの人数が殺されているのに、陰惨さがなく「知的な娯楽」という点に、僕がミステリーが苦手だった理由が集約されている。人の死を娯楽にする際の姿勢が腹に落ちないのだ。キングや横溝のようにもっと抉って然るべきではないか?軽いゲーム的な扱いをすべきでは無いのでは?まぁ、これは読む人の死に対する向き合い方だから作品の評価とは関係ない。この作品を読んでわかったのは、未だに自分の死に対する向き合いかたは、昔より少し引いてみることができるようになったとはいえ変わっていないということか。その意味ではミステリは興味はあるが、得意な分野ではないという刺激的な位置付け。これから自分がどのように変わっていくのか興味深くもある。

  • どうせこの世に産まれてきたならこの超有名な本に手を出しておこうと思い読みました。

    現在の創作物に多大な影響を与えた小説なので、正直今読んでも既視感のある展開などはありましたが1930年代だと思うと化け物レベルです。
    そしてめちゃくちゃ無駄がないです。犯人もまったく予想つかず・・・。そりゃいまだに伝説扱いされる本だよねって思いました。

  •  二十何年かぶりの再読。初めて読んだときは、ものすごい衝撃を受けたなあ(しみじみ)。細かいことはともかく、だいたいどんな仕掛けのストーリーであるかは覚えていたので、あの時ほどの感動(?)はなかった。けれどその分、どうしてこんなに怖い、絶海の孤島に閉じ込められ人がバタバタ殺されていく話が、こんなに面白くてどんどん引き込まれてしまうんだろうと、そっちの巧みさを噛み締めながら味わうことができた気がする。
     例えば、これだけ登場人物が多くて、どの人が「被害者」とも「探偵」とも「犯人」ともわからない、つまり主人公不明の構成でありながら、ちゃんと感情移入しがいのある人物にうまいことさりげなくフォーカスを当てに行っているところなど。
     また、よく考えたら起こっていることはかなり凄惨で、「愛すべきキャラクター」みたいな人はひとりもいないというのに、小説としては上品さ、洗練性を保っているところも、すごい。書きようによっては、血みどろさ、暴力性、グロテスクさ、そっちの刺激を楽しむような作品にもなりそうなものだ。どっちが良いかは好みの問題で、この上品さを「ええかっこしい」「気取ってる」ととることもできる。でも私は、血しぶきや肉片ではない恐怖のほうを書きたかったのであろうクリスティさんの趣味が、好きだなあと思った。

     ところで実は、今回は好きな声優さんの朗読でオーディオブック化されていたものを聞いた。随分前に買っていて何度か移動中や就寝前に聞こうしたのだが意外と集中できず、初めから聞き直しで何度序文を再生したことか…。諦めかけていたところだったが最近ニコリ(パズル雑誌)を解きながら聞いてみたら、これがいける。脳の使い所的な相性が、こっちの方が良かったらしい。のってきてからは短い家事の時間も活用。ニコリありがとう。和彦さんありがとう。

  • 一人、また一人と死んでいく…「十人の小さな兵隊さん」の童謡通りに。犯人は誰なのか、どういうトリックなのか、先が気になり、あまり間を置くことなく読み切った。昔の作品だが大いに楽しめた。現代までのさまざまなミステリーの原点が、ここにある気がする。

  • 読んだ本にこれでもかと出てくる巨匠
    洋モノ初挑戦 登場人物の名前が頭に入らず読みにくいが
    トリックは流石 いまでも通用する衝撃

  • 評価3.3
    audible 8時間48分
    kindle 306ページ
     基本に帰ってアガサ・クリスティ。一回読んだかもと思ったがどうやら初めて。なんと1939年の作品らしいがあまり古臭さは感じない立ち上がり。10人が島の館に集められるというコテコテの展開もこれが最初かと思うと感慨深い。
     最近の作品と比べるとキャラクターの説明が薄いのか誰が誰だか分かりにくいが、2,3人死んで退出していくとつかみやすくなる。作中でもどうやら犯人はこの中にいるようだと気づいてくる。この時点では元からいた執事が怪しく見えるがその執事も。
     もはや予測もつけず次々といなくなる。最後にベラが残ったがまだなにかありそう。というかベラ自身も一人殺してるし。そしてベラも結局自殺することに。いくらなんでもちょっと出来過ぎで帳じり合わせて10人揃うことに。
     最後の謎解きは現代風に名探偵が行うのではなく後日の判事の置き手紙?によってなされる。確かに医者を仲間にすればこの展開があり得るか。
     基本の作品で楽しめたが最後の種明かしが若干もたついて退屈だったのが減点ポイントかな。邦題ではあるが題名はこれだけで独り立ちするほど秀逸であることを改めて確認できた。

  • 家に大量にあるアガサ・クリスティーの作品を手にとって読んでみようと思った最初の一冊。
    そして誰もいなくなった。
    次は犯人を当てたい。

  • 皆さんご存知のアガサ・クリスティーの代表作。孤島「兵隊島」に集められた10人はそれぞれ暗い過去を持っていた。そこで始まる兵隊さんの童話に沿った殺人事件。計画した犯人「オーウェン」は誰か。最後に生き残るのは・・・・。予想を裏切る結末と法で裁かれない人への裁きというテーマが興味深かった。

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