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感想・レビュー・書評
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1981年の作品、山際淳司の書籍としては、これがデビュー作のはず。私は、発売後、すぐに買い求めた記憶がある。
8編のスポーツノンフィクションを収めた短編集。最も有名なのは、「江夏の21球」だと思う。ナンバーの創刊号に掲載され、スポーツノンフィクションという分野を広く一般に知らしめたというのが、この作品の功績だと思う。
「江夏の21球」も好きだけど、この短編集でもう一つ好きなものを選べと言われると、「八月のカクテル光線」を選ぶと思う。
夏の高校野球、1979年8月16日の甲子園球場での3回戦の第4試合、箕島高校vs星稜高校の試合を題材にした作品。この試合は、延長18回までもつれ、最後は、この大会の優勝チームとなった箕島高校がサヨナラ勝ちをする。そこに至るまで、信じられない、漫画のような場面がいくつもあるすごい試合だった。
この日の第4試合は、午後4時過ぎに開始され、試合時間3時間50分に及んだ試合が終わったのは、午後8時近く。当然、ナイター試合となったので、「八月のカクテル光線」という題名がつけられたのだと思う。
私は、この試合を、友人何人かと一緒に友人のアパートで、飲みながら、テレビで見ていた記憶がある。Wikipediaによれば、高校野球史上、最高の試合の一つと位置づけられている試合であり、お酒を飲みながらも、目が離せなかった。試合が終わった時は、すごいものを見た感覚を覚え、その後、遅くまで友人たちと話しながら飲んでいた。
今回、この本の感想を書くにあたって、当時のことを思い返してみたけど、40年以上も前の話なのに、よく覚えているな、と感じた。
今年の高校野球は、甲子園での交流試合や地区独自の大会はあるものの、春の選抜も夏の大会もコロナの影響で中止となってしまった。選手には同情を禁じ得ない。
早めに終息し、秋の大会が開催されることを期待したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここに出てくる学校と関連があり、読んでみた。
時代が昔過ぎて江夏の21球とかも聞いたことある程度だったが、歴史を知れた感じ。
ドキュメンタリー風に一つのシーンを複数の視点で描かれているタッチは興味深い。
物語に厚みが増して良い。 -
80年代に書かれたものなのでかなり古い。各選手のその後の人生に興味あったが、ネットでもほとんど情報は見つからず。
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昔、読んだときはもう少し心動かされたはずなんだけど...
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いろんなスポーツ選手の裏側が知れて良かった。その時代の出来事を知れて、思わず選手の名前を検索したりしていた。
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有名な「江夏の21球」を含むスポーツノンフィクション。
スポーツは題材が豊富ですから、作者の描き方によって見えてくる情景が結構違ってきます。この作者が描き出す場面は鮮明でもっと作品を読みたかった。
一番好きなのは「八月のカクテル光線」。子供のころ、夏の甲子園でナイターになるとなぜかわくわくしたことを思い出します。 -
たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。一度だけ打ったホームラン、九回裏の封じ込め。「ゲーム」―なんと面白い言葉だろう。人生がゲームのようなものなのか、ゲームが人生の縮図なのか。駆け引きと疲労の中、ドラマは突然始まり、時間は濃密に急回転する。勝つ者がいれば、負ける者がいる。競技だけに邁進し、限界を超えようとするアスリートたちを活写した、不朽のスポーツ・ノンフィクション。
著者について
1948年神奈川県生まれ。80年「ナンバー」創刊号の短篇ノンフィクション「江夏の21球」でデビュー。81年『スローカーブを、もう一球』で第8回日本ノンフィクション賞受賞。1995年、没。 -
人は誰でも、自分の人生の中から最低一つの小説をつむぎ出すことができるように、どんなゲームにも語りつがれてやまないシーンがある。
色んなスポーツの中のドラマが描かれていて読み応えがあった。 -
皆そういうこと一度は考えるよねという話を実践したボートの話はとても刺激を受けた。ドラマチックだけどドラマチックじゃないスポーツの世界。
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名もなきスポーツマンの生涯にスポットライトを当てた作品。心が動かされる作品が何個かあった。