握りしめた欠片 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
4.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (365ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 淡々と緊張感をもって進む正統派ミステリ.初読みの作家さんだったが面白かった.
    以下あらすじ(巻末より)
    東北の都市、海斗市から沖合5キロの泥洞島。7年前、姉の美花が行方不明になった。高校2年だった。それ以降、父は休職し、母は新興宗教にすがる日々。家族は崩壊してしまった。そんなとき、島内にある観覧車から従業員の死体が発見される。被害者の所有していた小型船から見つかったのは、いなくなった姉の携帯電話だった…。複雑に絡み合う事件の真相とは。失った家族の絆は取り戻せるか。心揺さぶる、感動の傑作長編。

  • 本作のアマゾンなどでの読者評価は他の作品に比べると低い。やくざの生態がわかりにくいというのが理由としてあげられている。確かに一般的にはなじみが薄いし、かつてのやくざの抗争に巻き込まれた離島の状況というのは、想像するのが難しい世界であるとは思う。
    けれど、本作は著者の作品としては最もハードボイルドらしくて、個人的は好きだ。感情を抑えた筆致と、登場人物達の半ばあきらめを感じさせるような生き様は、今日あまり作品には登場しなくなってしまった世界ではないかと思う。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1970年、岩手県花巻市生まれ。99年、『愛こそすべて、と愚か者は言った』で第三回新潮ミステリー倶楽部賞・高見浩特別賞を受賞。他の著書に『償いの椅子』『天国の扉』『ライオンの冬』などがある。

「2012年 『握りしめた欠片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢木冬吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×