姑獲鳥の夏(2)【電子百鬼夜行】 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 長い話だったので少し冗長に感じた。若干フィクション味の強いミステリーであるものの、常に主人公の視点から描かれているため没入感があり良かった。

  • ずいぶん昔に読んだのだけれど、最近「鉄鼠の檻」を読み直したり「絡新婦の理」を読んだりしたところ、どうしても最初から読み直したくなったのである。

    シリーズの始まりにふさわしい名作ですわ。

    『闇の黒地に星型が浮んだ。晴明桔梗だ。あの提灯だ。雨に煙る眩暈坂に、異様な風体の男が浮き上がる。番傘。墨で染めたような真っ黒い着流し。薄手の黒い羽織には矢張り晴明桔梗が染め抜いてある。手には手甲。黒足袋に黒下駄。鼻緒だけが赤い。  京極堂だ。』(本文より)

    くー!かっこいいですな。

    『仮令、想定される対象が自分だけであろうと何であろうと、読むことを前提とせずに書かれる文章などはこの世にあり得ないのだ。』(本文より)

    これは蓋し名言であろう。

    関口巽先生ったら、良い人たちに囲まれて幸せ者だよな。

  • この世に不思議なことは何もないのだよ

    普通のミステリだったら、無理があるとか力技とか言われそうだけど、時代背景と、圧倒的な脳の仕組み考察、世俗風習などを念入りに丁寧に前提描写してきたおかげで、自然に受け入れられる!

  • kindle unlimitedにて。
    衝撃の真相。
    主人公に何かあるとは感じていたが、「語り手である主人公」というものが、いつもいつも客観的に冷静に事件を見ているわけではない事に気づかされる。

    全編通して夢うつつのような、高熱のさなかに見る夢のような情景が頭の中に鮮明に浮かぶ。

    映画化されているので、観たくなった。

  • 何度も読んでも、ゾワリとする。薄暗い、気味の悪い建物、真っ黒な出たちの京極堂。少しおかしくなっている関くん。白い花。ホルマリン漬け…
    木場修がいささか乱暴に現実に戻してくれるのだけれど…やはり、ダークでなぜかどこか現実離れして、不思議な感じがする。後味の悪い事件。少しずつ暴かれていく真実。知らない方がいいこともある、と京極堂が言う。
    最後の真夏の眩暈坂で雪絵さんと千鶴子さんに会えて、ああ現実に帰って来たと思う。
    そしてまた、夏が来るとこの物語を読みたくなる。

  • 10年くらい前に京極堂にハマり、百鬼夜行シリーズはすべて文庫で読んだが、今回は kindle で再読。
    2回めなので結構冷静に読めたが、京極さんってすごく文章力があるなぁ、が今回の感想。
    百鬼夜行シリーズの kindle本を全巻揃えるか思案中。

  • 思っていたよりすんなりと読み終わったのはコミックでそれぞれのキャラクターが固定されたからかな(笑)再読なので期待通りの京極ワールド楽しめました(^◇^)まだまだ続く京極堂祭り(ノ´∀`*)

  • 信用できない語り手のおかげで、現実なのか夢なのか妄想なのかわからず不穏な状態でもやもやを引きずりながら読む。
    途中からマンガの方を買い、読み終わってから小説に戻ったため、ミスリードされている関口にイライラしたり、不憫に思ったりし、最後に解放された時はほっとした。

    設定をモリモリに盛り込んでいるにも関わらず、破綻することなく綺麗に収まり、その先に続く伏線(最初からのちの小説で書かれる予定だったのか、そうでないのかは不勉強にて分からないが)まで入れ込み、驚異的な筆力に圧倒されるしかなかった。

  • とにかく好き。
    単純な伏線の回収ではなくて、一つのものをいろんな角度の視点や解釈をしながら読める本だと思う。
    夢、現実、幻想をコロコロ変えながらみせてくれる。でも終着点は一緒。その面白さが半端ない!!

  • 今となっては普通の体外受精。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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