- 新潮社 (2012年1月20日発売)
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感想 : 28件
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みんなの感想まとめ
美術の世界を舞台にしたミステリーが展開され、特に20世紀初頭の印象派画家アンリ・ルソーの代表作「夢」を中心に、彼の人生や周囲の人物との関わりが巧みに描かれています。著者の深い知識が活かされ、作品の背景...
感想・レビュー・書評
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『たゆたえども沈まず』で著者の美術系小説面白い!となったので手に取った本。
1枚の絵、1人の画家からここまで話を構築できるのはやはり凄い。まるでその時代の雰囲気を感じ取れるようで、これこそ読書の醍醐味だなぁ、と思わせてくれる。
『たゆたえども沈まず』でもそうだったけど、ど素人の自分でも美術史に興味が湧いてくるのは作者の手腕の賜物。
反面、現代の登場人物の扱いは少し雑だったかも。ティムと織絵の関係性が短期間で進みすぎたし、織絵の娘にももっと役割があると思っていた。構成上仕方なかったのかもしれないけど、もう少し尺が欲しかったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたしは美術に詳しくなくて、ルソーの「夢」とかネットで検索しながら読んだくらいだけど、すっごくよかった! おもしろかった、感動した!
とくにルソーやピカソの姿を描いた部分がすごくいきいきとしてて、ルソーやピカソをすごく身近に感じられるのがすばらしい。もっと彼らのことを知りたくなる。(でも解説書とか読んでも内容が頭に入らないんだよね。こういう上手な小説仕立てにしてもらうとすごくおもしろく読めるのに)。
見つかったルソーの絵の真贋や、謎のコレクターや、そうしたミステリっぽいストーリーにもわくわくして、最後に謎が解かれたとき、安易かもしれないけどわたしとしては、ああそういうことなんだとものすごく納得して、カタルシスめいたものを感じたほど。
同時に、情熱を持つこと、だとか、「この一瞬に永遠を生きる」だとか、ロマンティックな感じもなんだかすごく心にしみて。
織江やティムの個人的な話についてもっとふくらませて長い小説にしてもよかったかも、とかまで思ったり。
読後感もすごくよかったし、こういう小説もっと読みたい。
原田マハさんの作品読むのはこれがはじめてで、このあと、絵画をモチーフにした短編集は次に読みたいけど、ほかの小説はどうなんだろう。-
初めまして。
原田マハさんの作品にはあまり外れは無いと思います。
絵画関係以外でも、「本日は、お日柄もよく」「キネマの神様」、或いは最新...初めまして。
原田マハさんの作品にはあまり外れは無いと思います。
絵画関係以外でも、「本日は、お日柄もよく」「キネマの神様」、或いは最新作「総理の夫」などもなかなかの秀作です。
是非、お読みください。2013/09/02 -
>koshoujiさま
コメントありがとうございます。
そうなんですね! ほかのおすすめいただいた作品もこれから読んでみます。>koshoujiさま
コメントありがとうございます。
そうなんですね! ほかのおすすめいただいた作品もこれから読んでみます。2013/09/03
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20世紀初頭の印象派画家、アンリ・ルソーの代表作、「夢」を主題に展開していくミステリー。スリリングな展開も去ることながら、著者のキュレーターとしての知識に裏打ちされた、作品の背景、作者ルソーの人生、ピカソやマリーローランサン、アパートの住人達と彼を取り巻く人々との関わりを通じた、印象派勃興機のフランスの美術シーンを理解出来ることが本書の最大の魅力であろう。ある意味、美術史の歴史小説とも言える。この本を読んで、ルソーという画家に関心と愛情が湧き、印象派の画家たちについてもっと知りたいと思った。
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アンリ・ルソーの最後の作品「夢」と対になる幻の作品「夢をみた」の真贋をめぐって、MoMAアシスタント・キュレーターのティム・ブラウンと日本人研究者の早川織江の2人が競うミステリー仕立ての物語。普段あまり関わりの無い美術関連の仕事(キュレーター・監視員・新聞社・コレクター・画家)が描かれていて興味深かった。
面白くて一気読み。そして読み終わった後に、無性に美術館に行きたくなる本。-
2014/05/10
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ご指摘ありがとうございます!すみません。本当に「無償」じゃなくて「無性」ですね。タイピングミスお恥ずかしいです><ご指摘ありがとうございます!すみません。本当に「無償」じゃなくて「無性」ですね。タイピングミスお恥ずかしいです><2014/10/15
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ティムと織絵の物語とルソーの物語が入れ子になっているんだけど、単なる「劇中劇」という構造じゃない。ルソーの物語がなければこの小説は成り立たないし、かといってルソーの物語だけでは単純すぎて面白くもなんともない。メインはたぶんルソーの物語なんだけど、二人が解かなければならない謎がからまっている。これだけの構成を作り上げるのはすごい力量だなと思う。
