- Amazon.co.jp ・電子書籍 (177ページ)
感想・レビュー・書評
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短編集。
不穏な読み心地で後味がやや悪めだった。
犭(ケモノ)という作品が二重に後味が悪くて印象的だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どちらかというとホラー寄りの短編集。
「鈴虫」:主人公の妻は、行方不明となった友人の恋人。ある秘密を抱えながらも幸せな家庭を築いたはずだった。しかし、息子が鈴虫をもらってきてから、幸福な生活にわずかな軋みが……。
「犭(ケモノ)」:椅子の脚に彫られていた短い文章。それは、殺人罪で服役していた男の残したものだった。服役囚の意図を知るため、主人公は事件の起きた土地へ向かう。
「よいぎつね」:友人にけしかけられ、主人公は祭の晩、良からぬ行為に出る羽目になる。実行せずにうまく誤魔化そうと思っていたものの、次第に黒い情動が沸き上がり……。
「箱詰めの文字」:主人公のもとに、泥棒に入ったことを詫びる青年が現れる。真偽のほどを確かめるべく自宅内を検証していると、押入れの中に見覚えのないものが。
「冬の鬼」:どんどや(左義長)の炎に達磨を投じる女性。成就した彼女の願いとは?
「悪意の顔」:ある同級生から陰湿ないじめを受けている主人公。偶然知り合った女性から、悩みの解決に繋がるという奇妙な絵を見せられるが……。
ホラーといってもサイコホラー的な方。サダコが出てきてコンバンワ~的な怖さとは違います。
が、正直、うわぁ……としか。まあ道尾作品ですからね、そういうのもあるかとは思っていたんだけど、甘かった。なんでここまで露悪的というか、エグくしなきゃならんのだろう。それが持ち味ではあるのだけど……。個人的には「向日葵の咲かない夏」の方がまだマシ。(やってることは「向日葵~」の方がヤバげなんだけども)
6編を通してちょっとした仕掛けがあるのだが、意味はあるのだろうか?行きつ戻りつしながら確認してみたけど、わからない。何度も読むしかないのか……。 -
「よいぎつね」が好きです。
胸糞悪いお話のはずなのに、夏祭りの妖気漂う雰囲気が相まって“ひと夏のおもひで”味を醸し出しています。
短編だからか、つい先日読んだばかりなのに他のお話の内容は忘れてしまいました。インパクトが薄かったです。 -
2023.04.26
いろいろ怖かったが、週刊誌のような略称の使い方に違和感を感じた。 -
中々サスペンスフルな物語が詰まっていて、この方の得意とする作風をなんとなく理解できてきた。ダークな雰囲気であったり、名前を徹底的に伏せているのも良い演出かなと思います。今後もこの作家を追ってみたいと思います。
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この作家さんのことは初めて知った。友人に教えてもラットところちょうどkindle unlimitedの対象になってる作品があった。短編集。なかなかに凶悪な話が多くて不気味だった。直接に残虐な描写は特にないのだが,それを想起させるような形で物語が語られる。凶悪なモノは人間の狂気で,それがタイトルに含まれる「鬼」なのかしらん。