決断力 (角川新書) [Kindle]

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  • KADOKAWA / 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (201ページ)

感想・レビュー・書評

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  • AIの台頭で将棋でもコンピューターが人間に勝利する時代になった。本書(およそ10年前の本)ではそのような事態は2050年に実現するかもしれない、と書かれており、2017年に半ば実現してしまったことを考えるとAIが急激に進歩したことがみてとれる。

     羽生さんが大切にしていることはいくつかあって、そのうちの一つに才能よりも持続的な努力をいかに続けることができるか、を重視している。というのも将棋は精神をすごく消耗するので休みの日はできるだけ将棋のことを考えないようにしていることからもわかるように、続けること自体が才能みたいなものであると考えている。引退の時期もなく、自分にゆだねられてる以上、自由の利く職種であるといえるが一方で決断が自分にゆだねられているともいえる。

     それから過去の棋譜を全て追えるなど、情報が爆発的に増えたことに対しては全てを分析しきることはできないというあきらめの境地に達しており、また不確実性をうけいれ、それを楽しむような姿勢で臨んでいる。

     およそ10年前に書かれた本であるが、このような姿勢は将棋だけではなく、また今現在での情報に対する考え方として最もベターな在り方だと感心させられる。

  • ≪「将棋を指すうえで、一番の決め手になるのは何か?」  
    と問われれば、私は、「決断力」と答えるであろう。≫

    前々から、「羽生善治さんの本は面白い」という評判を聞いていたところに、藤井聡太四段の話題、と良いタイミングだと思ったので、読んでみました。

    ・勝負にあたり、集中力をキープするには
    ・情報化社会における知識の生かし方
    といった内容が語られています。

    (1) 羽生語録
    "知識は単に得ればいいというものではなく、知識を積み重ねて理解していく中で「知恵」に変えないと生かすことはできない。"

    "守ろう、守ろうとすると後ろ向きになる。守りたければ攻めなければいけない。"

    "決断は自分の中にある  
    現状に満足してしまうと、進歩はない。"

    勝負の中でぎりぎりまで振り絞った末にでてくるためか、羽生さんの言葉は真に迫っていると思います。
    スポーツ選手もそうだけど、勝負の世界で生きている人、本当に追い込まれて、そこから抜け出した経験がある人には、それを経験したことがない人の文章とは異なる実感がこもっていると思いました。

    (2) プロセス
    羽生さんの、「将棋を上達するためにしてきた勉強法」は、初心者のころから今も変わらない、以下の4つのプロセスだという。
    ・アイデアを思い浮かべる。
    ・それがうまくいくか細かく調べる。
    ・実戦で実行する。
    ・検証、反省する。
    まさにPDCAサイクルと同じようで、「将棋」のような伝統的で高度なゲームにおいても、仕事でも使えそうなプロセスが出てくることに興味を覚えました。

    (3) 才能のこと
    "才能とは、同じ情熱、気力、モチベーションを持続すること""

    "報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている""

    何もするにもそうですが、「継続」していくこと、そのためのモチベーションを保つことは本当に大変です。
    (趣味でも、スポーツでも何でも)

    何かを成したいと思い、それを継続すること自体が才能なのだとしたら、「持って生まれた才覚のこと」だけではなく、人が懸命にする努力そのもののことも「才能」と呼べるではないかと思います。

    まとめ
    評判通り、羽生さんの文章、面白いです。
    将棋に興味ない人でも、(私はそうでした)面白く読めると思います。
    (とりあえず、詰め将棋をやってみようと思い、iPhoneアプリをダウンロードしました)

  • 直感とは、経験の上に浮かび上がっていくるもの。
    無意識下に蓄積されている、これまでの様々な経験や知識が、勝負の際に直感力として発揮される。
    将棋の神といえども、現状維持ではやっていけない。若手からでも積極的に学ぶ。
    勝負強さの秘訣は、その貪欲姿勢の中にあった。

  • "才能とは継続できる情熱である"

    まさしくそのとおりだと思う。情熱を持ち続ける何かをみつけるのが大切。

  • 羽生さんが言うんだったらそうなんだろうと頷くための本。

  • 自己啓発本の類は読んだことがないが、特に決断力を手に入れたくて読んだわけではない。
    厳しくて辛い局面に対して、前向きに、プラスに捉えられるような姿勢。羽生さんが将棋を通して得た、生きる上でのノウハウや哲学のように感じた。一つ一つのことに意味を持たせて、しっかりと自分の中に落とし込んで、自分のものにしている。何事も考えなければそれまでだ。
    才能とは継続できる情熱だということ。人の情熱を垣間見て、何故か自分が応援された気がする。羽生さんはきっと元々センスもひらめきも良いんだろうが、天才と一括りにして神棚に祀るだけではもったいない。仕事に対する捉え方の見本として、自分も自分の仕事に対して自分を支える根を育てたいと思った。
    160615

  • 「才能とは、継続できる情熱である」

  • 将棋界で初の7冠達成は、今から20年前の1996年。その10年ほど後に発売された古い本ではあるが、独特のストイックな視点からのものの見方・考え方は、現代人にも大いに刺激になる。
    著者が生きる世界は、一見、もの静かで伝統的な思考実験の場に思えるが、激烈を極めるプロの勝負の場でもある。そして、伝統文化特有の師弟関係や先輩後輩の繋がりもある一方、パソコンやAI、ビッグデータ、ディープラーニングなどのテクノロジーで激変を続けている。これは、すべてのビジネス業界で起きているか、これから起きることに他ならない。
    とてつもない頭脳とたぎるような闘志の持ち主でありながら、奢ることなく、冷静かつ謙虚な姿勢は、万人が真似できるレベルではないことは確かだ。しかし、セルフコントロールやアンガーマネージメントというテーマは、まさに今を生きる人が挑戦し続ける課題でもある。

  • 気になった部分を一点。トッププロとコンピュータの互角の勝負は、強気派で2010年には実現するだろうと予想していましたが、2012年の電王戦で現実となりましたね。著者自身もいつかは対戦してみたいとのことらしいので、その際は、ぜひ観戦してみたいところ。

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プロフィール

羽生 善治(はぶ よしはる)
1970年生まれの将棋棋士。十九世名人、永世竜王、永世王位、名誉王座、永世棋王、永世王将、永世棋聖、7つの永世資格を持ち、史上初の永世七冠に。さらに名誉NHK杯選手権者の資格を持つ。
多くの著作を記している。初の著書、『決断力』は一大ベストセラーになった。ほか、人工知能技術を使った将棋ソフト研究をたゆまず続けており、『人工知能の核心』といった書籍にも関わっている。

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