巷説百物語 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (518ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 初、京極夏彦。お友達の紹介で、比較的読みやすそうなのでこのシリーズから読んでみることに。時代物ってあまり慣れていなくて(司馬遼太郎とはまた違うんだよなあ)、そうすらすらとはいかなかったが、妖怪及び時代風俗に関する基礎知識が増えて面白かった。

    ・必殺仕事人ぽい。というのもお友達の紹介の受け売りなうえに、必殺仕事人自体、片岡孝夫が出てる劇場版1本しか見たことないけど。裏街道を生きるいつものメンバーが、依頼を受けて、裏街道ならではの仕事をこなす。
    夕方に学校から帰ってくるとおばあちゃんが見ていた、時代劇ドラマの雰囲気。コメディ的な要素はないけど。「今週の主役」であるところの依頼人または悪役のシーンがあって、ふむふむ今週はそういう世界観か、と思っていると、おなじみのレギュラーキャストのシーンに切り替わる。毎回同じ衣裳の描写。
    そして最後は決め台詞があって、鈴がなる。この安定感。
    (どうでもいい話だが、おぎんの「江戸紫の着物に草色の半纏」という出で立ちは鮮やかでかっこいいなあと思っていたら、なぜか洋装バージョンで夢に出てきた。紫のコートに草色のショールを羽織った女性が。)
    ・仕事人一味(というふうに作中では呼んでないけど、便宜的にそう呼びます)や、そのかつての仲間などは、いわゆる下賤の身のもの。傀儡師やら、御行乞食やら、大道芸人やら。最近読んだ対談本がまさに「芸能と差別」をテーマにした本だったので、それのフィクション版を読んでいるようでグッドタイミング。電子書籍なので出てくる言葉をググりながら読めて、面白かった。
    ・妖怪が出てくる話と聞いていたので、もっとファンタジーな世界かと思っていたらちょっと違った。妖怪のせい、に見せかけて、仕事人たちは依頼をこなしていく。だから実際は、人の仕業(「仕掛け」と呼んでいる)。
    江戸時代のいつ頃が舞台かわからないけど、人がみんな妖怪の存在を素朴に信じているかというとそんなことはなく、ちゃんとみなさん合理的精神をもって日々暮らしている。だから、不思議な現象に対して「いやいやお化けなわけがない」という態度ではじめはいるのだけど、仕事人一味の巧妙な仕掛けによって、「ほんとに妖怪だったとしか、合理的に、考えられない」と思わされていく(全部が全部じゃないけど)。で、それは、実は世のお偉方が、自分達の落ち度を隠すためにそれしか道がなくて、仕事人一味に依頼していたことだったりする(「この人物をきれいさっぱり消してくれ」みたいな無茶な依頼など)。
    この構図は面白いなあと思う。私たちが暢気に「都市伝説じゃん?!」とかって騒いで他人事として楽しんでいる「不可思議な事件」は、実は、時の権力者と、人扱いもされずに生きている被差別者との、ねじれた共生の結果かもしれない。
    ・ずっと1話完結のお決まりパターンでずっと行くのかと思いきや、最後の最後は、仕事人リーダー格でいつも飄々としていた又市が、ちょっといつもと違ってセンチメンタルになって、未だ語られざる一面を覗かせて終わる。憎いね(笑) 続編シリーズはまだ電子書籍化はされてない模様。

  • まさに必殺仕事人の四人組プラス百介。勧善懲悪ものは安心して楽しめる。得意な性格の世捨て人たちは裏世界に精通し、人の世の闇を見通し、悪に鉄槌を下すのだから、かっこいい。

  • 「巷説百物語」(京極夏彦)電子書籍版を読んだ。十年くらい前に単行本で読んで以来なので、お気に入りだったにもかかわらずあらかた忘れてしまっていたよ。「続巷説百物語」以降も電子書籍化願います。あっちのシリーズは姑獲鳥から鉄鼠まではなんとか我慢して読んだけどその先はもう無理。合わない。

  • 2013年04月15日 ・・・再読

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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