- Amazon.co.jp ・電子書籍 (444ページ)
感想・レビュー・書評
-
昨日から夜更かしして隙間時間も使って一気に読み切ってしまった。面白すぎる。恋愛ドラマならエンディングにくるような場面が序盤で起きたので気になって仕方がなかった。セント・ジョンのところが漫画みたいで可笑しい。絵やコマ割りが浮かんでくる(笑)セント・ジョンとジェーンの最初期のやりとりはギャグに見えた。㊦序盤とはガラッと変わっていて面白い。波乱万丈というか、出会いが全部当たりを引きすぎだろうご都合主義展開なのに、それを一切感じさせない筆力がある。後半はこれが「ゴシック・ロマンス」かというような怒涛の展開で、絵が浮かんでくるようだった。とにかく面白い。期待以上だった。キリスト教的な、陰鬱な話はベルイマンが大好きなので馴染みやすく、それでいて軸はロマンスだったので読みやすく面白かった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかくキリスト教の神や聖書への言及が多い。
ロチェスター氏の狂った妻が死に、腕と視力を失い、それ相応の天罰を受けた後で、ジェインは突如、彼の人生をずっと支えていく決心をする。
それはまるで、彼女が待ち望んでいたような天罰であるような気がして、読後、芯から背筋が寒くなった。
男性である主人に支配されるのではなく、あれだけ自由を欲していたジェインが身体的不自由におちいった主人に仕えることを決心するというこのぞっとするような公平という概念。言葉は悪いかもしれないけれど、極上のホラーだと思った。 -
何故今「ジェーン・エア」を読むのか。とりたてて本書に興味があったわけではない。むしろ、前時代的な感じがしたし、長いし面倒臭そうだった。だが、すでに購入済の「サルガッソーの広い海」をうえで、本書は必読だからだ。(なぜ必読かはネタバレになるので書きません。気になる人は「サルガッソーの広い海」を検索してください)
本書はというと、前半はリアリズムあふれて読ませるけれど、後半はほぼメロドラマだった。時代といえば時代なのだろうけれど。