有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER S&M (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 2017.6.2再読了。

    最初から夢中でのめりこんでしまい、最後は我慢できなくて会社のトイレで読み終えました。本当に面白かった。4月から読み直していたS&Mシリーズが終了したのでいったん森博嗣作品の再読はおしまい。

    「人格が混ざっていない。人格だけじゃない、すべての概念、価値観が混ざっていないのです。善と悪、正と偽、明と暗。人は普通、これらの両極の概念の狭間にあって、自分の位置を探そうとします。自分の居場所は一つだと信じ、中庸を求め、妥協する。けれど、彼ら天才はそれをしない。両極に同時に存在することが可能だからです」
    「一瞬、背筋が寒くなり、自分が今の話に感動していることがわかった。混ざっていない?同時に存在する?」
    「子供で夢を見る親は、もう『親』という生きものだ。それは人間の生を放棄している。ついつい人は、そうした装飾に包まれた安楽を望むもの。何故か?それが楽だから。子供に夢を託した方が、自分が夢を実現するよりも楽だからだ。」
    「私の夢を見るのは、私だ。」
    「半分怒って、半分嬉しいのならば、プラスマイナス・ゼロになる、わけではない。両者のベクトルは一直線上にはない。ベクトルは足し合わされ、平行四辺形の対角に伸びる。」
    「『面白かったね』洋子が萌絵に囁いた。こういうとき、当たり前のことを言うのが彼女らしい。とても優しい証拠だ。」
    「誰も、号令をかけない。誰も、ほかの自分を見ない。これが、自分の特性だと、犀川は知っている。…みんな、一つの自分しか持っていない。みんな、自分を一つにしようとしている。それが当たり前だと思っている。」
    「同じ原理なのに、あるときは連続音として、あるときは優雅な点滅として認識されます。点滅の周期が短くなれば、蛍光灯のように、一定の明かりに見える。それでは、私たちの生命はどうかしら?」
    「生命もまた点滅を繰り返しているのよ」
    「生きたり、死んだり、の点滅を繰り返す…ずっと生きている、という幻想を、抱きながら…」
    「貴女は、両親の死に起因した破滅的な記憶を、私、真賀田四季の印象によって転嫁し、無意識のうちに封印している。でも、本当は、そのプロトコルは最初は、犀川先生だった。自己防衛の手近な手段として、貴女は、人の死に接する自分の感情を、闇雲に遮断しようとしている。…そのポジティブな極に犀川先生を配し、それが不完全と思われると、一方のネガティブな極に私を配した。西之園さんの中で、犀川先生と私は、プラスとマイナスなのです。貴女はその二極システムで、感情のバランスを保持している。」
    「今日は考えるのはよそう、などと考えるときには、しかし、考えてしまうものだ。音楽を聴きながら、やがて音楽を聴かなくなる。生きていると、やがて生きていることを忘れるように。」

  • S&Mシリーズ Vシリーズ 四季シリーズ Gシリーズ 百年女王シリーズ Wシリーズの3冊まで読んでから 真賀田四季が気になりすぎで 電子書籍にてS&Mシリーズを再読してました!
    真賀田四季の人間性を 改めて実感した一冊
    そして Wシリーズの続きに戻る予定が…Gシリーズ 再読に踏み切ろうかと…(笑)

  • S&MシリーズNO.10
    最後の作品です。
    登場人物に真賀田四季とあり、ワクワク感が止まりませんでした。
    シリーズを読んできた方はとても楽しめる作品になったと思われます。
    あの方が少し変わったのは双子の影響があるのでしょうか?
    うーん、さらに続きが気になりますなぁ。

  • 10年以上ぶりの再読。面白い。
    今にしてみるとIT技術系の時代設定がわかりにくい。携帯はあるけどメールできないとか。

  • 瀬戸千衣!!そうだったのか...
    これでS&Mシリーズも見納め.
    真賀田四季が絡むと,どうしても表現や会話が哲学的というか抽象的というか概念的というか,具体性を廃したやりとりが展開される.
    それはそれで面白いし,他作品との繋がりも出てきたりして,個人的には大変楽しく読めた.

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