DIVE!! 上 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
4.35
  • (15)
  • (16)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 152
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (317ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 飛び込み競技はどちらかというとマイナーな競技のような気がするが、その飛び込み競技にかけた人々の話。
    7メートルとか10メートルの高さからプールに飛び込むなんて考えられない。凄い恐怖なんだろうなあ。その恐怖を乗り越えなくっちゃ競技はできない。そしてそのうちそれが快感になっていくのかなぁ。
    そんな競技に打込む中高生、爽やかだけど、その内側には普通の中高生の顔も持っている。そのギャップも面白い。
    知季の失恋の話なんて微笑ましい。失恋が競技への情熱を沈めてしまうなんてやっぱり中学生。
    要一、知季、飛沫、みんなとシドニーオリンピックのことが気になる。
    続編も読まなくっちゃ。

  • YA(ヤングアダルト)小説で有名な森さんの作品。一言でいうと子供だけにはもったいないほど清々しいよい作品だと思います。

    ・・・
    ではその良さっていったい何でしょうか。

    本作でいうと、恋愛(失恋)、友情、嫉妬、将来への不安、競争、才能の有無、このような要素をふんだんに取り入れられていることでしょうか。当然中高生なので、うまく対応できなかったり、失敗もしますが、そのじれったさ・未熟さみたいなところや子供たちの心情が実にうまく描けていると感じました。

    加えて、登場人物のキャラが実に魅力的でありました。ダイビングクラブをけん引するリーダー的存在、完璧主義の要一(高2)、津軽の網元の伝統的飛び込み儀式を引き継く飛沫(高2)、そして未完の大器、やわらかい関節と優れた動体視力をもつ知季(中2)。彼らが競い合いながら切磋琢磨するのはスポ根のあるあるな展開ですが、見ていてとても感情移入してしまいます。それ以外にも、アメリカ帰りの女コーチ夏陽子や飛沫と同居するコーチの大島など、脇を固めるキャラにも個性が溢れます。

    さらにストーリーは、マイナースポーツながら飛び込み競技でオリンピックを目指す(目指さざるを得ない)という状況にあり、展開のエンターテイメント性も高いと感じました。上巻ではオリンピック選考の前哨戦となる中国合宿へのチケットをかけた大会あたりまでとなります。短い時間のなかで演技を練り上げていく様子や試合当日の様子などは読んでいるだけで情景を思い浮かんできます。

    ・・・
    ということで本作DIVE!!ですが、上巻だけを買わずに上下セットでご用意ください。スポ根系、ヤングアダルト系が好きな方はきっと気に入っていただけると思います。

  • 上巻は第一部と第二部。第一部が知季がダイブに本気になるまでの話。第二部は飛沫がダイブに本気になる話。・・・ってまとめ過ぎか。何かを極めようと思うと何かを捨てなければならないし、逆にいろんなものを抱えなければならない。でも、そういうものがあるのは素直に羨ましいと思う。

  •  主人公・知季は中二の普通の少年、熱血でもなくキャラの薄い感じが今風でとっつきやすいスポーツもの。脇キャラも適度に立ってて面白いし……とサラサラと楽しく読んだ。上の後半までは。
     それが、野性味あふれる濃いキャラの少年に視点がうつり、さらにエリートタイプの高校生へ、と変わってそれぞれの立場にたって物語が語られる。技術も年齢も高くなるぶん、悩みも重くなり、舞台も大きくなって、読む方も少々失速してしまう。
     個人競技だし、飛込みの競技時間はわずかに1.4秒。どうしても個人的な内面の話が軸になる。とことんストイックなスポーツなんですね……。
     最後のほうに親兼コーチの視点で語られる部分もあって群像劇のような面もあるのだけど、これはいらなかったかなーと思った。それより、メインの少年の視点で書いてほしかった。
     クライマックスのあと、少年たちが最も盛り上がって嬉しい気持ち、様子が省略されているのだけど、そこを存分に描写してほしかったなあ。
     それでも最後に中二の知季を置き、読後感のよい仕上がりになっていた。

  • 後編にまとめて

  • <上下まとめてレビュー>最高のスポーツ青春小説。知季・飛沫・要一の3人の飛び込み選手。三者三様の悩みや葛藤、そして情熱がひしひしと伝わってきて、熱い気持ちになった。数秒にかける飛び込みという競技の特性もあるのだろうが、すっかり惹き込まれてしまった。

  • キラキラしてる。
    お約束満載だけど、羨ましいくらいそれぞれが自分の道を見つけてがむしゃらに貪欲に掴んでく。

    再読

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森絵都の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
あさの あつこ
三浦 しをん
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×