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感想・レビュー・書評
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『たゆたえども沈まず』で著者の美術系小説面白い!となったので手に取った本。
1枚の絵、1人の画家からここまで話を構築できるのはやはり凄い。まるでその時代の雰囲気を感じ取れるようで、これこそ読書の醍醐味だなぁ、と思わせてくれる。
『たゆたえども沈まず』でもそうだったけど、ど素人の自分でも美術史に興味が湧いてくるのは作者の手腕の賜物。
反面、現代の登場人物の扱いは少し雑だったかも。ティムと織絵の関係性が短期間で進みすぎたし、織絵の娘にももっと役割があると思っていた。構成上仕方なかったのかもしれないけど、もう少し尺が欲しかったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたしは美術に詳しくなくて、ルソーの「夢」とかネットで検索しながら読んだくらいだけど、すっごくよかった! おもしろかった、感動した!
とくにルソーやピカソの姿を描いた部分がすごくいきいきとしてて、ルソーやピカソをすごく身近に感じられるのがすばらしい。もっと彼らのことを知りたくなる。(でも解説書とか読んでも内容が頭に入らないんだよね。こういう上手な小説仕立てにしてもらうとすごくおもしろく読めるのに)。
見つかったルソーの絵の真贋や、謎のコレクターや、そうしたミステリっぽいストーリーにもわくわくして、最後に謎が解かれたとき、安易かもしれないけどわたしとしては、ああそういうことなんだとものすごく納得して、カタルシスめいたものを感じたほど。
同時に、情熱を持つこと、だとか、「この一瞬に永遠を生きる」だとか、ロマンティックな感じもなんだかすごく心にしみて。
織江やティムの個人的な話についてもっとふくらませて長い小説にしてもよかったかも、とかまで思ったり。
読後感もすごくよかったし、こういう小説もっと読みたい。
原田マハさんの作品読むのはこれがはじめてで、このあと、絵画をモチーフにした短編集は次に読みたいけど、ほかの小説はどうなんだろう。-
初めまして。
原田マハさんの作品にはあまり外れは無いと思います。
絵画関係以外でも、「本日は、お日柄もよく」「キネマの神様」、或いは最新...初めまして。
原田マハさんの作品にはあまり外れは無いと思います。
絵画関係以外でも、「本日は、お日柄もよく」「キネマの神様」、或いは最新作「総理の夫」などもなかなかの秀作です。
是非、お読みください。2013/09/02 -
>koshoujiさま
コメントありがとうございます。
そうなんですね! ほかのおすすめいただいた作品もこれから読んでみます。>koshoujiさま
コメントありがとうございます。
そうなんですね! ほかのおすすめいただいた作品もこれから読んでみます。2013/09/03
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20世紀初頭の印象派画家、アンリ・ルソーの代表作、「夢」を主題に展開していくミステリー。スリリングな展開も去ることながら、著者のキュレーターとしての知識に裏打ちされた、作品の背景、作者ルソーの人生、ピカソやマリーローランサン、アパートの住人達と彼を取り巻く人々との関わりを通じた、印象派勃興機のフランスの美術シーンを理解出来ることが本書の最大の魅力であろう。ある意味、美術史の歴史小説とも言える。この本を読んで、ルソーという画家に関心と愛情が湧き、印象派の画家たちについてもっと知りたいと思った。
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アンリ・ルソーの最後の作品「夢」と対になる幻の作品「夢をみた」の真贋をめぐって、MoMAアシスタント・キュレーターのティム・ブラウンと日本人研究者の早川織江の2人が競うミステリー仕立ての物語。普段あまり関わりの無い美術関連の仕事(キュレーター・監視員・新聞社・コレクター・画家)が描かれていて興味深かった。
面白くて一気読み。そして読み終わった後に、無性に美術館に行きたくなる本。-
2014/05/10
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ご指摘ありがとうございます!すみません。本当に「無償」じゃなくて「無性」ですね。タイピングミスお恥ずかしいです><ご指摘ありがとうございます!すみません。本当に「無償」じゃなくて「無性」ですね。タイピングミスお恥ずかしいです><2014/10/15
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ティムと織絵の物語とルソーの物語が入れ子になっているんだけど、単なる「劇中劇」という構造じゃない。ルソーの物語がなければこの小説は成り立たないし、かといってルソーの物語だけでは単純すぎて面白くもなんともない。メインはたぶんルソーの物語なんだけど、二人が解かなければならない謎がからまっている。これだけの構成を作り上げるのはすごい力量だなと思う。
とはいえ、ルソーの絵はあんまり好きじゃないので(葉っぱだけはすごいと思う)、二人がこんなに肩入れするのとか、ヤドヴィガがだんだんルソーの絵に影響されていくのを読みながら「ふうぅーん」という感じ。どうも私は、愚直に理想を追い求める人の話はつまらない。それよりも絵を奪おうとして暗躍する人たちの話の方が面白そうだなあと思ったりして。なんか、すみません。 -
面白かった。
絵をテーマにしたストーリーを文字だけで表現していて、しかも小説でないと表現できないものになっている。
著者の作品を読んでから実際の絵を鑑賞すると楽しい。 -
20世紀初頭の印象派画家、アンリ・ルソーの代表作、「夢」を主題に展開していくミステリー。スリリングな展開も去ることながら、著者のキュレーターとしての知識に裏打ちされた、作品の背景、作者ルソーの人生、ピカソやマリーローランサン、アパートの住人達と彼を取り巻く人々との関わりを通じた、印象派勃興機のフランスの美術シーンを理解出来ることが本書の最大の魅力であろう。ある意味、美術史の歴史小説とも言える。この本を読んで、ルソーという画家に関心と愛情が湧き、印象派の画家たちについてもっと知りたいと思った。
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美術館行きたくなる。
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原田マハの作品





