- Amazon.co.jp ・電子書籍 (103ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
被爆10年後の広島と、現代に生きる被爆二世の物語。何度か読み返して、しみじみ来る作品と思った。スクリーントーンを使わず、線描が中心なので、素朴。絵の迫力ではなく、ストーリーで迫ってくる。原作のナウシカに似ているように思える。
原爆の凄惨な描写はなく、声高で押しつけがましい平和主義も、うんざりするような左イデオロギーもない。ただ、被爆者の日常が描写され、後日談が淡々と語られる。戦争直後の話だけでなく、21世紀のストーリーを加えているところも秀逸。
父方が山口県瀬戸内出身なので、広島弁には郷愁を感じる。僕が生まれたころは、原爆スラムが残っていた。新幹線は開通したてで不便だったのか、宇品港から帰省していたことを覚えている。そこに生きていた、広島弁をしゃべる人々が、かつて塗炭の苦しみを味わったことを忘れたくはない。 -
広島の友人がオススメしてくれた、広島出身のこうの史代さんの作品。ほのぼのとした温かい絵柄でありながら、ずっしりとした物語に涙が止まりませんでした。
てっきり、作者は身近にそういった被爆体験を見ている方なのだと思ったら、そうではないとのこと。それが信じられないほど、心に重く響く作品でした。最後に参考文献がずらりと並んでいます。解説も必読。
あとがきに、とても心を動かされました。
「しかし、東京に来て暮らすうち、広島と長崎以外の人は原爆の惨禍について本当に知らないのだという事にも、だんだん気付いていました」
「遠慮している場合ではない、原爆も戦争も経験しなくとも、それぞれの土地のそれぞれの時代の言葉で、平和について考え、伝えてゆかねばならない筈でした」
これは本当にそうなのだとしみじみ感じています。経験した世代はいずれいなくなってしまうのですから。
でも、広島に住み始めて一年にもならない私は、やっぱり何かを感じても言葉にすることにためらいがあります。そして、震災のときにも同じような気持ちを感じた人はたくさんいただろうと思います。分かろうとする思いと、分かったふりなどできないという後ろめたさ。
同じ時代、同じ土地に生きていたって、経験など皆ちがう。本当は、それぞれの立場で考え、言葉にしていいはずなのだけれど、それにはとても勇気が要る。まして、こんなふうに作品として世に出すならば。そういうことを含めて、すごい作品だと思いました。たくさんの方に読んでもらえたら、と願います。 -
怒りが通奏低音の様に物語全編に満ちている様に淡く感じるが、語られている物語はと言えば市井の人々の慎ましくもあたたかな感情が行き交う日常生活。このギャップと言うか二重構造が、読む者をぎゅっと苦しい悲しみに誘い、読みたい様な読みたくない様な距離感でこの作品と接しながらもずーっと頭に居残る強烈なインパクトを読者に与える続ける。
日本人なら読んでおいた方がいいと思うし、そろそろアメリカにこの悲しみを正確に理解させた方がいい。
-
広島の、原爆のお話。
直接的な表現じゃないからこそ、逆に心に響くエピソードの数々が、淡々と、でもしっかりと、描かれていた。
憎しみや悲しみみたいにひとことでは決して表現できないような心情が、訴えてくる。伝え方のうまさに脱帽せざるを得ない。 -
蜀崎ェュ縲ゆス募コヲ隱ュ繧薙〒繧?隧ア縺ョ譛?蠕後?譁ケ縺ョ縲後∪縺滉ク?莠コ谿コ縺帙※貅?雜ウ?溘?阪∩縺溘>縺ェ繧サ繝ェ繝輔′蠢?↓谿九k縲ゅ♀縺昴i縺上%縺ョ繧サ繝ェ繝穂ク?逕溷ソ倥l繧峨l縺ェ縺?s縺?繧阪≧縺ェ縲
-
絵柄も可愛く、結構淡々と描いているけれど、かなり重い話。
メインは原爆症の女性から始まり、その周りの人を描いていく。 -
戦後10年経っても牙を剥く、原爆の恐ろしさがよく伝わりました。
-
再読、涙なくして読めない。
忘れちゃいけない。