イニシエーション・ラブ (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 80年代ですねー。
    懐かしい時代の恋愛小説という感じで楽しく読みました。
    最後に大どんでん返しがあって思わず二度読みしたくなる。

  • キャッチコピーは
    『「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。僕がマユに出会ったのは、人数が足りないからと呼びだされた合コンの席。理系学生の僕と、歯科衛生士の彼女。夏の海へのドライブ。ややオクテで真面目な僕らは、やがて恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説──と思いきや、最後から二つめのセリフ(絶対に先に読まないで!)で、本書はまったく違った物語に変貌してしまう。』

    淡々として、あまり起伏のない盛り上がりに欠ける恋愛ストーリーだなあ、とパッパッと読み飛ばしてはいけない作品です。ストーリーはカラクリ屋敷のようになっているのです。

    ちなみに、80年代の記憶が鮮明に残っていて、さらに『男女7人…』『BOØWY』などをよく知っている世代なら楽しめても、逆に若い人にはわかりにくいかなあ、と思いました。
    例えば
    免許をとって、私が車を買い換えていく中、カーステレオは、カセットテープ→CD→今やBluetooth! と移り変わっています。カーステレオのカセットテープはなんというか、時代を感じます。当時のヒット曲が、小説各章のタイトルになっています。
    そして、携帯電話がない公衆電話の時代、テレフォンカードの度数が少なくなっていく描写も、すごくよく分かりました。
    国鉄民営化してJRになったのもこの頃なのか、と思い出しました。

    ネタバレになりますが、side-Aとside-Bで、「違う人っぽいな」というのは感じると思います。そして私は、最後のセリフで、「おおっ」と唸ることになりました。
    伏線のつながりを理解するには、時系列の整理が必要です。
    そこで、究極のネタバレサイトのご紹介です。
    『ゴンザの園』さん! イニシエーション・ラブ解説サイトと呼ばれているそうです。

    イニシエーション・ラブの舞台は静岡市。
    とても親近感がわきます。なぜなら、私の息子は静大卒だからです。
    80年代の静岡市と現在の静岡市では、だいぶ様変わりしているかもしれません。
    静岡市、いいところですね。海岸沿いの道路を車で走りながら、いきなり左手に巨大な富士山が姿を現した時は、とても感動したのを覚えています。右側に海、左側に富士山なのですから。
    そして、なんと言っても、『さわやか』と『ジャンボエンチョー』です。

  • 『2回読みたくなる本』で必ずと言っていいほど名前が上がってる。
    ずっと前から気にはなってたのを遂に読んだ!!

    SideAとSideBに分かれてること(カセットテープだな)、昭和・・じゃないか?ギリ昭和?古い曲名が並んでいる・・少し昔の話?と思いつつ。
    ちなみに私は国鉄民営化した1987年は10歳だった。平成元年が1989年らしいのでギリギリ昭和じゃないのか。どんどん合コンとかテレカとか出てきたけどそれは私にとってはオトナの世界の話であり、あまり時代的な実感はなかった。
    奥付見たら書かれたのが2004年・・時代背景がケータイ以前だとわかると意図的なトリックなのかもしれないと思うようになった。

    結論から言うと全く気づけなかったwwww
    ラスト2行読んでも「え?こんな名前じゃなくなかった?」ていう程度www
    SideBで人格が変わったとは思えなかった。彼女できて、就職して、人間的に成長して性格も変わったんだなーくらいにしか。。っていうか後半「前みたいに」暴力ふるってしまうとか車で送迎するとか(車持ってなかったよねSideAのスーさんは)、後で考えるとおかしいところは多かったんよな。。あと日本人の名前で多い苗字とかヒントはあちこちにあったんよな。

    SideBのスーさん、随分簡単に二股かけちゃうんだなと思ったけど、実際、あの時代のトレンディドラマってそうだったじゃない?辛いことあると簡単に友達のカレシと寝ちゃったりとか、それで泥沼になったりとか?だからへぇーくらいにしか思ってなかった。

    で、じゃぁマユの言動をAとBに当てはめて同時進行と考えてみると、何か・・生々しいんよね・・SideAの最初の時を見るに、Bのスーさんも1回目は同じ展開だった(挿入を延期した)、そのあたりマユのしたたかさというか醜さが際立ってしまってすごくいやらしい(生理的嫌悪のほうね)。。。。。
    でも、昭和の時代の生々しさが垣間見える(昭和に失礼)

  •  タイトルの意味もわからず、話題作になっていたという理由だけで読んでみたいと軽く考えていて、表紙のイラストで「すれたカップルの物語だとイヤだな」となんとなく思っていたことで、中々読む優先順位が上がらずにいた本著。
     奥手の大学生がたまたま誘われた合コンで知り合ったピュアな感じの女性と知り合って、結ばれて、永遠の愛を感じて・・・社会人になり恋愛に慣れて、他の女性に目移りし・・・という感じのどこにでもある恋愛小説(それだけでも面白かったです)かとおもいきや、これは読者は必ず騙されますね。
     著者は名前からして女性だと思い込んでいたのですが、セックスに関して男性にしかわからない感覚?の描写が多くてアレっ?て思っていたら、なんと男性でした。
     ストーリーもラストシーンでたぶん皆さんアレっ?てなります。そこからミステリー?を読み解くために二度読みが始まります。
     そして解き明かした時に「女性は怖っ!」って思います(笑)

  • 読み始めると、いろいろな描写で微妙に過去であることに気づく。書かれたのが2000年以降とするなら、ワープロの生産は終わっているし、PCの型が古すぎる。
    1990年くらいの話になるのではないか?
    これが仕掛けになっとるのかな?

  • 普通に面白い恋愛小説として読み進めたら最後の2行でゾワッ…!としました。

    振り返ってその意味を理解した時、この本の本当の面白さに感動した。

  • どんでん返しのために書かれたような作品。
    わかった上で2回目を読むと、恋愛ものとしては共感できることが少ないので感情移入できず、単なるカップルの愚行を描いただけに感じた。

    ただ、どんでん返しのための表現や手法はすごいと思ったし、テンポもよくて読みやすく、一気に読みできたので星は3つ

  • 恋愛

    背表紙に書かれた「最後から二つ目のセリフ」とはなんだろうと色々予想しながら読みました。

    side-Aの話が爽やかな話に対し、
    side-Bが暴力的な話で不快だった。

    話の内容は薄く、書き方がトリッキーな小説。

    2度読みたいとは思わないかな。

  • ずっと違和感感じてるのに、読み終わっても???の状態。
    解説読んでようやく話が繋がりました。

  • 最後まで読んでも、???ってなったけど、分かったらもう一回読み直したくなった!
    ドラマだとすぐこのトリックに気付くんじゃないの?って思ってしまうけど、どうなんだろう。
    生々しい描写が多くてちょっとひいてしまうし、特にその描写が伏線になってるわけでもないし、作者さんの趣味?

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著者プロフィール

静岡県大学理学部卒業。1998年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。著者に『イニシエーション・ラブ』、『スリープ』など。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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