イノベーションのジレンマ 増補改訂版 Harvard business school press [Kindle]
- 翔泳社 (2001年7月3日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (391ページ)
感想・レビュー・書評
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優秀な経営者が失敗の原因。
顧客のニーズに従い、利益を追いかける。
通常なら正解だ。
だか破壊的技術の前では命取りになる。
動き出した時にはもう遅い。
「将来が見えない」状態でも予算をかけるようにしなければ、開拓した企業に負ける。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
イノベーションによりメーカーが入れ替わってきた理由を説明。既存の企業が常にトップランナーでいることの難しさを知ることができた。繰り返しの表現が多くやや冗長か。
【目的】
イノベーションを起こすためには?
【まとめ(1P)】
合理的な持続的技術ではなく、破壊的技術を小さな独立組織で始める
【ポイント(What)】
・持続的技術=既存の性能向上
◎破壊的技術=異なる価値基準から市場を侵食
・持続的技術を意思決定することは非常に合理的(説明できる)
・性能のニーズは一定以上は頭打ちで、別の価値基準が優先される
・価値基準は「性能→信頼性→利便性→価格」と推移
【アウトプット(How)】
・技術改善が「持続的」か「破壊的」か意識する
・破壊的技術は市場の学習が目的と割り切り、小さな独立組織ではじめる
・破壊的技術の特徴「低価格、小型、単純、利便性」の軸を考慮する
【その他】
・イノベーションの始まる小さな市場は既存メーカーにとって魅力的ではない
・市場は持続的技術へ向かわせる
・はじめにフィルターする中間層がイノベーションのキーパーソン -
昔からずっと気になっていて読む機会を作っていなかったが、今年の1月にブックオフで購入して読んでみました。
いや、これは本当に名書です。大企業が陥る破壊的技術に対して対応できないジレンマについて書かれています。
大企業は既存事業と既存顧客に対する対応(持続的技術)は切磋琢磨しますが、破壊的技術になりうる初めは小規模な市場を対象とする技術については、実行するメリットやきっかけがないために対応しないことで、破壊的技術を駆使して攻めてくる新興企業に最終的にやられてしまうという話を書いています。
私は一般的な上場している大企業の分類に所属しており、企画や事業推進を担当していますが、まさにこれはその通りです。小さな市場に対する起案をするにも、収益性を求められるため、手っ取り早いのは既存顧客が求めるソリューションの提供になってしまいがちです。
今、新しく会社のビジネスの刷新プロジェクトを担当しているため、この本で学んだことを生かそうと思います。 -
言わずと知れた名著、今更(今こそと思いたい)ですが、読んだ。成功を収めた企業が持続的技術で成長しながらもなぜ破壊的技術を携えた新興企業に道を譲らざるを得ないことになるのか、また、そのような破壊的技術はどのように生み育てるべきなのか。ハードディスク業界のなどの実例を挙げ、経営者はもちろん顧客、株主、中間管理職などのステークホルダーの立場を深く考察しその謎を解き明かす。
突っ込んだ論理展開に大きな組織でのイノベーションが絶望的にまで難しいことが良く分かる。失うものが少なく小回りの効く中小企業ならイノベーションの可能性は大きい、そしてそのリソースやパワーの不足を補うのがオープンイノベーションだ。 -
資源配分ゲーム
イノベーションのジレンマ
ーソノサイトの営業マン
ーユニリーバのHPL
ーアメリカの下院議員
ー日本の議員も同じだなぁ
子供に仕事の話では無く、会話のダンスをする事でシナプスが形成され、知的好奇心が育つ
IKEAは顧客ではなく、用事を片付けている。
あなたは何の用事を片付ける?
我が家の行動指針、仕事を通して学ぶ。 -
大企業は、既存製品の性能をこれまでの延長線上で良くする持続的なイノベーションに注力する。
新しい価値を提供する破壊的イノベーションが起こり、改善を繰り返し既存製品を脅かしてきたときに、焦って大企業が参入しても手遅れである。
大企業は怠けてたのではなく、むしろ顧客の声に真面目に応えていたというのが、ほんとうに皮肉である。 -
著名な本なので、多くの人が読んでいると思います。私の場合、新規の開発プロジェクトを提案しようと構想を練っていた際にこの本と出会い、2003年のお正月休みに一気に読み終えました。目から鱗が落ちるとは、このことかと思いました。そして、同時にイノベーションの恐ろしさに震え上がりました。特に、破壊的技術の原則の中で、原則1「企業は顧客と投資家に資源を依存している」、原則4「組織の能力は無能力の決定的要因になる」には、感銘を受けました。以後、幾度か読み直したり参照したりしています。私が読んでから20年も経過していますが、読んだことがない人には是非ともお勧めしたいと思います。このところ、イノベーションを何かの格好の良いファッションと勘違いしていそうな文章や発言を散見しますが、おそらく、この本を読んだことがない人だと思います。また、再読しようと思っています。
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いまさらながらセンセーショナルな理論。
とくに自身が微妙な需要の傾向にある事業に携わっているから余計に感じたのかもしれない。
いま大きな需要の変化が起きているのか、自分たちは上手くイノベーションに乗れているのか、決定論的な方程式ではないし、真偽は後からでないとわからなさそうだが、何をするべきかを考える視点は大きく広がる。 -
破壊的イノベーションが起こるのはいつも下位の市場から行ってくるもの。また業界によっては実現するための技術が簡単だったりする。では何故リーダーの位置にいた企業がそれを防げないかというと、バリューネットワーク内に入り込む隙間がなく、また利益率なども下がってしまうため、合理的な経営判断をすると選択肢から外れてしまう。
なので、対策としては破壊的技術を持った組織を作るか、買収する。その際に気をつけないといけないのが、主流組織のプロセスや価値基準を持って行かないこと。そしてその組織で新しい市場やバリューネットワークを構築することが成功する確率が高いやり方。
また、その破壊的技術が必要になる時が、供給過剰になるとき。単純、低価格、高信頼性、便利、そして弱みが強みになる。
個人的にはアメリカだと本当にいいものは知名度がなくても使いこなし、それこそ上位の市場も食いそうだけど、日本だったらあんまりなさそうなイメージが有る。