粘膜シリーズ第二弾!今度は日本推理作家協会賞受賞のミステリーホラー!?
前作と同じで3部構成で別々の主人公、前回よりもグロ描写が控えめです。正直、第2部の熱帯雨林での怪物との死闘やヘルビノの町なんかは一作目の「粘膜人間」の方がパンチが効いてて面白かったなぁと思いながら読み進めてました。(それでも人喰いミミズのノムリアや、肉食ゴキブリのランニエなど、十分に粘膜ワールドは楽しめた)
しかし、この本の面白さは、すべての伏線が回収される第3部でした。爬虫人の富蔵がなぜ地下のネクロフィリアの男性を嫌がるのか、雪麻呂の父親は何故部屋に閉じ籠もっているのか。母の失踪の真相は?病院の特殊病棟の元通信兵が予言する軍神様との交信内容とは……ミステリーの文学賞受賞したのはこれだったのか……と、最後に大いに納得した作品でした。
粘膜シリーズは、前作の河童や雷太、今作の雪麻呂など、嫌なやつなのに何故か憎めないキャラの書き方が上手だなと感じてます。最初はこいつ悪いやつだなーって思うんだけど、読み進めるうちになんだか応援してる自分がいる不思議。
文句なく面白かった!