新世界より(中) (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • おぼろげな世界観が輪郭を表してきます。

    管理される側の子供たちが感じる不条理さ。それこそ、『悪い考え』を抱かないように思考内容までも管理されます。
    その中で、早季たちのグループは『特別な素質』を持った子どもたちとして特別な扱いを受けています。自由な思考を奪う措置は施されなかったと。将来は町の指導者として町を守る存在となるように。

    全人学級で最も優秀な瞬に、不穏な兆候が出現します。全人学級に来なくなってしまった瞬。瞬が業魔化する前に不浄猫を送り処分しなければならない、という話を聞いた早季は瞬を探しに行きます。
    そして、瞬の最期。

    場面は変わり、消された瞬の記憶。その違和感から消された瞬の記憶を追い求めようとする早季。
    その後に、真理亜と守との別れもやってきます。

    続く下巻は一気読み必至です。

  • 貴志祐介、新世界より中巻。

    禁を犯した子どもたちに伸びる、倫理委員会の手。
    見せかけの安定が生み出していくディストピア。

    全く違うことを書いているようで、今の日本とあんまり変わらないのかもしれないよな…と読みながら思ってしまう。

    危険な予兆のある子どもたちを排除する新世界。
    今の日本もえらい人たちにとって制御しやすい人たちがよしとされる世界になっていないかな…ということをかんがえながら読んでいました。

    グロテスクな生き物の正体。
    バケネズミたちが恐れる神の力。

    人間とは何か?

    上巻ではなれなかった世界観にようやく中巻で慣れてはまり始める一気読みの中巻。

  • 土蜘蛛との戦いからの帰還、瞬の業魔化、守と真理亜の失踪とジェットコースターのような展開で目が離せない。富子さんの登場、早季の将来像もびっくり。SF的話の底には現代にも存在する問題の提起か。

  • 上巻の最初に語られていた真理亜のこと。この展開は不穏でしかない。バケネズミの動きも怪しい。
    一気に下巻に行くしかない。

  • 「ヤモリも四つ足、我らも四つ足、ヤモリが越す坂ならば、我らに越えられぬ道理はない」

  • 本を読んでいると、ふと自分がどこにいるのか、一瞬だけ分からなくなる時があります。今日、まさにそんな感じになりました。
    本に入り込むということは、そこに疑問や嘲りといった感情がまったく生じていない、つまり隙のない作品ということなんでしょう。なんて素晴らしい。
    と、冷静を装いつつ、脳は次のダイブに向けて突進中です。
    今日はもう遅いしやめようよ・・

  • 昨年末に上巻を読んだものの、そこで力尽きてしまった作品の続きを読む。
    正直上巻は凄く微妙(^^;)だったのだけど、アレは作品の切り方に問題が
    あったみたい。どうやら単行本では上下巻だったものを、無理に上中下巻
    にしたため、文庫版の上巻は物語が難解なところで切られてたらしい。

    作品の世界観をなんとなく理解し、想像が追いついてくるようになると、
    この作品なかなか。中盤で完全にめんどくささが抜けていき、過去から
    現在につながる何かがぼんやり見えてくる。この中巻のクライマックス
    はかなり圧巻な描写が溢れ、手に汗を握ってしまうほど。今回は切りど
    ころも間違っていない気がする。

    複数冊の長編は、やっぱり覚悟して読まなきゃダメだ、と反省。
    今の段階で下巻が気になってしょうがないから(^^;)。既にKindleストア
    で購入しているのだけど、未だダウンロード反映されず。
    急いでくんないかな、マジで(^^;)。

  • 記憶を改ざんされたり、真理亜と守の問題、バケネズミ、全てが悪い方向に行っているように思える。下巻もこの不穏な空気が続くのだろうけど、早く読みたい。

  • ふむ

  • ・久しぶりにページがどんどんめくれる感じで、物語に引き込まれてる。
    ・少しずつ明らかになっていく世界の真実がスリリング。
    ・それにしても、これはどういう結末に着地するんだろうか? 革命の物語に落ち着くとも思えないし。
    ・とにかく下巻を読もう。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。京都大学卒。96年『十三番目の人格-ISOLA-』でデビュー。翌年『黒い家』で日本ホラー小説大賞を受賞、ベストセラーとなる。05年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞。

「2023年 『梅雨物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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