とはいえ、ルソーの絵はあんまり好きじゃないので(葉っぱだけはすごいと思う)、二人がこんなに肩入れするのとか、ヤドヴィガがだんだんルソーの絵に影響されていくのを読みながら「ふうぅーん」という感じ。どうも私は、愚直に理想を追い求める人の話はつまらない。それよりも絵を奪おうとして暗躍する人たちの話の方が面白そうだなあと思ったりして。なんか、すみません。 -
面白かった。
絵をテーマにしたストーリーを文字だけで表現していて、しかも小説でないと表現できないものになっている。
著者の作品を読んでから実際の絵を鑑賞すると楽しい。 -
20世紀初頭の印象派画家、アンリ・ルソーの代表作、「夢」を主題に展開していくミステリー。スリリングな展開も去ることながら、著者のキュレーターとしての知識に裏打ちされた、作品の背景、作者ルソーの人生、ピカソやマリーローランサン、アパートの住人達と彼を取り巻く人々との関わりを通じた、印象派勃興機のフランスの美術シーンを理解出来ることが本書の最大の魅力であろう。ある意味、美術史の歴史小説とも言える。この本を読んで、ルソーという画家に関心と愛情が湧き、印象派の画家たちについてもっと知りたいと思った。
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美術館行きたくなる。
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この物語は、アンリ・ルソーをこよなく愛する二人の研究者、ティム・ブラウンと早川織絵が、非公開のルソー作品の真贋鑑定を依頼され、7日間を競い合うという物語です。
ティムはMoMAのキュレーター(学芸員)、織絵は新星の研究者、彼等がルソーに魅せられる理由は、子供の頃に受けた感動と衝撃が原点であり、最早理屈を越えています。時にはルソーを「友」と呼び、ひたむきに愛し続け、ルソーの真価を世の人々に知って欲しいと願っている。そんな彼等の言葉を通して、作者自身のルソーへの思い入れがひしひしと伝わってきます。
絵を鑑賞する、絵を好きになる、それは心の底からわき起こる感動そのものなんだ、と読者に語りかけてくれているようで、大いに共感を覚えました。
が、物語の方は正直期待外れでした。
別につまらなくはないのですが・・・何となく先が読めてしまう展開だし、全体的に緊張感が欠けていて、人物造形や心理描写も軽いし浅い。
サスペンスとしても、人間ドラマとしても、また、ラブストーリーとしても消化不良な作品。
特に若き日の織絵に何も魅力を感じなかったので、何故ティムがあそこまで心惹かれたのか、未だに腑に落ちません。 -
面白かった。
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面白くて止まらなくて一気に読めるのは間違いなし。
この方の作品を読んだのは「本日は、お日柄もよく」につづいて2作目なのだけどどちらもちょっとだけ惜しい気がする。
編集者とあと何度かの推敲をすればもっとよくなったんじゃないだろか。現代の編集者はそんなことしないんだろか。 -
ルソーをテーマにした小説なんて、今までなかったですよね。大好きな画家なんで、感謝です。重厚でペダンチックな小説かと思いきや、軽めで読者対象を広くとっていますね。
作中小説に出てくるジョゼフには存在感を感じました。所謂、魅せられた人って、こうなるんですね。
ただ、7日かけて読む理由とか、読書以外鑑定の時間の緊迫感の無さとか、ツッコミどころの多い小説でした。
でも大事にしたいジャンルなので、次回テーマ「貴婦人と一角獣」に期待したいと思います。 -
絵画に疎いながらも、1枚の絵に込められた謎を解き明かしていく過程に引きこまれてしまう。
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人が人として生きてゆく上で最も大切でかけがえのないもの、それは情熱。40歳を過ぎてから憑かれたように絵に取り組み始めたアンリ・ルソー。稚拙だ素人だと嘲笑されながら、たゆむことなく極貧の中でひたむきに描き続けた。そのルソーを支えた隣人夫婦、そしてその才能を見抜いて応援した若き日の天才ピカソ。そんな昔日の物語とルソー作品の真贋、価値をめぐる現代の物語がひとつにつながった時に奇跡の物語が生まれる。
スイスの絵画コレクターであるコンラート・バイラーの元へ呼び寄せられたルソー研究第一人者の若きティム・ブラウンとオリエ・ハヤカワ。ルソー晩年の大作「夢」と瓜二つの幻の作品「夢をみた」の真贋鑑定の勝負を依頼される。講評が正しいと判定された方になんと300万ドルといわれる作品の取り扱い権が譲渡される。期限は一週間。その間にルソーにまつわる謎めく物語を読まされ、そして考える。最晩年のルソーの前にあるまっさらなカンヴァスとピカソの青い母子像が描かれた同じ大きさのカンヴァス。そのどちらに彼は「夢」を、そして「夢をみた」を描いたのか、描かなかったのか。果たして幻の大作の真贋は...。
ルソーの最晩年の絵に賭ける情熱の物語を読んだ後に、その圧倒的な情熱がほとばしる作品を前にして、いったい人は何を語れるだろう。講評勝負は意外な方向へと収束するが、真贋、価値、そんな歪小な事実ではなくそれを超越したもの、人が人生を賭けた真実こそが尊いのだ。老ルソーの情熱、そのルソーを心から愛するバイラーの、ティムの、オリエの情熱、それらが渾然一体となる感動の終章。涙が止まらない。
音楽はともかく美術に関してはまったく無知なぼくでも十分楽しめる。単なる知識の羅列ではなく、人間の熱い思いがひしひしと伝わってくるからだろう。うまく書けているティムに比べるとオリエの影がやや薄く、魅力が今ひとつ書ききれてないのが少し残念かな。でも文句なしの好作、読んで絶対損はないと思う。
著者プロフィール
原田マハの作品
