- Amazon.co.jp ・電子書籍 (346ページ)
感想・レビュー・書評
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おぼろげな世界観が輪郭を表してきます。
管理される側の子供たちが感じる不条理さ。それこそ、『悪い考え』を抱かないように思考内容までも管理されます。
その中で、早季たちのグループは『特別な素質』を持った子どもたちとして特別な扱いを受けています。自由な思考を奪う措置は施されなかったと。将来は町の指導者として町を守る存在となるように。
全人学級で最も優秀な瞬に、不穏な兆候が出現します。全人学級に来なくなってしまった瞬。瞬が業魔化する前に不浄猫を送り処分しなければならない、という話を聞いた早季は瞬を探しに行きます。
そして、瞬の最期。
場面は変わり、消された瞬の記憶。その違和感から消された瞬の記憶を追い求めようとする早季。
その後に、真理亜と守との別れもやってきます。
続く下巻は一気読み必至です。
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貴志祐介、新世界より中巻。
禁を犯した子どもたちに伸びる、倫理委員会の手。
見せかけの安定が生み出していくディストピア。
全く違うことを書いているようで、今の日本とあんまり変わらないのかもしれないよな…と読みながら思ってしまう。
危険な予兆のある子どもたちを排除する新世界。
今の日本もえらい人たちにとって制御しやすい人たちがよしとされる世界になっていないかな…ということをかんがえながら読んでいました。
グロテスクな生き物の正体。
バケネズミたちが恐れる神の力。
人間とは何か?
上巻ではなれなかった世界観にようやく中巻で慣れてはまり始める一気読みの中巻。 -
上巻の最初に語られていた真理亜のこと。この展開は不穏でしかない。バケネズミの動きも怪しい。
一気に下巻に行くしかない。 -
「ヤモリも四つ足、我らも四つ足、ヤモリが越す坂ならば、我らに越えられぬ道理はない」
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記憶を改ざんされたり、真理亜と守の問題、バケネズミ、全てが悪い方向に行っているように思える。下巻もこの不穏な空気が続くのだろうけど、早く読みたい。
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・久しぶりにページがどんどんめくれる感じで、物語に引き込まれてる。
・少しずつ明らかになっていく世界の真実がスリリング。
・それにしても、これはどういう結末に着地するんだろうか? 革命の物語に落ち着くとも思えないし。
・とにかく下巻を読もう。